中国系の家族がマルチバースで戦う、という「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。アカデミー賞最有力ということもあって、かなり期待していましたが、うーん、私にはちょっとついていけないところが多くて。
中国系の一家の娘が同性の恋人を作ったことに納得できない母親、親の反対を押し切って結婚したのになぜか離婚を考えている彼女の夫、夫と結婚しなければもっといい人生があったはず、と考える彼女。経営するコインランドリーは税務署ともめていて、中国から来た彼女の父親との問題も。
という状態が、マルチバースの戦いを経て、母親は娘の同性愛を認め、家族は円満に、となるのを破天荒な映像で見せていて、これまで見たことがないような話の展開や表現に驚き、確かにうまいなあ、とは思う。香港映画のカンフーが出てくるけれど、香港映画とは感触が異なり、これも斬新な感じ。下品な下ネタも多くて、モザイクかかりまくりのところも。
破天荒、斬新、という言葉がぴったりで、うまいなあとは思うけれど、やっぱりついていけなくてとまどう。
自分の感覚が時代に合わなくなってるのだなあ、きっと。
南船橋のTOHOのドルビーアトモスで見たのだけど、画面が暗くて、IMAXで見た方がよかったかな、と思った。ドルビーアトモスで特に音がいい感じはしなかったが、ただ、クラシックの有名な曲がさりげなく挿入されていて、それがみんなすぐにわかったので、音はよかったのかもしれない。
スタッフには日系人もいて、アジア系映画がアカデミー賞総なめにするかどうか、楽しみです。日本語とか富士山とかもちらっと出てました。中国語のタイトルは「天馬行空」で、英語の「なんでもどこでもいっぺんに」は中国語だと「天馬が空を行く」。意味は「思想、思考、文章、行動などが、何物にも束縛されることなく、自由自在で素晴らしい勢いがある様子」だそうです。
追記 途中で「劇終」と出るところで「カメラを止めるな!」を思い出した。