最近、立て続けに3回も、爪の先端がいつのまにか割れてなくなっている、ということがあった。
このところの乾燥で、爪も指もかさかさになっているのだけれど、私は爪は伸ばしていないので、たいして伸びていないのにいつのまにか先端がばさっと欠けているのはちょっとショック。で、予防策として、ひんぱんに爪を切ることにした。が、果たして効果はあるのか。毎日ヤスリで削る方がいいという話もある。確かに切ると、その衝撃でひびが入りそうでもある。
さて、私の最も好きなミステリー作家、ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)の非常に短い短編で、「爪」というのがある。
物語は殺人が起き、現場にはがれた爪が1枚あった。犯人のものに間違いない。そして、どうやら犯人はウサギの肉のシチューで有名なレストランの厨房で働いている男らしい。そこで刑事たちがレストランへ行くと、男は手に包帯を巻いていた。誤って指の先端を切り落としてしまったのだという。刑事たちはその指を探すが見つからない。結局、証拠がないので、刑事たちは去るが、果たして指はどうなったのか、というところで、ネタバレはなしね(想像はつくと思いますが、それがどういうふうに表現されているかが読みどころ)。
たぶん、創元推理文庫のアイリッシュ短編集に入っていたと思う。でも、アマゾンで調べると、アイリッシュの翻訳は多くが絶版になっているらしい。私はアイリッシュの翻訳は早川と創元でかなりの数を所有していたが、6年前の引越しのときに本を大量に処分し、アイリッシュもすべて売ってしまった。ポケット版も多かったので、高く売れたけれど、また読み返したいと思ったときなどはさびしいと感じる。国会図書館に行けばあると思うけど。
アイリッシュの作品で一番好きなのは長編の「暁の死線」。これはいまも健在。初めて読んだときは中学生だったが、ヒロインは若い頃のイングリッド・バーグマンがいいなあ、と思ったのは、おそらく、ヒッチコックの「白い恐怖」を日曜洋画劇場で見たからだろう。「白い恐怖」はヒッチコックの中ではかなり好きな映画。ダリのデザインによる映像が好きだった。そうか、ダリは中学時代からすでに好きな画家だったのだ。と、連想はどこまでも続く。