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な、なんだ、これは、と思ったら、あのアカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞作の記事に1日で800を超えるアクセスが!
なんか、この映画、ヒットするかもしれませんね。もしそうならうれしい。
(追記 テレビで取り上げられたんだそうだ。どうりでね。)
さて、解説を書いた「フランケンシュタイン」翻訳書(訳は別人)が27刷になったとのことで、印税振込みのお知らせが。普通、解説は原稿料で、印税ではないのですが、この本の解説はかなり長く、400字詰め原稿用紙で50枚を超えていました。普通、解説の原稿料は1枚3000円なので、15万円になってしまい、解説にそんなに払えないので、ページ割の印税になったのです。
初版部数は1万8千。当時の文庫本としてはかなり少ない数字です。現在では文庫の翻訳書は1万部を切っているものもかなりあるそうですが、当時は中小出版社の文庫本は2万5千部くらいが普通でした。その分、定価は安く設定されていて、「フランケンシュタイン」は400円だったと思います。今は逆に、初版部数が激減したかわりに、定価が単行本並みになっていますね。
そんなわけで、1万8千部で1冊400円で、ページ割の印税だと、私の取り分は5万円でした。50枚以上書いて5万円なので、1枚あたり、千円を切ってました。
しかも、当時としては初版部数が少ないにもかかわらず、売れなかったのです(涙)。
出版社は在庫を抱えると税金がかかってしまうので、売れない本は絶版にします。そんなわけで、「フランケンシュタイン」も絶版になりそうになったとき、救いの神が! ある学校が、この本を教科書にしてくれたのです。
それで増刷が決定。ま、増刷といっても、2千部から3千部ですが、とにかく増刷が決定。そして、その後、じわじわと売れ続け、やがてケネス・ブラナーの映画化も公開され(映画とのタイアップは角川独占になり、この本はタイアップできなかったが、それでも売れた)、ロングセラーとなっていったのです。
で、結局、合計で、たぶん、15万円くらいになってます、私の取り分。やっと正規の原稿料になったわけですが、27刷になってもこんなものです、この世界。翻訳者の苦労は推して知るべし。
この本が出たのが1984年の2月なので、ちょうど29周年がすぎて、30年目に入ったところです。いつまで残るのかな。定価も400円から700円台に上がってますが、この定価が、実は、あまり上がらなかった。400円から600円くらいになったあと、ずっと上がりませんでしたが、光文社の古典文庫で「フランケンシュタイン」が出たときに700円台になった気がします。600円なら光文社より激安だったんだけどね。