2023年9月30日土曜日

谷中・上野動物園・西洋美術館

 10月1日は長年つきあった猫が逝ってちょうど半年の月命日。なので、その前に谷中へ。


猫がまったくいなくなって、新しい墓地の準備が。そして、猫がいたときはきれいだったお墓が草ぼうぼうになっている。



猫は霊園内で1匹、寛永寺で1匹会えた。

上野動物園に着いたのは3時半頃で、双子パンダ観覧は終了。リーリーは4時までだけれど、シンシンは高血圧でお休み中。映像のシンシンのそばにいるのはたぶんシャンシャン。



アビシニアコロブスのところに人だかりができているので、何かと思ったら、赤ん坊が生まれていた。あとで、実は4匹生まれたことがわかる。


猿山。子猿3匹は3歳になったが、まだすぐに子どもだとわかる。




さるやまキッチンで今年最後のかき氷。窓の上に吊るしてあったシャンシャンのバナーがすべて撤去されていた。


夕方のアビシニアコロブス。2つの部屋に分けて収容されていて、赤ん坊は2匹ずつ2部屋に分かれている。こちらの2匹は仲良くしていて、親もそれを見守っている。


こっちも仲良くしていたけど、親がすぐに出てきて離してしまう。ニホンザルの子ども3匹のときも似たようなことがあった。



久々だったのに猿山周辺しか見なくて、最後はコハクチョウ。


売店もシャンシャンのバナーはすべて撤去。でも、抱っこシャンシャンは売っていた。


西洋美術館。9月中旬から常設展内で19世紀の絵画の小展示があると知り、10月3日からのキュビズム展が始まる前に行った方がいいと思い、金曜の夜間開館を利用して5時に入る。が、何だか知らないけど大混雑で、全然落ち着いて見られない。6時半すぎたあたりからやっと人が減って、写真も撮りやすくなった。




半分くらいは常設展で見たことのある絵だったけれど、同じ画家でまとめて展示は初めて見たので、特徴がよくわかった。





この少女の絵、久しぶりに見た。


常設展は新しく入った絵や、初めて見る絵を中心に。大部分は何度も見ている絵なので、そこは素通り。



29日は中秋の満月。帰りの電車の窓から眺め、自宅に向かう道の途中で空を見たら満月が見えたが、少し歩いてまた空を見上げたらすっかり曇って見えなくなっていた。こんなわずかな間にほとんど快晴から曇ってしまうとは。深夜、ベランダに出ると、ちょうど雲がどんどんなくなって満月が見えたので写真を撮る。


でも、このあとまた曇ってしまった。次の中秋の満月は7年後。

上野駅の中の書店が30日は休業で、10月から同じフロアの別の場所に移動する。面積は半分以下になるようだ。ここは上野動物園のグッズを売っていたり、上野のパンダの写真集を表に並べていたりしていたけれど、シャンシャンがいなくなってからパンダ関係、動物園関係売れなくなったのかなあ。インボイスの消費税増税で電気代が上がるので、亀有のアリオは外の照明を早く消すようになってしまった。西洋美術館も企画展がないときは休業することが多くなった。私も美術館の企画展は2000円以上するので、行かなくなった。

10月からまた日本はいろいろと貧しくなっていくのだろう。

2023年9月27日水曜日

「アンダーカレント」&「ラ・ボエーム」

 オンライン試写で見せていただいた2本。どちらも10月6日公開。


「アンダーカレント」は「福田村事件」の井浦新と永山瑛太が出演し、どちらも真木よう子のヒロインにからむ役ということで、興味を持って見た。原作は漫画とのこと。

うーん、この内容で143分は長い。

そして、これは私個人だけの話だと思うが、私は銭湯通いの時期が非常に長く、人生の大半は銭湯に通っていたから、銭湯に関するところがどうも気になる。

映像を見ると、都心からかなり離れた郊外に見えるのだが、こんな場所で銭湯をやっていけるのか。

江戸川区の名前が出てくるので、設定は江戸川区が舞台らしいけど、どう見ても江戸川区じゃない。エンドクレジットを見たら、市川市、富津市、日野市の協力を得たようだ。市川市は江戸川区の隣、富津市は最後の方の海の場面だろう。遊園地や山の中の池は日野市って感じではないんだけど、銭湯のある町は市川市と日野市の風景を合わせたのかも。

市川市の銭湯組合の協力を得ているようなので、銭湯の周辺は市川市の街中なのだろうけど、ちょっと外へ行くと相当に遠方の郊外。バス乗らないと行けない場所みたいだし、あの辺じゃ銭湯、やっぱり無理じゃね? と、そんなことばかりが気になってしまった。

郊外でも多少は銭湯は残ってはいるのだが、やっぱり銭湯のある町のリアルがないのだと思う。

マキを使っているけど、街中ではマキを使うと煤が出るので、数十年前から街中の銭湯はマキは使わないと思う。

全体に町の描写が銭湯に通う人がいる町っぽくなくて、銭湯歴の長い私には相当な違和感があったが、話の方は秘密を抱えた人物が何人も出てきて、人物レベルでは面白いし、役者もいい。銭湯にこだわりがなく、あのスローペースがいい人にはよい作品かもしれない。


「ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌」はプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」をコロナ禍のニューヨークに置き換えたもの。出演者は売り出し中の若手オペラ歌手ばかりで、歌は聴きごたえ抜群。主役の男女は中国系、準主役の男女はヒスパニック、2人のボヘミアンは日本人とアフリカ系と、現代のニューヨークらしく白人以外をそろえている。ただ、舞台のオペラは役と歌手の人種が一致しなくていいので、黒人が白人の役を演じたり、オセロや蝶々夫人を白人が演じたりはかなり前から普通なので、カップルが同じ人種同士なのがかえって作為的で違和感がなきにしもあらず。

もとの舞台はもっと長いけれど、90分くらいでコンパクトに見られるし、歌はもちろんいいので、楽しめる。中華街を舞台にしたシーンが意外とイタリア語のオペラの世界に合っている。ちなみに、字幕はイタリア語のオペラの部分しか出ないので、人物が中国語などで話しているところは字幕が出ないのが少し残念だった。

2023年9月24日日曜日

「こんにちは、母さん」原作を読む

 「こんにちは、母さん」の原作、永井愛の戯曲を読んだ。


初演が2001年とのことで、主人公・福江はこのとき70代。なので、福江は東京大空襲の経験者であり、亡き夫は戦時中、虐殺に加担したかもしれないことが示唆される。

福江が恋する相手はカルチャーセンターで「源氏物語」を教える元大学教授。彼らの時代は好きな人と恋愛結婚するのではなく、親などが決めた人と見合い結婚する方が圧倒的に多かったことがわかるせりふがある。日本でも半世紀くらい前までは「熊は、いない」ほどひどくはないけれど、似たような状況はあった。

元教授は福江と本気で結婚を考え、息子一家にも福江を紹介するが、理解を得られず、元教授は家を出て福江の家で暮らすことにする。映画と同じく妻とは離婚の危機、会社ではリストラをめぐり危うい立場の福江の息子も母親のところに戻ってきて、日常的に出入りする近所の女性たちとのやりとりがあるが、映画との大きな違いは、息子には娘はいなくて、かわりに成人して独立した息子がいるらしいこと(登場はしない)。また、福江たちは留学生の世話をしているので、中国人留学生が登場する。

この留学生の部分がホームレスに変わったのが映画版。戦争中の話が抜けるかわりにホームレスの問題を入れたということか。

福江と元教授の別れは映画とはまったく違う展開だが、その後、福江が暗い部屋で落ち込んでいるという描写は映画と同じ。その後、花火が上がって、ラストは映画と同じせりふで終わるけれど、別れの理由が違うので、印象が異なる。

全体に、映画は原作の毒を抜いた印象。元教授の家族に会ったあと、福江が自分だけ学歴がなく、教養もないことを知り、劣等感に陥るというのは映画にはない重要な部分。映画の吉永小百合は上品で知的だから、原作の学のない、時には乱暴な言葉も使う古い時代の庶民の女性ではなくなっている。

映画のラストは、結局、母親のもとに息子が帰ってきて、母と息子の後ろ向きなハッピーエンドになっているが、原作ではそういう子宮回帰のような印象はない。

いかにも舞台劇らしく、福江の家の向こうに隣の家があり、複数の場所で登場人物たちが別の会話をしているのが同時に聞こえるシーンとか、ああ、舞台だな、と思った。

「世にも怪奇な物語」

 10代の頃、テレビで見て、ロジェ・ヴァディムの第1話とルイ・マルの第2話は面白くないけど、フェリーニの第3話がひたすら怖かった記憶のオムニバス映画「世にも怪奇な物語」。映画館で見られるチャンスがあったので、見てきた。


ホラー秘宝祭り10周年だったんですね。上のカードは県立図書館でもらった千葉県150周年記念のカード。

エドガー・アラン・ポーの短編を3人の監督が自由に脚色しているのだが、フェリーニの第3話は最初から映像が怖いというか不気味。それに比べるとヴァディム、マルは全然ホラーじゃない。やっぱりフェリーニは怪奇と幻想が得意なんだな、他の2人も個性は感じるものの、どちらもコスチュームもののドラマ。

ヴァディムの第1話はジェーンとピーターのフォンダ姉弟共演で、当時ジェーンはヴァディムの妻だったのだけど、セクシーな衣装をとっかえひっかえ着て出てきて、この頃のジェーンはセクシーさ満開であったのだ。ヴァディムと別れたあとはセクシーを封印し、ベトナム反戦運動と演技派女優の道を歩むことになる。

ルイ・マルの第2話は原作が有名な「ウィリアム・ウィルソン」で、アラン・ドロンとブリジット・バルドー共演。第1話も第2話も主人公が極悪非道なやつ。邪悪なジェーン・フォンダに対して極悪なアラン・ドロンもまたよいという点では見どころがあったし、冒頭の描写はルイ・マルらしさを感じた。

しかし、フェリーニの第3話を見ると、ヴァディムもマルも前座に見えてしまう。それくらいフェリーニのは力が入っていて、音楽もニーノ・ロータ。テレンス・スタンプの狂気の演技も見ものだが、ヴァディムとマルがスター中心の作品だったのに対し、こっちは完全にフェリーニの映像世界。

もう最初から人物の表情とか怖いのである。後半、赤いフェラーリに乗って突っ走るところも怖い。そしてラスト。

主人公はシェイクスピア役者で、「マクベス」のせりふを暗唱するが、そこで、イタリア人がシェイクスピアを「ダンテの次に偉大」と言う。イタリア人にとってはダンテが最高の詩人なのだな、と思ったが、「神曲」でダンテが女性によって天国へ導かれるのに対し、この話では主人公が女性によって地獄へ導かれる。この女性、記憶では幼い少女だと思っていたけれど、ある程度の年齢の少女、若い女性という感じだった。

2023年9月21日木曜日

「ルー、パリで生まれた猫」

 オンライン試写で見せていただきました。

画像はIMDBのサイトから。



パリの屋根裏で子猫が生まれ、母猫がどこかへ行ってしまったので、数匹は誰かが引き取り、残った1匹を少女が引き取って、ルーと名付ける。

少女の両親は口論をしていて、どうも夫婦仲が悪そう。

少女と両親は森の中の別荘へ出かけ、ルーも連れていく。ルーは森で白い猫に出会って恋をする。別荘の近くには老婦人がランボーという名の犬と暮らしている。

実は別荘へ行ったのは、両親が離婚して別荘を売るためだった。離婚後、別荘が売れたので、片付けのために少女と母とルーが別荘へ行く。そこで、白い猫に恋したルーが行方をくらましてしまう。

というストーリーだが、前半は猫はかわいいけど話が退屈。

後半、しだいに森に住む老婦人が主要な人物になっていき、少女に人生について、動物について、いろいろ教えていくあたりからだんだんよくなっていく。

猫よりもこの老婦人の魅力で持っているような映画。

15年間つきあった地域猫を亡くしたので、最後の部分で少女が猫を思うシーンとかはやはりジーンと来た。その部分では猫の顔は映らないのだけど。


上映館がさらに増えている「福田村事件」。当初はシネコンはイオンシネマとユナイテッドシネマとMOVIXが少数の館で上映だったが、その後、イオンシネマは上映館激増、ユナイテッドシネマも増やし、そしてとうとう、MOVIXも増やしてきて、柏の葉でも10月から上映。


つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅の次の駅が柏たなか駅なのだけど、この「たなか」というのは田中村だった場所だろうか。その次の駅、守谷でもイオンシネマが明日から上映開始。野田の唯一の映画館、イオンスペースシネマでも11月から上映で、これで旧福田村近隣の映画館で上映予定がないのはTOHO流山おおたかの森だけになった。

大手シネコンで上映予定がないのはTOHOと109だけなのだけど、どちらも親会社は鉄道会社(阪急と東急)なのね。

ツイッター(誰もXとは呼ばない)のリアルタイム検索で福田村事件を検索すると、非常に多くの感想が出てくる。中にはけしからんものもあるが、ほとんどはまじめな感想。見たあとに語りたくなる映画なのだろう。パンフレットがよく売れているのもうなずける。スタッフ、キャストが積極的に舞台挨拶を行っているのも彼らの熱意を感じる。

2023年9月19日火曜日

久々、葛西臨海水族園

 海が見たい、そうだ、葛西臨海公園と水族園へ行こう、と思い立ち、連休だから混み具合はどうかなと思ってHPを見たら、15日から21日まで60歳以上無料。平日の19日と21日(20日は休園日)は団体で混むそうなので、同じ混むなら一般人の方が、と思い、連休最後の18日に出かけた。3時半から入ればだんだんすいてくるだろうから、その前にちょっと海を見て、と、2時半に葛西臨海公園駅に到着。こんな車が。


まず、この建物に入って眺める。



砂浜へ行きたかったのだけど、午後5時で砂州へ行く橋が閉まるとは知らず、反対方向へ行ってしまったので、砂浜には行けなかった。

隣はディズニーランド。さっきの車が来る。屋形船の手前の岸にシラサギ。




葛西臨海水族園。階段を上がるとスカイツリーが見えた。建物は帰りに撮ったので、人があまりいないけれど、行きはかなりの混雑。とはいっても上野動物園に比べたらたいしたことはありません。




中から見上げる。この建物はいずれ取り壊して新しい水族館を立てるらしい。


シャンシャン?


人が多いのと、魚を撮るのはむずかしいので、あまりいい写真は撮れず。











富士山。羽田へ向かう飛行機がよく飛んでいる。


魚か何かを捕まえたアオサギ。光がないのでぼけぼけ。


暗くなってきたので観覧車に乗って夜景を見ようと思い、券売機の前まで来て、800円か、どうしようと思っていたら、窓口から「風が強いので揺れます」との声が聞こえてきて、またにしようと思った。実際、ものすごい強風だった。

水に映る観覧車の光。シラサギとカルガモ。





観覧車はライトがつかなくなっているところがかなりある。連休だけどあまり乗っていなかったので、もう飽きられたのだろうか。20年くらい前、近くの夢の島体育館のプールで泳いだあと、新木場駅からこの観覧車を眺めて、あれに乗りたいとあこがれたものだったが。昼間はすでに一度乗っているけど、すいていたなあ(2020年のコロナの時期)。