ホッケー・ミステリー「Starvation Lake」の続編、「The Hanging Tree」を読んでいるんですが、ホッケー激減です(がっくし)。
前作は原書で370ページもあったけど、今回は300ページあまり、ということで、もう半分以上読んだんですけど、ホッケー・シーンが出てくるまでに130ページもかかってるよ。そのシーンもわずかで終わっちゃうし。前作は前半と後半に重要なホッケー・シーンがあって、そこがよかったというか、突っ込みどころも満載で楽しかったんだけど、今回はそういう楽しみはないわ。
で、ストーリーは、前作から1年たった1999年2月。そうです、前の記事では書かなかったけど、前作は1998年2月が舞台なんです。1998年2月といえば、NHL選手が初めて五輪に参加した長野五輪が開かれていたわけなんですが、小説には長野のナの字もなかったですね。いくらアメリカ人がオリンピックに興味がないったって、初めてNHL選手が参加した長野五輪が一滴も出てこないってどうよ(とまた突っ込む)。
だいたい、なんで1990年代末に設定してるのかもよくわかんないんですけどね、このシリーズ。ま、それはいいか。
で、ストーリーは、というと、前作から1年たったスターヴェイション・レイクの町。主人公ガスは相変わらず地元の新聞で記者をしているのですが、新聞がインターネットやテレビまで手広くやっている会社に買収され、編集長も、その会社にコネのある若いのに代わっています。また、地元に住む金持ちの弁護士の息子が将来を期待されるスーパー・ゴーリーで、主人公が少年時代に所属していたチームにいるのですが、その弁護士が町に新しいアリーナを作ろうとしていて、最初は建設費を全額出すとか言っていたのに、金が足りないから町からも一部費用を出せと言い出していて、もめてる最中。真ん中あたりにちょろっと出てくるホッケー・シーンは、この弁護士の息子の試合です。
前半がホッケーの話ばかりで、ミステリーの部分がなかなか動かなかった前作と違い、続編はのっけから事件勃発。ガスのまたいとこで、親友スーピーの恋人のグレイシーが木で首を吊った。自殺と思われたが、ハシゴも車もないし、生命保険に入ってるし、で、他殺の可能性が浮上。グレイシーはガスと同じく、しばらく町を離れてデトロイトで生活していたのですが、やはり最近、町に戻って、リンクの製氷をするザンボの運転手をしていたのでした。
というわけで、ホッケー・シーンはほとんどなく、普通にミステリーとして話は進んでいきます。まあ、ミステリー・ファンにはこの方がいいに違いないというか、きっと、編集者から、第1作はホッケーの話が多すぎたから減らせと言われたのね。アメリカ人の大部分はホッケーなんて見たこともないからね。
そんなわけで、ホッケー・シーンはないわ、突っ込みどころもないわ、で、私的には前作ほどわくわくできないのですが、殺されたグレイシーという女性が謎めいた過去の持ち主で、狂気じみた行動をとる女性だったようで、この女性の過去が明らかになる後半は期待が持てそうです。
あと、やっぱり、アメリカでも私みたいに突っ込む人がいたんだろうね。前に、スーピーはディフェンスマンと書いてあるのにディフェンスの描写がない、と書いたけど、続編では数行だけど、ディフェンスについて書いてあるわ。ホッケーに関する記述も前作よりはまともになったというか、その分、突っ込めなくてほんと、つまんないよ。
というわけで、以上、中間報告でした。
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