2016年2月29日月曜日

「ヘイトフル・エイト」を見て帰ってきたら

今日はシネコンに「ヘイトフル・エイト」を見に行ったのですが、帰ってきたら、私の推した「スポットライト」がアカデミー賞作品賞を受賞していました!
おめでとう! 脚本賞は鉄板だと思ったけど、作品賞も取るとは!
おかげでブログの「スポットライト」の記事のアクセスが急上昇です。
しかし、2年連続私の推す映画が作品賞とは、大丈夫か自分? いや、大丈夫かアカデミー賞?
2年連続といえば「レヴェナント」のイニャリトゥも2年連続監督賞。そして撮影賞は3年連続同じ人。
ディカプリオの主演男優賞受賞もおめでとうと言いたいです。10代の頃から演技派と言われていたのに、その後アイドル的になってオスカーから嫌われた感もありましたが、やっとという感じ。
「ヘイトフル・エイト」も作曲賞受賞していました。

さて、タランティーノの新作「ヘイトフル・エイト」ですが、この映画、実は試写状をもらっていたのです。が、その試写室は予約制で、試写状が来た時点でもうどの回も予約は満席。予約なしで見るには1時間以上前から並ばないといけない、というので断念。3時間もあるし、タランティーノの映画って、そんなに好みでもないしな、って感じで。
遠くの試写室より近くのシネコンになっている今、やはり便利なのは近くのシネコン。先週末から始まっていたので早速見てきました。
南北戦争終戦後の西部、吹雪の中、山小屋に避難した男たちと1人の女(御者を入れると合計9人なのですが)。南部人と北部人、黒人と白人などの対立がある中で、賞金がかかっている犯罪者の女を救いに仲間が忍び込んでいる、果たしてそれは誰か、というミステリーになっていきます。
ミステリーなので詳しいことは書けませんが、とにかく血みどろのスプラッター的要素が濃いので、あんまり血を見るのがいやな人にはお勧めしない、というかタランティーノだからこのくらいはやるよね。
ミステリーになるのは後半で、前半は南部人と北部人のいろいろなしがらみや対立が中心。人種差別が普通だった時代なので差別語もバシバシ出てくるし、白人と黒人、それにメキシコ人も加わった人種差別も出てきますが、面白いのは、差別するのは白人、といった紋切型ではないこと。この辺、ネタバレになるので詳しいことは書けませんが、黒人も他の人種を差別しているのです。
また、女性が容赦なく暴力にさらされるってのも特徴ですね。
女性の人物はジェニファー・ジェイソン・リーの女犯罪者だけかと思ったら、途中に回想シーンがあって、そこに女性たちが登場。その中でカラミティ・ジェーン風の女性がなかなかキュートです。最後に配役を確認しようと思ったのに、なぜかエンドクレジットに配役が出ない。あとでネットで確認しよう。
そんなわけで、ミステリーだけでなく、南北戦争がらみの部分も興味深い作品でした。
ところで、この映画、途中の回想シーンで猫が出てくるのですが、
あの猫はどうなったんだ!?
最初の方で山小屋のドアが壊れていたり、赤い菓子が落ちていたりするのが回想シーンで説明されるのですが、猫はどこへ行ったのだろう。私が見逃していたのだろうか。猫が屋根裏に隠れていて、これは全部猫が見た話、というふうに終われば面白かったのに。

2016年2月26日金曜日

梅が見ごろ

今週は天気があまりよくないですが、近くの自然公園で梅が見ごろになっています。
まずは菜の花。

こんな花も咲きだしていました。背景は白梅。

枝垂れ梅。背景は紅梅。

オシドリ。実は鳥の写真をたくさん撮っているのですが、あまりに多くて整理もせずに放置してます。

以上は曇りの日だったので、先週の晴れた日に撮った写真を。
手前がライ麦、右奥が菜の花、左奥が梅林。ライ麦は実物を見たことがないので楽しみ。大麦も近くにあります。

半月が出ていました。手前は紅梅と白梅。


枝垂れ梅。

ここは紅梅が早くて白梅が遅い傾向。

飛び立つコサギ。

小魚を捕まえたコサギ。

おまけ。黄昏のスカイツリー。とてもきれいな色に撮れました。鶯谷のホテルの看板が下に。

2016年2月24日水曜日

スーパーで売っている苺大福の現実

生まれて初めて買った苺大福@某有名スーパーにて。

理由は、

左は4つ入っていたのですが、写真を撮る前に2個食べてしまった。ちなみに、最終価格の前の値下げは左が200円、右が100円。左は250円、右は150円くらいが定価でしょうか(追記 130円くらいのようです)。
そして、中身。苺が上の方に寄ってますね。かなり小さい。大福も四角っていうのがなんとも。

切ってみました。ああ、あまりにも残念な苺。下の方は外側も白い。写真はイメージです、というのはこのことか。(追記 他の人のブログに写真が出ていましたが、苺はもっと赤くて立派でした。)

この苺を見てしまうと、もう、口の中では白あんと苺を別に食べたような感じです。というか、切ってしまったので、別々に食べるような感じになってしまった。切らずに中を見ずに食べたらもう少しよかったかも。
桜餅とよもぎ餅はおいしかったです。
それにしても、私が自分で菓子を買うことはめったになく、ましてや、一度にこんなに食べることもめったにありません。しかし、消費期限は今日までなので全部食べます。
以上、写真はすべてフラッシュ使用。

そして、これが今日のベストショット。小さな鳥が2羽、鳥のオブジェにとまっています。

2016年2月20日土曜日

見てよかった「スター・ウォーズ フォースの覚醒」(ネタバレ大あり)

この映画、あまり見たくなかったので、映画館はスルーしてしまおうと思っていました。
第1作の「スター・ウォーズ」(エピソード4)は大好きで、もちろん初公開時に見ています。西部劇から神話伝説空中戦まで、ありとあらゆる過去の娯楽映画の要素が満載で、本当に好きでした。
その後、シリーズ化され、「帝国の逆襲」、「ジェダイの帰還」(初公開時は「ジェダイの復讐」)と、最初のような明るさがなくなって、親子だった、きょうだいだった、と、なんだか家族のもめごとになっていったのがちょっと残念でしたが、それでも好きだった最初の三部作。
が、それからだいぶたって現れた三部作、ルークの父アナキンを描くエピソード1~3が、私はだめだった。一応、全部、ロードショーで見ましたが、全然好きになれない。最初の三部作が好きだから一応つきあっただけみたいな感じで終わってしまいました。
ルーカスはこれで打ち止めにしたのですが、そのルーカスフィルムがディズニーに買収され、ディズニーの意向で新三部作が作られる、と聞いたときは、こりゃもうだめだ、と思いましたね。
だいたい、最初に20世紀フォックスのマークの出ない「スター・ウォーズ」なんて、「スター・ウォーズ」じゃない、と思ってますから。それどころか、最初と最後にディズニーのシンデレラ城が出るんでしょ? 冗談じゃないよ。
新三部作にはルーカスは関与しないと聞いて、ますますこれは別物なんだ、ディズニーの「スター・ウォーズ」なんだ、と思いました。
そんなわけで、スルーしようと思っていたのですが、先日「オデッセイ」を見た近くのシネコンでまだやっているんですね。じゃあ、せっかくだから見てこようか、と出かけました。

まず驚いたのは、シンデレラ城が出ない! ディズニーのマークとかいっさいなし。最初はルーカスフィルムのロゴ。続いて、なつかしの第1作と同じように英語字幕が流れていき、そして、第1作と同じような映像でスタート。その後も第1作のシーンや物語展開をなぞったようなシーンが続出。ミレニアム・ファルコンが出てきたときは感涙ものでしたね。音楽が一瞬、第1作になるのだよ。
そんなわけで、これは第1作大好き人間のための映画だったので、あとはもうノリノリで見てしまいました。
第1作へのオマージュ捧げまくり、というのは情報としては知っていたのですが、実際に見てみると、これはすごい。ルーカスが関与していたら、こんなオマージュ捧げまくりは恥ずかしくてできないわけで、ルーカスが離れたからできたことなんです。
主役の新人2人がわりと平板な顔立ちで、華もないし強烈な個性もないのが不満ですが、彼らはまだどこの誰かもわからない、本人にもわかっていないわけで、そういう白紙の状態の主人公と見れば、今後、話が進むにつれて彼らも個性的になっていくのだろうと思います。
この2人、レイとフィンが、まだ恋人同士にはなってないのに、かなり仲良くなってるのはディズニーの最近のアニメっぽい。
ハリソン・フォードのハン・ソロは相変わらず借金取りに追われているし、チューバッカも健在。劣化が激しいと言われて反論したレイア姫のキャリー・フィッシャーは確かに実年齢より老けて見える。たぶん、髪型とメイクと服装のせいだと思うけど、あの髪型とメイクは第1作に従っているのだろうな。最後に登場するルークのマーク・ハミルは想像していたよりもかっこよかったです。年をとったルークはなかなかよい。続きが楽しみです。

そんなわけで、第1作大好き人間としてはたまらない映画だったのですが、もう1つ、私を喜ばせてくれたのは、この映画がジョン・ブアマンの「エクスカリバー」にもオマージュを捧げていたことです。
「スター・ウォーズ」はもともと、「オズの魔法使い」とアーサー王伝説を元ネタにしていて、ルーカスは最初は「オズの魔法使い」を考えていたらしい。実際、砂漠の惑星でおじとおばの農場で暮らし、外の世界に出ていきたいルークは、何もないカンザスでおじとおばの農場で暮らし、虹の彼方へ行きたいと思ったドロシーとそっくりです。しかも、ハン・ソロがかかし、C3POがブリキ男、チューバッカがライオンだという指摘もありました。
実際、ルーカスは主人公を少女にしようと思っていたのですが、少女だと逃げるばかりなので少年に変えた、という話もあります。なので、今回の映画が女性が主役なのは、ある意味、ルーカスの「オズの魔法使い」の原点に返ったとも言えるわけ。ただ、ヒロインのレイは外の世界へは行きたがらず、宇宙へ出ても帰ることばかり考えていますが、ドロシーもオズの国へ行ったあとはカンザスに帰ることばかり考えているのです。
一方、ルーカスは主人公を少年にすることで、そこにアーサー王伝説の要素を加えます。アーサーは悪い王ウーサーの息子でありながら、自分は立派な王になり、理想の国を作ろうとします。ルークの父がダース・ヴェイダーことアナキンであり、ルークは父とは違う立派な騎士になろうとするように。また、アーサーにはマーリンという魔法使いがついていますが、ルークにはオビワンという師がいる。そして、レイア姫とハン・ソロが王妃グエネヴィアと騎士ランスロットを連想させます(アーサー王伝説では三角関係になってしまいますが、「スター・ウォーズ」ではルークとレイアを兄妹にすることで三角関係を避けています)。
ブアマンの映画「エクスカリバー」は、「スター・ウォーズ」がアーサー王伝説をもとにしているので、それならアーサー王伝説の映画を作ろう、ということでできた映画だと、公開当時言われていました。アーサー王伝説の映画では現在でもこの「エクスカリバー」が最高傑作であることは間違いないですが、「フォースの覚醒」にはこの「エクスカリバー」を思わせるシーンが後半に登場します。
1つは、ルークのライトセイバーに触れたことで過去を思い出し、自分の運命を知らされたレイが森に逃げ込むシーン。「エクスカリバー」では、岩にささったエクスカリバー(王になれる者しか引き抜けない剣)を引き抜いてしまったアーサーが、王の責任の重さに森へ逃げ込むシーンがありました。
もう1つは、レイとフィンが悪役カイロ・レンと対決するシーン。転げ落ちたルークのライトセイバーが、カイロ・レンを素通りしてレイの手に収まるシーン。これはアーサーが思いがけずエクスカリバーを抜いてしまったシーンに相当します。
そしてもう1つ、カイロ・レンが父であるハン・ソロを刺し殺すシーン。ここが「エクスカリバー」のラスト、アーサーが息子モードレッドに刺し殺されるシーンにそっくりなのです。「エクスカリバー」ではそれは黄昏のシーンになっていますが、「フォースの覚醒」では太陽がしだいに光を失っていくシーンになっている。ここも符合しています。

「フォースの覚醒」の話を聞いたとき、カイロ・レンはモードレッドだろうと思いました。
彼はハン・ソロとレイアの息子ですが、アーサー王伝説でいうとモードレッドにあたる人物です。
モードレッドは伝説ではアーサーがグエネヴィアと結婚する前に、姉とは知らずに関係を持った女性との間に生まれた息子です。王の息子ではあるけれど、婚外子という複雑な立場。「エクスカリバー」では伝説を変えて、結婚後に姉にだまされて関係を持ち、生まれた息子というようになっています。
カイロ・レンはルークの息子ではないのですが、アナキンの孫ではあります。レイアの父がアナキンなので(まさか、実はレイアとルークの息子だった、なんてことはないよね? いくらなんでもディズニーで近親相姦はないでしょう)。
で、カイロ・レンはルークに預けられたけれど、悪いやつに暗黒面に導かれ、アナキンというよりはダース・ヴェイダーにひかれてしまったのだという設定。が、アナキンと違って完全に暗黒面に落ちていないので、迷いがある。ダース・ヴェイダーと違ってさっさと顔を見せてしまうのだが、わりと子供っぽい顔で、幼い感じ。でもって、レイアとハン・ソロは、まだ息子を救える、と思うのだけど、この両親、息子が暗黒面に落ちたんでそのショックで別れてしまったみたいなんだけど、ちょっと、育児放棄してないか、て感じはします。
で、このあとは予想なんだけど、カイロ・レンは自分がルークの後継者になれると思っていたら、そこにレイが現れて、レイの方が後継者になってしまった、なのでグレて暗黒面に落ちたんではないかい? というのも、レイはルークの娘、という説があって、それだと、最初はカイロ・レンを後継者にしようとしていたけれど、ルークに娘が生まれたらそっちが後継者になってしまい、という可能性があるのですね。養子でかわいがられていたら、実子が生まれて、親は実子の方をかわいがる、というやつ(ディズニーではそこまでやらないですかね)。
レイが砂漠の惑星に置き去りにされたのも、カイロ・レンがレイを殺そうとするから隠したのじゃないかと思うのですよ。
カイロ・レンとレイが兄妹で、という説もあるのですが。
ちなみに、ハン・ソロはカイロ・レンをベンと呼んでいて、これが本名らしい。ベンといえばオビワンの別名。
とりあえず、いろいろと謎を残したまま、映画は終わります。
エンドクレジットでは、配給元のディズニーの名前が最後に出ますが、非常に控えめな出し方で、ディズニー、大人の対応じゃん、と思いましたが、ここでディズニー色出してファンから抗議殺到だと続編作れないもんね。

2016年2月16日火曜日

「スポットライト」(ネタバレあり、追記あり)

今月はじめに見た「スポットライト 世紀のスクープ」について書かなければいけないと思っているのですが、なかなか書けません。
この映画はとにかく脚本が優れているので、脚本賞は総なめ状態。そして、作品も、アカデミー賞作品賞最有力と見られていたのですが、ゴールデングローブ賞のドラマ部門で「レヴェナント 蘇りし者」が作品賞となってから風向きが変わってしまい、「レヴェナント」が最有力となっているようです。
作品賞候補の多くがメジャーの配給会社なのに対し、「スポットライト」がインディペンデント系なのも不利と言われています。
私は作品賞候補のほとんどをまだ見ていませんが、「スポットライト」は一押しですね。
ただ、私が一押しの映画が作品賞というのは、去年の「バードマン」が唯一の例外で、私が推すのはだめなのだわさ。
しかし、「レヴェナント」が作品賞だと、「バードマン」に続いてイニャリトゥの映画が作品賞になります。で、昨年、「バードマン」で主演男優賞を惜しくも逃したマイケル・キートンが「スポットライト」の主演。
「スポットライト」は役者もみなすばらしく、アンサンブル賞もいくつも受賞していて、個別の賞でも受賞やノミネートがあります。ただ、みんなが主役みたいな映画なので、同じ俳優が主演賞だったり助演賞だったりと、なかなかに複雑。この辺も不利なのかなあ。
映画はボストンのカトリックの神父による子供への性的虐待が問題になっていながら、それが追及されずにいたことに対し、「ボストン・グローブ」という新聞が本格的に調査を開始、それを記事にしたという実話の映画化で、これが契機となって、全米どころか世界中でカトリックの神父による性的虐待が表に出ました。この問題はペドロ・アルモドバルの映画にも取り上げられています。
「ボストン・グローブ」は、私がNHLをフォローしていた時期にネットで記事を読んでいましたが、信頼できる新聞だという印象を受けていました。
「スポットライト」を見てわかるのは、ボストンという町が非常に保守的で、教会を批判することはご法度みたいなところがある。「ボストン・グローブ」も、よそから来たユダヤ系の編集局長が問題追及を始めるまではおざなりにしていた。古い町、ボストンとはこういうところなのか、と思ったしだい。
映画はとにかく脚本がよくできていて、俳優がみんないいので、見終わって非常な満足感を得ることができます。娯楽映画を楽しんで終わり、では物足りない人にはぜひおすすめしたい。
群像劇なので、誰が主役かを決めるのはむずかしいのですが、物語はマイケル・キートン演じる先輩記者と、マーク・ラファロ演じる後輩記者の対比で進みます。ラファロはとにかく、神父の犯罪を早く世に出したい、よそに先を越されたくないと、公表を急ぐのですが、キートンは神父だけの問題ではない、それを隠ぺいした教会を追及しなければ問題は解決しない、として、慎重な態度をとります。しかも、途中で9・11同時多発テロが起き、記事を出すのは先送りになり、証言した被害者の苛立ちも募る。
記者たちがいろいろな人を訪ねて調査していく過程も面白いですが、このラファロとキートンの対立もまた興味深い。スターとしての格から言うと、今はもうラファロの時代で、キートンは過去のスターなので、クレジットはラファロが先ですが、映画を見ていると、これはやはりキートンが一番の主役だということがわかってきます。
それはもっぱら役柄にもよるのですが、キートン演じる記者はかつて、神父の犯罪の記事を出したにもかかわらず、さらに追及しなかった。それが彼にとっての罪の意識になるというあたりに映画の深みがあります。
そして、ラスト、記事を出したあとに新聞社に読者から電話が次々とかかってくる。その電話をキートンがとるところで映画は終わります。これはやはりキートンが主役の映画だと思わせるシーンです。
地味だけど、ほんとにいい映画です。

追記 肝心なことを書くのを忘れてました。この映画で一番いいと思ったのは、神父や教会を責めるだけで終わっていないことです。そのような事態を見過ごしてしまったジャーナリストにも、市民にも、責任がある、ということ、また、虐待した神父もまた少年時代に虐待を受けていたこと、といった、単純に善悪を決めないところがいいのです。

2016年2月15日月曜日

「オデッセイ」

最近公開の話題作、「オデッセイ」を一番近いシネコンで見てきた。
郊外に引っ越して最初にしたことの1つは近くのシネコンを探すこと。前は日本橋や日比谷まで地下鉄で10分余りだったが、郊外から都心へ行くのは大変だし、近くに適当なシネコンが複数あることを期待していた。
探したところ、一番近いシネコンは私鉄とJRを乗り継いで15分のところ。駅から徒歩5分くらいの大きなショッピングモールの中にある。
しかし、それ以外はみな駅から遠いところばかり。車社会のシネコンなのだった。
というわけで、このシネコンで「オデッセイ」をやっているかな、と思ったら、やっていたので見てきた。
そもそも、この映画のことを最初に知ったときには、まーたー、リドリー・スコットの暗い宇宙ものかよ、くらいにしか思わなかった。ところが、ゴールデングローブ賞のコメディ部門の作品賞を受賞。
コメディ部門? マジかよ、と思っていたら、ネットのあちこちで、この映画は宇宙版ロビンソン・クルーソー、元気の出る明るい映画、という評価が出てきた。
そうか、元気の出る明るい映画なのか。マット・デイモンの宇宙ものというと「インターステラー」だし、デイモンを救出する映画というと「プライベート・ライアン」だから、絶対暗い映画だと思っていたのに。だいたい、「オデッセイ」なんて邦題をつけるから余計悲愴に感じていた。
原題は「火星の人」で、原作のタイトルもそうなっている。「オデッセイ」なんていう大げさなタイトルをつけたのはなんでだか知らないが、ホメロスのオデュッセイアの帰還にひっかけてるのかな? ちがうと思うんだけど。

というわけで映画だが、コメディ部門でもおかしくないと思えるようなライトなサバイバルものであった。この映画の魅力は、ワタクシ的には次の2点。
(1)火星に取り残された主人公がサバイバルを計画し、実行すること。その実行ぶりがけっこう楽しそうであること。
(2)NASAの人々は基本、善人なのだが、それでも変に政治的な行動に走ったり、世間を気にしたり、悲観的になったり、そんなこと言ってる場合じゃないだろうというようなことを言ったりと、とても人間的であること。かっこいいエリート科学者では全然ない。
(1)に関しては、主人公は一応、シェルターのような建物や水や空気を作る装置、そしていろいろな機械を所有していて、あとは4年後に地球から来る宇宙船を待つまで食料をなんとかすればよい。じゃがいもを発見した彼は、それをもとにじゃがいもを育て、増やそうとする。肥料は、水は、といろいろ工夫するさまが面白い。
やがて、NASAが火星の表面に動くものを発見、取り残された主人公が生きていることを知る。一方、主人公もなんとかNASAと通信しようとして、という具合に、主人公の火星での工夫と、それを知ったNASAがそれに呼応するようにして動き出す、というところが交互に描かれていて、この辺がうまい。主人公の工夫のしかたがまた、なるほど、と思わせる。
そんなふうにして楽しいサバイバルが続くのだが、後半、事故が起き、苦境に立たされる主人公、一方、NASAは主人公救出に動き出す、という展開で、中国が協力を申し出るという設定になっているのが面白いと思った。「ゼロ・グラビティ」もたしか、中国の宇宙船のおかげで主人公が助かるようになっていたと思うが、米中の接近を感じさせる設定が目につく。「オデッセイ」では全世界が主人公救出を注目して見ているという設定になっているけれど、表だって出てくるのはアメリカと中国、それにあとイギリスがちょびっと、なのだ。以前だったら、フランス、ドイツ、ロシア、日本なども出てきただろうに、アメリカと中国とイギリスだけって、ほかの国とは仲悪いの?
そんなわけで、前半は楽しいサバイバルと、それに呼応するNASAの人々の人間的な行動が面白かったのだけど、後半はだんだんご都合主義になっていって、クライマックスは「ゼロ・グラビティ」の二番煎じの感があった。「ゼロ・グラビティ」はまあ、これしか方法がないからしかたないのだが、この映画の場合は時間をかけて安全にやる方法もあったのに、いけいけどんどんで、無謀なやり方をやっちゃったという感じがしてしまうのである。

ココス

文京区に住んでいた頃、一番近いファミレスはココスでした。
が、ココスはなんとなく高そうで、ほとんど利用してませんでした。
そして、郊外に引っ越し、そこで一番近いファミレスはココスとサイゼリアだった。
サイゼリアは安いので、あちこちで利用していましたが、ココスも利用してみようかと入ってみたところ、文京区のココスより落ち着く上、お値段は高いけれど、ドリンクバーが充実しているし、料理もうまい。ということで、ココスを利用するようになったのです。
で、昨日のヴァレンタイン・デーにココスで食べたのはこれ。
画像はココスのHPからです。
カリフォルニア・コンビネーションという名前で、タコサラダとジャンバラヤとケサディーヤが一皿に盛り付けてある料理。
最初見たときは、あれ、量が少ない、と思ったのですが、食べてみるとこれがかなりのボリューム。
肉入りピラフのジャンバラヤと、サンドイッチみたいなケサディーヤと、それにパイのようなものがついていて、これでかなりの量。サラダもけっこうボリュームがあって、その上今流行のパクチーがついてくる。
このパクチー、最近流行の野菜のようですが、臭みがあって最初は好きになれないけれど、好きになるとはまってしまうという食材。おそるおそる食べてみましたが、それほど個性的な野菜とは思えませんでした。
それより味が強烈だったのは、タコサラダに入っているサボテンのピクルス。これ単独だとかなりきついです。
というわけで、最初の印象とは裏腹におなかがいっぱいになってしまいました。足りなかったら、ヴァレンタイン・マッドパイの半額券を持っていたので、それを食べようと思ったのだけど、とてもおなかに余裕がなく断念。隣のテーブルの家族が注文していて、うらやましい限りでした。

ココスというのはアメリカのファミレスで、カレーのココ壱番とは関係ないのですね。そのココ壱番も好きな店なんだけど、近くにまったくない。スープカレーは今月いっぱいなので、なんとかもう1度食べたいです。

2016年2月7日日曜日

新「フランケンシュタイン」映画化の評価

前にちょっと紹介したことがありますが、ジェームズ・マカヴォイがヴィクター・フランケンシュタイン、ダニエル・ラドクリフが助手のイゴールを演じる映画「Victor Frankenstein」。11月にアメリカで公開されたのですが、実は今、公開が後悔と変換されてしまったのですが、まさに後悔、のようなひどい映画、だめだめな映画みたいです(とほほ)。
かの有名なRottenTomatoesのサイト。
http://www.rottentomatoes.com/m/victor_frankenstein_2015/?search=victor
日本公開未定、って(あ、今も日本後悔と変換)、これじゃ無理だろ。
でも、1年遅れくらいでどこか小さい会社が後悔、じゃなかった、公開するかもしれませんね。
DVD公開でもいいです、はい。
監督はテレビ「シャーロック」の人らしいけど、「シャーロック」の主演の2人が映画で大活躍してるのとは対照的。
予告編見ると、ケネス・ブラナーの映画を軽くした感じ?

あと、前にも書きましたが、イゴールっていうのは原作には出てこない人物だからね。ボリス・カーロフの映画に出てきた人物。だからカーロフの映画のスピンオフなのだと思うけど、だったら怪物にもスターを使わないといけないのではないだろうか?
キャスト見てみると、誰が怪物かわからないのですが、他の人物はローレライとかフィネガンとか、原作に出てくる人ってヴィクターだけじゃないの? でも、チャールズ・ダンスが出ているのですね。何の役か書いてないけど。

今年の谷中の梅

前の記事で去年の谷中の梅の写真を出したので、今年の梅を撮りに谷中へ行きました(ほかにも用があったのでついでに)。
あいにくの曇り空で、きれいには撮れなかったけれど、やはりこの梅の木が満開。

そして、紅梅と白梅。やはりまだあまり咲いていない。背景は例の日暮里の高層ビル。

このあたりは断崖絶壁の上です。かつては山だったのを、鉄道を通すために切り崩して崖になったのです。鶯谷から田端までこの状態です。芋坂とか、坂のつく地名がいくつかありますが、どこも陸橋がかかっていて坂はありません。でも、昔は坂だったのです。

この断崖絶壁の上に花壇があります。まだ花は少ない。

2016年2月6日土曜日

梅の季節

いろいろなブログをロムっているのですが、みなさん、日常生活についての文章がさらりとして軽い。それに比べて、洗濯機と読書の記事はやたら長くて重いな、と思って非公開にしてしまいました。たいしたことは書いてないし。

さて、まだ寒いとはいえ、春は確実に近づいています。近くの自然公園で、梅の花がちらほら咲いているのを見て、長年住んでいた都心の某地区にはいろんな梅の木が植えてあるお寺があったのを思い出し、もう都心の梅もそう簡単には見に行けないのだ、と思うとちょっと寂しさも覚えます。
去年の今頃はどんな梅を撮っていたのかな、と思って過去の写真を見たら、谷中で撮った梅が。
これは谷中で一番早く咲く梅です。

紅梅白梅がある場所。白梅の写真はありませんでした。紅梅より白梅の方が早いです。

これは2月中旬。最初の梅の木にとまるメジロ。

さて、こちらが今年の梅。郊外の自然公園で。


こんな花も。梅はまだまだですが、これはかなり咲いています。

紅梅と白梅の遠景。


菜の花畑。都心ではありえない光景。

コサギ。