2024年12月14日土曜日

うらやましい話と、筑波大の推薦制度

 ツイッターがXになってしばらく、ログインしないと見られない状態が続いていた。私はXはやっていないのでログインできず、それまで見ていた人たちのXがまったく見られなくなってしまった。

それが、比較的最近になって見られることがわかり、久々に関西のある研究者のXを見たら、非常勤講師から特任教授になっていた。

この人は非常勤講師をものすごくたくさんやっていて、大勢の学生を受け持っているが、レポートなどにはしっかりコメントまでしてるようで、ほんとに教育が好きな人だなあ、と感心していた。もちろん、研究もしていて、論文も定期的に発表している。

年齢はたぶん60歳くらいだと思うので、このまま70歳まで非常勤講師なのかな、と思っていたら、特任教授就任となり、卒論指導をしている。

いや、うらやましい限りです。私も、特任教授になって卒論指導したいな、と思っていたけど、もう非常勤講師も定年になる年なんで。

でも、考えてみたら、私は一応、プロで評論家してたくせに、文章の書き方とか指導するのがどうも苦手。学生の書いた文章を評価はできるけれど、どうしたらうまく書けるかを教えるのはたぶんうまくないような気がする(まだそういう授業をしたことはないが)。

そしてなにより、教育熱心では全然ない。


話変わって、



ただいま絶賛バズリ中の筑波大学の推薦入試制度。国立大の推薦では唯一、学力試験がないのですが、上のようなヤフコメを見て、いろいろ考えてしまいました。

推薦ややさしい入試を増やして一番むずかしい入試の偏差値を高くする、というのは私立大学なら普通にやっていることですが、筑波大の推薦制度はまさにそれなんですね。

この推薦は数十年前からあるようなので、やんごとなきお方のために作られたのではまったくない。

筑波大の推薦で落ちた生徒が一般入試で合格しているから、筑波大の推薦は一般よりレベルが高い、などというコメントが結構見られるのですが、そもそも、筑波大の推薦は学力で選んでないので、学力で選ぶ一般と一緒にしてはいけないのです。

学力で選んでないわけですから、優秀な人もいるだろうし、それほどでもないけど小論文と面接の練習で受かったり、なんらかの忖度で受かった人もいるだろう、ということ。

高校の内申はあてにならないです。

遥か昔、私が高校3年生のとき、高校に青山学院大学から推薦の募集が来たそうです。で、応募するにはトップクラスの成績でないといけない。が、うちの高校では、トップクラスの生徒はみんな東大をめざしてるので、青学に推薦で行くはずない。一般入試でも私大志願者は早慶とかをめざすので、青学を第一志望にしてる人とかいなかったと思う。

内申があてにならんとはこういうことなんですが、今は絶対評価なので、推薦出す人には高い成績をつける高校もあるらしい。

小論文と面接だけとか、そういう推薦入試は学力で選んでないので、合格した人の学力はわからない。不合格者の方が学力は上かもしれない。だから不合格者が一般で合格する、ということなんですね。

にもかかわらず、推薦で入った学生の方が一般入試で入った学生より優秀だ、ということを大学関係者が時々言う(今回の筑波大入学が決まったお方とは無関係な話です)。しかし、現場では、推薦で入った学生は勉強しない、という話をよく聞きます。

推薦で入った学生でも優秀でがんばっている人はいるでしょうから、彼らのためにそう言ってるのかもしれないけど、大学関係者が推薦で入った学生の方が優秀と言うのを聞くたびにいつも疑問に思っています(一般入試で入った学生をディスっているとは思わないのだろうか?)。