教科書会社の朝日出版社(朝日新聞社とは無関係)の創業者が亡くなり、遺産がすべて別居中の妻と娘に行ったあと、経営陣が出版社に縁のある会社に買い取らせようとしたら、妻子はそれを拒否して別の会社に売ることにし、反対する経営陣を解雇してしまった、というニュースを無関係の朝日新聞社が伝えていました(記事の書き方が下手すぎてヤフコメは非難ごうごう)。
従業員は30数人とからしいし、教科書会社はどこも自転車操業だと思うので、会社なくなるかもなあ、というのが正直なところ。
まあ、なくなっても全然困りませんが、私は。
20年くらい、いや、それ以上前からかな、私は大学の英語の授業で教科書会社の教科書を使わなくなっています。理由は、高い、中身が薄すぎる。
薄っぺらいテキストが1500円以上、もしかして今は2000円くらいするかもしれない。
英語のリーディングのテキストだったら、書店やアマゾンで買える一般向けのが1000円以内で売っていて、種類も豊富、中身も濃い。それでそっちを使うようにしています。
今、大学は半年単位の授業が多く、1年生は半年の英語の授業を年に4つとるのですが、そのテキストが1冊2000円だったら合計8000円ですよ。そのほか、他の授業でも高いテキストを買うわけですから、たまったもんじゃないでしょう。それで、私は1000円以内で買える、それも、生協で買いそこなっても書店やアマゾンで買える一般向けのテキストにしているのです。それでも最後までテキストを買わない猛者がクラスに数名はいますね。
教科書会社はなんとかテキストを買ってもらおうと、見本を送ってきます。20世紀のうちは大学が教員(専任・非常勤問わず)の住所氏名電話番号まで公開していたので、自宅に大量の見本が送られてくるわ、得体のしれないやつが不動産勧誘の電話をかけてくるわで、迷惑でした。が、個人情報に関する法律がきびしくなり、それもなくなり、今は大学あてに見本が来ますが、封も切らずにゴミ箱行きです。
自宅に見本を送ってきた出版社のうち、最も迷惑だったのが、この朝日出版社でした。
段ボール箱に大量に詰めて送ってくるのですが、当時、私が住んでいたのは風呂なしアパートで、各部屋に郵便受けがなく、アパート全体の郵便受けでしたが、ここに無理やりでかい箱を押し込むので、取り出すのも大変だし、他の住人の迷惑だし、それで受取拒否で返送していたら来なくなったのかな。
朝日出版社ではないけど、宅配便で来るのは全部受取拒否してました。
そんなわけで、教科書会社には悪い思い出しかないのですが、教科書会社は大学に営業に来るんですね。たまたま控室にいて、営業に会うとすごく迷惑。英語を教えていない大学でも営業が来て迷惑だったことがありました。
専任の先生はこうした教科書会社でテキストを作り、それを自分の授業で使うという形で貢献し、かわりに自分が執筆した売れない本を出してもらっている人もいましたね。
朝日出版社は一般書も出しているので、こういうところで本を出してもらえている人は影響受けるかもしれませんが、私にとっちゃ、いいかげんにしろよ、教科書会社、の代表が朝日出版社だったのです。
でも、英語を教えている唯一の大学は今年度で定年なので、来春からは教科書会社の郵便物を見ることはないでしょう。