2026年5月31日日曜日

「オニオン・フィールド」&後楽園から駿河台下へ

 「オニオン・フィールド」を映画館で見られるときが来るとは! 長生きはするものだ。

1980年代、一番好きな俳優がジェームズ・ウッズで、彼の出世作「オニオン・フィールド」はしかし、日本未公開でビデオは出ていたが、レンタル店では見たことがなく、一生見られないと思っていた。

駿河台下の三省堂の近くにある新しい映画館シネマリスでもらったチラシ。隣にレーシング・プログラムがあるのは、後楽園ウィンズで翌日のダービーの馬券を買ったから。


後楽園ウィンズと東京ドーム。ウィンズは土曜なのですいていたが、ドームの周辺は大混雑。





後楽園から水道橋、神保町、駿河台下、御茶ノ水あたりはかつては私の庭だったが、郊外に引っ越してからはほとんど行かなくなった。通りにはすっかり変わってしまった店と変わらない店が並んでいて、不思議な感じがした。買取します、という貼り紙をした古本屋も何軒かあり、ブックオフに売るより何かのついでにこっちで売る方がいいのだろうかと思った。

シネマリスの場所を確かめ、まだ時間があったので付近を歩いていたら公園があった。水飲み場もあり、喉をうるおして、近くのベンチで緑を眺めながらまったり。ここは明大の裏で、あまり歩いたことのない場所だった。


シネマリスのあるビルの入口と、下へ降りる螺旋階段。中に入ると、狭いところに人が何人もいて、写真を撮れる状況ではなかった。



「オニオン・フィールド」は意外な結末があるわけではないので、ネタバレ全開で行きます。

主人公はジョン・サヴェッジ演じる警官カール。新しい相棒イアン(テッド・ダンソン)と組むことになる。イアンはスコットランド系でバグパイプを吹き、医学生から警官になった人物。

もう一人の主役、ジェームズ・ウッズ演じるグレッグは狂気を感じさせるチンピラで、黒人の仲間と強盗をしている。グレッグと仲間のジミーが強盗に行こうとしたとき、カールとイアンに職務質問され、逆に2人を誘拐して玉ねぎ畑に連れていく。最初は殺すつもりはなかったのだが、グレッグはリンドバーグの子どもが誘拐されて殺されたことでできたリンドバーグ法で、誘拐はすべて死刑と思い込み、警官2人を殺すことにしてしまう。

イアンが殺され、カールは逃げ出し、グレッグとジミーは逮捕され、死刑判決が出るが、2人は再審を請求し、カールは脅されて犯人に銃を渡したことで責められる。

映画の前半は2人の警官と2人のチンピラの物語が交互に語られ、この2つの物語が交錯し事件が起こる。後半はこの事件のあとの物語で、リンドバーグ法は営利誘拐でなおかつ危害を加えた場合に死刑になるので、そうでなければ死刑ではなかったと知ったグレッグが法律を勉強し、司法に対して反撃していく。そのため裁判は長引き、事件の責任を感じたカールはしだいに心を病んでいく。

カールとイアンとグレッグは白人で、カールは名前の感じからしてドイツ系か? イアンははっきりスコットランド系、そしてグレッグはイギリス系のような感じだ。イアンは幼いころにピアノを習っていて、父は医者だったので裕福な家庭に見える。グレッグも裁判で登場する両親はかなりまともで、息子がどうしてこんなチンピラになったのかはわからないが、母親の病気のせいでヤングケアラーだったことが影響していそうだ。

ジミーは黒人と白人のミックスで、その他、黒人の人物が複数登場するが、カールが逃げたときに助けた黒人が、「白人同士の争い」と言っているなど、人種を意識した面がある作品だ。

1963年に起こった実話を元警官のジョゼフ・ウォンボーが本にし、ウォンボー自身が脚色している。なので、犯人に銃を渡した件について、現場のベテラン警官がカールを擁護する発言をするシーンなど、警察の世界がリアル。

ジェームズ・ウッズは「追憶」や「ホロコースト」のような、ちょっと気の弱い善良な青年の役が多かったが、この「オニオン・フィールド」の狂気の演技でゴールデングローブ賞ノミネートされ、ここからスター街道になり、「サルバドル」のアカデミー賞ノミネートにまで至るが、映画の後半、法律を勉強して知的になっていくあたりの演技も前半とは対照的で彼らしさが出ている。後半はむしろ、ジョン・サヴェッジの苦悩の演技の方が中心ではあるが。

ラストは、転職したカールは落ち着いた生活を取り戻し、イアンの母はバグパイプを吹く少年と出会って救いを見出す、という具合に一応のハッピーエンドになっているが、長引く裁判でずっと証人にならなければならないカールの苦悩を描く後半はちょっと見ていてつらいものがある。新宿シネマートでの特集上映もあまりお客さん入ってないように見えたが、こういう映画の公開はなかなかむずかしいと思ったし、それを公開してくれたことには感謝しかない。

映画のあとは、すぐ近くの建て替えられた三省堂へ。


学生時代からお世話になった三省堂だけど、新しい書店は4階までで狭く、落ち着いて本を見られる雰囲気ではなかった。3階はコミック、4階はジャンプショップっていうのも時代だね。



路地をはさんだ向かいの画材屋は昔通りで、御茶ノ水駅の前の丸善も昔通りだったが、御茶ノ水駅のあたりがものすごく変わっていて、驚いた。バーガーキングで久々にワッパージュニアを食べたが、思ったより大きくて、新鮮な野菜がゴロゴロ入っているのもよかった。それに、なんといっても、ドリンクにストローがついてくるのがね。マック以外ではストローが当たり前のようについてくるのがうれしい今日この頃。ドリンクもマックのドリンクはコーヒー以外薄いが、バーガーキングの600円のセットで飲んだオレンジジュースはMサイズで薄くなかったのも感激。