2018年8月6日月曜日

創元のFGO関連文庫を映画で

前回紹介した、創元推理文庫がスマホのゲームキャラに関連する小説6冊にキャラ帯をつけてフェアにした件、この6冊を映画で、というのを勝手にやってみました。
前記事の写真と同じ順番でご紹介。画像はアマゾンから拝借したDVDまたはBDのジャケット。

「シャーロック・ホームズの冒険」
 原作に忠実なテレビ版、現代版「シャーロック!」、最近の映画の「シャーロック・ホームズ」などが有名ですが、キネ旬の1970年代外国映画ベストテンで私がイチオシしたのがこのビリー・ワイルダー監督のパスティーシュ。小説の「シャーロック・ホームズの冒険」は短編集ですが、映画はオリジナルストーリー。ホームズのゲイ疑惑(ここ、今だとちょっと問題になりそうな描写ですが)、ホームズは本当に女性を愛さないのかという疑問、ホームズより優秀な兄マイクロフトなど、ホームズ好きの間で話題になっていたことを取り入れています。オリジナルはもっと長かったのに短縮させられてしまい、カットされた部分も残っていないのだそうで、ワイルダーにとっては不本意な面もあったようです。当時のキネ旬では巻頭特集となり、表紙はヒロインのジュヌヴィエーヴ・パージュ、シナリオ分析採録も掲載されています。

「オペラ座の怪人」
 古くは「オペラの怪人」、新しくはミュージカルの映画化、それに「エルム街の悪夢」のフレディーが怪人を演じたホラー映画もありましたが、私のお気に入りは映画ではなく、ロンドン25周年公演のDVD(写真はBD)。オリジナルの舞台(劇団四季の最初の公演を見ました)とは違うところもあって、そこはオリジナルの方がよかったのだけれど、やはり舞台はよい。見応えあります。

「フランケンシュタイン」
 いろいろありますけど、やっぱりボリス・カーロフでしょう。原作とはだいぶ違う話になってはいますが、エッセンスは受け継がれています。「フランケンシュタインの花嫁」と合わせて見るのがベスト。

「ジキル博士とハイド氏」
 これもいろいろあるんですが、スペンサー・トレーシー、イングリッド・バーグマン、ラナ・ターナーという豪華な顔ぶれのこの映画がやはりおすすめ。令嬢役をオファーされたバーグマンが汚れ役の女性の方を演じたいと言い、ラナ・ターナーと役を交換したという裏話があり、バーグマンとターナーが従来の役柄とは正反対の役を演じています。上のDVDは1932年のフレドリック・マーチ主演映画(写真左)も収録されていて、こちらの方が傑作らしいですが、私は未見。

「吸血鬼ドラキュラ」
「魔人ドラキュラ」やコッポラの「ドラキュラ」がありますが、 これもやっぱりクリストファー・リーとピーター・カッシングで決まり。

「血とバラ」(「吸血鬼カーミラ」)
アマゾンでは日本版ソフトは出てきませんでした。ソフト化されてない? 出てきたのは英語タイトルのものと、上のイタリア語版。フランス語版は?
「吸血鬼カーミラ」を現代に置き換え、ロジェ・ヴァディムが描く耽美な世界。公開当時「わからない」という意見が多かったようですが、キネ旬に連載されていた石上三登志氏の「ぼくは駅馬車に乗った」での「血とバラ」論が目からうろこです。

というわけで、古い映画ばかりになってしまいましたが、古典には古典で。
ちなみに原作6冊のうち、「オペラ座の怪人」だけがフランス文学で、あとはすべてイギリス文学です。