今日28日で終了した午前十時の映画祭「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」。TOHO市川での4K上映を水曜に見て見納めにしようと思っていたが、結局、最終日の木曜も行ってしまった。2日連続早起き。寝不足です。
今週はじめに日経新聞でとりあげられたそうで、そのせいかどうか知らないけど、水曜も木曜も客が増えていた。おかげでトイレに行く人をひんぱんに目にしたり、今日なんか上映中にビニール傘を持って場内をうろうろしている人がいたり、休憩と出て、でもまだ音楽が鳴ってるのにスタッフが入ってきて「駐車券について」とかでかい声でいうので余韻も何もない。まあ、エンドロールでは立つ人は少なく、余韻を味わえました(例のビニール傘持ってうろうろの人はエンドロールが始まるとすぐに立った)。
駐車券について、というのは、普通は3時間駐車料金無料だけど、「ワンス~」は4時間以上あるので5時間無料とのことです。
というわけで、2週間で通常上映1回、4Kを3回見たわけだけど、もう映画館では見られないかもしれないので、やはり悔いのないようにしておきたかった。
さすがにこれだけ続けて見ると、細かいところまでよくわかって、いろいろと感慨にふける。
少女デボラが少年ヌードルスに聖書の雅歌を引用しながら話すシーンは、私の恋人になりたければまともな人になって、というデボラの愛の告白でもある。その直後、マックスが迎えに来て、ヌードルスは一緒には行かないと言ってデボラのところに戻るつもりだったが、町を仕切るチンピラに襲われて、その結果、デボラから拒否されてしまう。
それからマックスたちと大金を稼ぐようになり、カバンにお金を入れて駅のロッカーに入れるとき、カバンの上に手を重ねていくのだが、ヌードルスは少しためらってから手をのせる。そして、マックスの言葉にみんなが「Agreed」と同意の言葉を言うときも、ヌードルスは少しためらってから言う。ここで犯罪の道に入ってしまうとデボラの恋人になれないという思いが彼をためらわせているのだな、と思った。
そして、そのあと、一番年下の少年がチンピラに殺されて、逆上して相手を刺殺した上、警官まで刺してしまい、おそらく12年くらいの刑になってしまったのではないかと思う(チンピラだけなら正当防衛的な部分もあるので、数年だったのでは?)。
このナイフを突き刺すシーンが、休憩前のデボラに対するレイプと重なる。怒りで自分を失ってしまったときのヌードルスで、刺すという行為がそっくりそのままレイプになっている。
ディレクターズ・カットで加わったシーンについての考え方も、何度も見ているうちに少し変わってきた。
デボラとデートに行く前の運転手との会話は、ヌードルスが犯罪や悪行を正当化する人間になっていることを示していて、これがレイプという行為の伏線にもなっている。
イヴと出会うシーンも、これがないとヌードルスとイヴの関係がどの程度のものなのかわからないが、このシーンでイヴが彼に同情し、同情が愛に変わり、ヌードルスと愛し合うようになったのだということがわかる。
「カッコーの巣の上で」のオスカー女優ルイズ・フレッチャーをわずかな出番で起用したのは、このシーンではデ・ニーロに匹敵する存在感を示せる女優が必要だったからだろう。フレッチャーの存在感はみごとだ。
ほかにもいろいろ考えたことがあるけれど、とりあえず、今はこのくらいで。
先週金曜に見に行ったとき、映画のあとで海へ行けばよかった、と思ったので、水曜は海へ行く予定でカメラを持って行った。
シネコンのある市川コルトンプラザの屋上。スカイツリーが見える。ニトリの文字が反転して映っているのは、背後にニトリがあるから。
電車で南船橋へ。東京湾の海と港。駅からけっこう歩きます。
鳥もいます。
遠くに停泊する船。
港から駅に戻り、今度は逆方向へ。海の水が入り込んだ谷津干潟。夕方が干潮であることを前もって調べておいた。今回はかなり干上がっている。
真ん中にコサギ。
コサギのまわりにいる鳥。
こちらはダイサギ。
水曜は曇りだったけれど、今日は雨だった。