2018年2月28日水曜日

まさかの猫映画「空海」&「アバウト・レイ」(追記あり)

チェン・カイコーの「空海」は見たいと思っていたのだが、日本語吹き替え版しか公開されないとわかり、やーめた、と思っていたところ、あれは猫映画だ!という評判がネットに出てくるようになった。
いわく、「猫かわいい」、「猫好きが号泣する」、「猫が主役」、「猫出ずっぱり」。
うーん、猫出ずっぱり、ではなかったけれど、ほんと、猫かわいい。CGだけどベローチェのふちねこにそっくり。最後は猫の心情にぐっときてしまう。
しかし、なぜか配給元は猫推しではまったくなく、むしろ猫は隠されている。
どうせなら2月22日の猫の日に公開すればいいのに、なぜか2日後の24日公開。
どうやら歴史もので売ろうとしているようだが、実際は魔法のシーンなど、中国版ハリ・ポタみたいなところもあり、本当はファンタジーの好きな若い人に好まれる映画なのでは?と思ってしまう。
猫に関しては、中国語の原題は「妖猫傳」。英語題名は「Legend of the Demon Cat」。まんま魔猫伝説。メインタイトルとエンドロールの文字は日本側が作ったものだけど、それでもこの中国語のタイトルと英語のタイトルはメインタイトルのところででーんと出る(こっちの方がかっこいい)。
そして、そして、中国のポスターはかわいい猫。

この黒猫のかわいいポスターが何種類もあって、化け猫バージョンもあり、この猫ポスターをポストカードセットにしたら売れるのに(ほしい)。
そして人間メインの中国のポスター。よい、実によい。公開日も12月22日と、ニャンニャンニャンになっている(中国の猫はニャンではないかもしれないが)。

ネットでも書かれているけれど、漢詩が出てくるので、やはり中国語バージョンが見たかった。
ただ、吹き替えの方が話はわかりやすいというか、中国映画を字幕で見ると、人物名が漢字で、読み方わからないし覚えにくいという難点があったのだけど(その点、韓国映画は人名がカタカナなのでわかりやすい)、吹き替えだと人名がとてもわかりやすかった。
それでも中国語版字幕版を公開すれば客入ると思うけどなあ。DVDには入るのだろうか。

映画の方は空海と白楽天(白居易)が人を襲う黒猫と楊貴妃の死の謎を追うというもの。原作が夢枕獏だからファンタジーなのは当然。魔法のシーンとか楊貴妃の宴のシーンとかすばらしい。CG全盛なのに長安の町をセットで作ってしまうとか、日中合作だけど中国金がある、中国すごい、日本はちょっと乗っかっただけだろ、て感じである。まあ、中国の経済力を思い知る映画。
話はとにかく猫かわいい、それに尽きます。もう動きがいちいちかわいい。殺人猫なんだけど残酷描写はないし、後半、なぜ猫がそういうことをするのかそのわけがわかってくると、猫の愛、猫の心情に心が揺さぶられる。人間の猫への愛じゃなくて、猫の愛なんである。ネットにも出てたけど、落ち込んでいるときに猫が慰めるように寄り添ってくれた、という経験のある人だったら胸熱。
クライマックスからラストはほんと、猫、猫、猫。字幕版公開してくれたら絶対もう一度行くのに。
空海は一休さんみたいで、白楽天はイケメン。なぜかローマ人(阿部寛)の阿倍仲麻呂が語る極楽の宴のシーンはほんとにすごい。李白も出てくるし。
グッズは半分くらいは猫の絵が入っているようだが、楊貴妃の着物の模様に猫が入った巾着がほしかったのに売り切れていた。ここは松竹系でグッズ売り場が狭いので、トーホーシネマズに行けばあるかもしれない。
(中国語版について、最後に追記しました。)

同じシネコンで「アバウト・レイ 16歳の決断」が最終日だったのでハシゴ。
男になりたいトランスジェンダーのレイは性転換を希望するが、16歳なので両親の同意が必要。が、父親は生まれたときに母と別れ、今は音信不通。母親マギーはいい年して母親離れしてないような女性で、レズビアンのパートナーと住む母親の家に同居。マギーの母でレイの祖母は性転換に反対、マギーも迷っている。父親の同意も必要なので、マギーは彼の居所を探して会いに行くが、彼が新しい家庭を築いていることにショックを受ける。父親は性転換に反対する。
元カレ(結婚はしていなかった)の態度に怒ったマギーは署名する用紙をくしゃくしゃにして丸め、後部座席に放り込んで車を走らせる。車が揺れるたびに紙は座席の上を転がる。このあと、用紙はまた平たく戻されるのだけど、しわくちゃのまま。この紙が子供の性転換についての親の迷いを表していて秀逸だ。
トランスジェンダーに対する世間の悪意はないが理解のないところも描かれているが、それ以上に、性転換を望む子供を目の前にした親たちの動揺がよく描かれている。あとで後悔しないかと恐れるので、親としてはそれは当然だろうけれど、この映画では特に、精神的に自立していない母マギーの抱える問題が描かれる。そもそも元カレと別れたのも彼女の側に責任があったのだ。
ラスト、レイの家族と元カレの家族が一緒に食事をするシーンで幕を閉じるが、ハリウッド映画は時々、こういう、家族っていいな、みたいな映画を作るのだけれど、実際はなかなかこうはいかないのはどこも同じだろうと思う。

追記
さきほど「妖猫傳」中国語版をネットで見てしまいました。
やっぱりこっちの方が断然いい!
猫の声が絶対中国語の方がいい(日本語は野太いおっさんの声でなあ)。
日本人同士の日本語の会話は日本語のままで、日本人俳優の中国語が吹き替えになっています。阿部寛はすべて吹き替え(でも雰囲気すごく合ってる)。染谷将太は一部本人の日本語で大部分が吹き替え(こちらもなかなかよい)。
あと、日本語吹き替え版の最初にある空海についての説明がオリジナル版にはない。
そして、オリジナル版はRADWIMPSの歌はエンドロールのみ。日本版は空海の説明と、映画のなかほどで流れる(ここすごく余計)。
つまり、日本語吹き替え版はオリジナル版のセリフを吹き替えただけでなく、空海の説明や歌を足しているわけです。もしも字幕版を上映すると、オリジナルの字幕版と日本語吹き替え版が同じ映画でないことがわかってしまう。だから字幕版をやらなかったのか?
でも、インド映画なんか、外国向けに短くしたのを公開しているうちにオリジナルの長いバージョンを公開したりもしているので、オリジナル字幕版の公開は可能だと思うのですが。
ただ、ネットでも指摘されてたけど、これ、若い人の方が受ける内容なんですね。だとすると吹き替えの方がいいわけですが、吹き替えメインで、一部オリジナル字幕版を上映をやってほしいと思います。
ネットで見たけど、これ、やっぱり大画面で見ないとだめ。ほんと、オリジナル字幕版公開してほしい。
歴史ものだと思った年齢の高い層にはもうバレてると思うので、これからは若い人向けに猫推し、魔法推しで行ってほしい。そして、リピーター向けにオリジナル字幕版をやってほしい。2回見ると俳優の表情の意味がわかったりして、はまる人ははまると思います。

2018年2月27日火曜日

にゃっぽり&上野動物園(写真追加)

日暮里駅のにゃっぽりジャック、先日は改札の外の谷中寄りの方のポスターを紹介しましたが、反対側にもあったので撮影。

ポスターの手前に写真撮影用のパネルがある。


こちら側は通路が広いので、撮影しやすい。反対側は狭いのでむずかしかった。






にゃっぽりのもなかやロールケーキは売り切れてました。ロールケーキはまたあとから入荷するらしい。おにぎりと、キオスクのどら焼きはあった。


ついでに上野動物園の写真を追加。
シャンシャン。

リーリーのドアップ。トリミングではありません。

リンゴを食べるコウモリ。


ハシビロコウは人気者らしい。


ペリカンとカワウ。動物園のカワウはうちの近所の公園の野生のカワウより太っている。

2018年2月26日月曜日

ふちねこコンプリート

ベローチェのふちねこ、7匹目にして5種類コンプリート。
写真撮るのめんどくさいので公式の写真。


ダブった2匹の内1匹は2匹ほしかったのでわかっていてゲットしたのですが、もう1匹は箱の中をいくら触ってもベビーばかりで、ベビーじゃないのを取ったらやっぱりダブっていた。
その店はどうも同じ種類ばかりが入っている感じです。
で、7匹目は別の店でもらったら、そこは5種類全部入っている感じでした。そして、ゲットしたのがまさに5種類目で、コンプリート達成。
去年は今頃にふちねこキャンペーンやってるのに気づき、もう在庫なしの店もある状態でしたが、今年はまだ1000個以上ある店が多く、去年よりは数が多いのかもしれません。
3月15日までは、2個持って行くと欲しいふちねこ1個と交換できるのですが、やっぱりゲットしたふちねこを手放すのは心苦しいので、コンプリートできてよかったです。
戻されたふちねこは世界中の子供たちにプレゼント、となってますが、このふちねこ、推奨年齢15歳以上で、小さい子供は誤飲のおそれがあるので、世界中の子供たちにプレゼントといっても限界があるのでは、と思ってしまいます。去年は4匹持って行くと欲しいふちねこ1匹プレゼントだったのだけど、これだと4匹あればいくらでも欲しいふちねこゲットできてしまうので営業的によくなかったのかな。まあ、店によって全種類あるところと特定の種類しかないところがあるようで、同じものばかりいくつもゲットしてしまう悲惨な人もいるようです。

2018年2月24日土曜日

にゃっぽりとシャンシャン

日暮里駅はよく行くのだけれど、南改札を使うのがほとんどなので、気づきませんでした。
にゃっぽりジャック開催中@北改札コンコース。2月末まで。

以前アップした改札外のにゃっぽりと写真の撮れるボードも今月末までだそうです。
そういえば去年も2月ににゃっぽりジャックを開催したのだけれど、去年はにゃっぽりグッズは従来のものばかりで新作がなく、にゃっぽりとは無関係な猫グッズの店がコンコースの中央に出ていて、どこがにゃっぽりジャックじゃあ、と思ったのですが、そう思った人は多かったのか、今年はにゃっぽり関連商品いろいろ出ていました。
下のポスターにあるように目玉は上野駅のマスコット、パンダのうえきゅんとコラボしたトートバッグ(ポスターの左下部分)。日暮里と上野のエキュートでのみ売っているそうで、上野はエキュートが広いのでどこで売っているのかわかりませんでしたが、日暮里はいつものグッズ売り場なのですぐにわかり、じっくり見てきました。
そのほかポスターにあるように、エキュート内の食品売り場でにゃっぽりのおにぎりやロールケーキなどが売られています。
また、キオスクでは以前からあったキーホルダーに加えてにゃっぽりマシュマロとクリアファイルが売られていました。どら焼きは品切れとのこと。
去年の反省が生かされたようでよろしい。パンフレットも用意されていました(左)。

そして、改札の外、去年はにゃっぽり川柳だったけれど、今年はかるた。



そして、左側通行などの注意書きにもにゃっぽり。




さて、上野動物園のシャンシャン。前回はよく撮れたのしかアップしませんでしたが、ちょっとボケ気味だけどシャンシャンが動いているのがわかる写真を追加。
竹の向こうでお母さんと一緒のシャンシャン。

このあとシャンシャンは動きだし、ごろんとやってみせてお客さん大喜び。

金網をよじ登る。


いずれもトリミングしています。人の顔がガラスにどうしても写り込んでしまう。
日暮里と上野周辺は梅が咲き誇り、上野公園では桜が咲いている木もありました。

久々、上野動物園

もしかしたら12年ぶりかもしれない上野動物園。
幸運にもパンダ母子、シンシンとシャンシャンを見ることができました(かなりの幸運でした)。
4つの区画を30秒ごとに移動する方式ですが、入る前に係員が「今日はシャンシャンが非常によく動いていて、すべての区画で見ることができます」と言っていて、入ってみるとほんとそのとおりでした。最初の区画は柱が邪魔で見えない場所だったのですが、次からはばっちり。
前の竹でシャンシャンはよく見えないけど、シンシンがよく見える。ガラスにお客さんが映っているので、トリミングしてます。

このあとシャンシャンが動きだし、ごろんとしてみせたりするのでお客さん大興奮。係員が次の区画へ移動してと言ってもなかなか動かない。30秒×4で2分のはずが、写真の時間を調べたら4分は見てたみたいでした。
動いているところはどうしてもぼけやすいのですが、ここはじっとしていたのでよく撮れました。

子供のパンダ見たの初めてでしたが、やっぱりかわいい。

シンシンは途中で別室に行ってしまいました(そこも見られる)。

一方、パンダは育児は母親専業なので妻子と別居中の父親リーリー。
リーリーは並ばずに自由に見られますが、それでも大混雑。幼稚園か小学校の団体が来てたので、園内はどこも混んでました。シャンシャンとシンシンはずっと最前列で見られたけれど、リーリーは後ろからしか見られず、人と人の頭の間からズームして撮る感じ。でも、リーリーもかわいいのでお客さんはここでも大興奮。

その他の動物。おなじみの猿山。

しばらく行かないうちにホッキョクグマのところがだいぶ変わっていて、水中を見られるようになっていた。が、この日はあまり水に入ってくれず。これは水から上がるホッキョクグマ。このしぶきが撮れるというのが新しいカメラのすごいところ。

フラミンゴ。新しいカメラの困るところは、手前の金網にピントが合ってしまうところ。そこで遠くの被写体に大きくズームすると、金網が写らなくなる。

今回、パンダがだめならこれが見たい、と思っていたのがタテガミオオカミとマヌルネコ。
こちらはタテガミオオカミ。オオカミという名前だけどオオカミではないそうな。かなりのズームです。全身を撮ろうとすると手前の枝や葉にピントが合ってしまい、タテガミオオカミはぼけてしまう。

こちらは小さい動物を集めた建物の中のマヌルネコ。かわしいし、よく動くので大人気。ここもガラスに人が写り込むので、トリミング。


マダガスカルの動物を集めた建物の中。餌を食べている。

マダガスカルの動物などがいる島へ渡る途中で見られるワオキツネザル。よく動くので面白い。

ほかにもいろいろな動物の写真撮りましたが、動物の写真を撮るのはやはり面白いので、年間パスポートを購入。これがあると入場券を買う列に並ばないで入れるので、パンダ整理券目当てのときにあると心強いです。

あと、今はシーズンオフなのか、工事中のところや非公開の動物がかなりありました。

2018年2月21日水曜日

ネットで見た興味深い話

翻訳家に関するネットで見た興味深い話2つ。

https://togetter.com/li/889292
マイクル・コナリーの翻訳などで有名な古沢氏が最近の文芸翻訳事情を書いています。
氏は数年前にも、売れるシリーズものの翻訳が出たのに去年の年収は300万円だった、と書いていたことがありました。昔はシリーズものの新刊が出ると、過去作が増刷されたのに、今はそれがない、と。
氏の話だと、文芸翻訳の初版部数はバブル期に比べて今は4分の1らしい。
そして、文庫本1冊訳して印税30万から40万の世界になっていると。
うーん、確かにバブル期に翻訳家の友人から聞いた某売れ筋文庫の翻訳書の初版部数が5万部だったのに、世紀末に私がそこから翻訳出したら初版部数が2万5千だったので、氏がバブル期から半減し、その後4分の1に、と書いているのは本当かもしれない。となると、その大手出版社の文庫は初版部数は今、1万数千になっているのだろうか?
もう10年近く翻訳書出していないので実態はわからないが、大手ではない出版社の文庫の初版部数が1万を切っているらしいことはかなり前から感じていた。その分、定価がすごく高い。
今は文庫本もいろいろあるので、印税30万から40万がどのあたりのことかわからないが、印税率が8%から下がっているところもあるらしい。文庫じゃなかったが、単行本で翻訳をたくさん出していて、その後つぶれたらしい某社は、21世紀はじめに翻訳の話が来たとき、印税は6%の6掛け、つまり3・6%と聞いて断ったことがある(作品は非常によかったのだが)。このやり方だと1000円の文庫が1万部出ても印税は36万円。当たっている。
古沢氏は、文芸翻訳では翻訳家専業はこれからは無理、別の仕事をしながら数年に1冊出した方がいい、と書いているが、文芸翻訳全体が翻訳家および志望者多数なのに仕事は少ないという状態なので、別の仕事をしながら数年に1冊、というのはむずかしいのではないかと思う。つまり、特定の出版社でコンスタントに仕事をもらえる人しか文芸翻訳はできないということ。もちろん、持ち込みをして翻訳を出すことはできるが、この持ち込みもむずかしくなっていると聞く。誰も目をつけていなくて、しかも売れそうな本を探すのがむずかしい。
増刷が1000部を切るようになっている、というのも驚いた。
テレビの100分de名著で「フランケンシュタイン」が放送されたとき、新潮文庫と角川文庫が新訳を出したが、すでに創元と光文社の文庫で翻訳が出ているので、大きくないパイを4つの文庫で奪い合うのでは全体は売れても各文庫の売れ行きは芳しくないだろうと思ったが、新潮と角川が2年で3刷になっていたのに驚いた。光文社は1度増刷になり、創元はもう完全に売れなくなった感じだ(創元は書店に並ばないのが非常に不利)。新潮も角川も初版部数が少なく、増刷部数も少ないので3刷になっているのか、あるいはこの2文庫はよく売れているのか、その辺はわからない。ただ、新潮と角川は小さい書店でもコーナーがあり、有利であることは確か。
創元の「フランケンシュタイン」は100分de名著のときに最後の増刷があったが、確か3000部だったような気がする。3000部の増刷って今では多いのか。その最後の増刷の前は、2年に一度は増刷があったのだけど、その分が新潮・角川にまわってしまったのだと思うと、なんとなく数字は合う気がする。

もう1つの話題は、ある翻訳家が別の翻訳家の訳書に「らぬき言葉」を見つけて死にたくなるほどのショックを受けたという話。リンクは貼りません。
こういう話は必ずブーメランになって自分に返ってくるので、困ったもんなんだが、そこに書いてあったたとえ話がかなり変なので、たとえ話という点で少し意見を書いてみようと思う。
他の翻訳家のどういうミスなら許せるか、ということを、友人がいれてくれるコーヒーにたとえているのだが、翻訳家というプロである以上、コーヒーをいれるのは喫茶店のマスターでないとまずいだろう。
そのマスターが、コーヒーに砂糖を入れるつもりで間違って塩を入れっちゃったとか、そばつゆをコーヒーと思って出しちゃったとか、熱いコーヒーをこぼしてお客さんにかけちゃったとか、それ全部、プロとしてダメ。
特にそばつゆは、そばつゆをあたためてカップに入れて出すわけだから、コーヒーをいれる動作としてはまったく不自然なわけで、仲のよいお客さんにいたずらしようとしたのならまだよいが、そうでないお客さんだったらツイッターで炎上案件だわ。
というわけで、こういうコーヒーの出し方なら私もやるから許せる、って、それはまずいだろうと思うわけだ(たとえ話がそもそもよくない)。
で、この翻訳家の許せない「らぬき言葉」に相当するのは、コーヒーを音をたてて飲むことだという。
つまり、「らぬき言葉」のような下品な言葉(実際は「らぬき言葉」は古い時代の日本語の文献にもあり、下品かどうかは国語学者にきかないとわからないが)を、活躍していて、翻訳のあり方などを講義している有名翻訳家が自分の訳書にあるのに直しもしなかった、ということにショックを受けた、ということらしい。
本をたくさん出している有名翻訳家はたいてい下訳を使っていて、なかには下訳の訳文をチェックしない人もいるから、そういう人なら問題翻訳があっても驚かないが、「らぬき言葉」が何よりも許せない、という人の深層心理の方が興味深いと思ったのである。

2018年2月17日土曜日

「グレイテスト・ショーマン」

有名なリングリングサーカスの前身となるサーカスを作ったP・T・バーナムを主人公としたミュージカル。リングリングサーカスになったのはバーナムの死後のようだ。
このリングリングサーカス、昨年、146年の歴史に幕を閉じた。理由は象のショーをやめたら客が激減したからだそうで、現在では動物のショーは動物愛護団体から批判が多く、アメリカではもはやできないようだ。
かつてはサーカスというと、アメリカのリングリングサーカス、ソ連のボリショイサーカスだったが、今はカナダのモントリオール発祥のシルク・ド・ソレイユ。ボリショイは時々日本に来るが、日本の木下大サーカスよりもしょぼい感じで(少なくとも日本公演では)、かつての世界の2大サーカスも今や見る影もない? ボリショイも木下大サーカスも動物のショーをやっているが、今後はシルク・ド・ソレイユなどの人間だけのショーがサーカスの主流になるのだろう。

「グレイテスト・ショーマン」には「地上最大のショー」というせりふが何度も出てくるが、これはバーナムが使った言葉だそうだ。「地上最大のショウ」といえば、セシル・B・デミル監督の有名なサーカス映画がある。

「グレイテスト・ショーマン」はミュージカルであると同時にサーカス映画でもあるのだが、今では批判の対象になるフリークショーを肯定的に描いているのが珍しいというか、けっこうリスキーな企画だったのではないかと思う。
現代ではフリークショーは障碍者や異形の人を見世物にするということで否定的に描かれる(例「エレファント・マン」)。だが、この映画では、人前に出ることができず、隠されていた異形の人々がサーカスで仕事を得て生き生きとする、というふうに描かれている。当時としてはそれでよかったのだろうが、本物のバーナムは黒人奴隷を買って見世物にしたようだし、また、日本のアイヌの人々が見世物として出品されたことがあることを考えると、いくら今とは時代が違うといってもどうなのかなという感じはある。確かに芸人の仕事を得てよかった人たちもたくさんいたのも事実のようなのだが(「エレファント・マン」の主人公メリックも、実際は芸人として活躍し、本人もそれを喜んでいたらしい)。

映画ではバーナムは貧しい生まれで、裕福な上流階級の令嬢と恋に落ち結婚、異形の人々でサーカスを始めて成功する(映画だから史実とは違うところも多いだろう)。しかし、バーナムは上流階級にも認められたいという欲望があり、そのため、上流階級相手の劇を書いている作家を引き入れ、ヨーロッパの一流歌手のアメリカ公演を行う。その過程で仲間である異形の人々や黒人の芸人たちを見捨てるような態度をとるようになってしまう。
このあたりの上流階級(アメリカの場合、上流階級というのは貴族でなく、北東部の家柄のよい裕福な人々)と大衆の対比、上流階級の好む芸術と大衆の好むエンターテインメントの対比は紋切型とはいえ物語の王道。ただ、気になるのは、バーナムのサーカスを愛する大衆もいれば憎む大衆もいるように描かれているのだけれど、大衆の中にそういう分断があるということが描写不足で惜しい。彼のサーカスを憎む大衆が露骨に異形の人々を差別したり、建物に火をつけたりするのだが、サーカスを愛する大衆と憎む大衆の違いは何かということが置き去りにされている。
たとえば、「エレファント・マン」では、メリックを露骨に差別し虐待するのは貧しい人々だった。一方、上流中産階級の人々には偽善的な人と良心的な人の両方がいた。「グレイテスト・ショーマン」は逆に貧しい大衆の方に2種類の人間がいるような描き方をしているのだが、「エレファント・マン」に比べてまったくうまくいっていない。ミュージカルだからどうでもいいじゃないか、というのなら、なぜそういう大衆の分断を脚本に入れたのか、という疑問がわく。志は高かったけれどうまくいかなかったということだろうか。

主演のヒュー・ジャックマンは「レ・ミゼラブル」で歌唱力は証明済みで、この映画でも歌って踊ってはじけている。他の出演者も歌や踊りがみごとで、はじける歌と踊りのショーが満載。ミュージカルにはいろいろなルーツがあって、オペラ、オペレッタ、ショー、レビュー、バレエ、ボードヴィルなどがあげられるが、このミュージカルはショーやレビューの流れをひくものだ。ショーやレビューではストーリーはあまり重要ではないし、歌と踊りでつなげていけばいいのだ。その辺が人間描写を歌でするようなオペラ系のミュージカルとは違う。この映画はレビューとして見れば、歌と踊りの見応えのあるシーンが多く、満足できるものだ。

2018年2月15日木曜日

にゃっぽり

駅にこんなものができていました。

駅近くの郵便局へ行くと、上野動物園のシャンシャンの切手シートが。
思わず、「シャンシャンの切手ください」と言うと、窓口の人が、「62円切手10枚で1500円ですが、よろしいですか?」
えええ、切手代の2.5倍じゃん、ぼったくり、と思ったのですが、「やめます」とも言えず、購入。


が、裏を見たらクリアファイルつき。(クリアファイルを外に出して撮影。)

右はクリアファイルの裏です。

このサイズのクリアファイルは欲しかったのですが、使えませんよねえ。この切手、いつ出たんだろう。1500円じゃ、マニアしか買わないかも。

追記 この切手、去年の12月に発売され、1月下旬に増刷されたのだそうです。私が買ったのは増刷分だったのか。都内の郵便局でしか売られてなく、郵便局のネット通販受付も終了していますが、都内の郵便局ならまだ余ってそう?

紅梅白梅

梅が咲き始めた。


ノスリ。野鳥観察センターの望遠鏡ではよく見えたが、うちのカメラではこれが限界。ピント合わせの光のせいでカメラ目線。

カワセミ。ノスリははるか遠方の木だが、これはセンターの窓のすぐそば。

別の木の枝に飛び移る。光が足りないので、近くてもなかなかうまく撮れない。

このあとベローチェに寄って、ふちねこ3種類目をゲット。袋を3つか4つ触って、小さいのが入っているのがあったので、ベビーだと思い、それをもらう。まだまだ在庫はあるので、箱の中にはそこそこいろんな種類がありそう。ジャンボは最初の店ではたくさんあったのに、その後は触っていない。

今のパソコンはすでに6年目に入っているWindows7で、8が出る直前に買ったのだけど、さすがに動作が遅い、時々固まる。なんとなく10はいやだなあと思っていたけど、もうほんとに10を買わないといけないかもしれない。
2年半前に買ったWindows8.1のタブレット、Surface3が今年に入って充電器をつけても充電できない、できたと思ったら使ってないのに2日でバッテリー容量不足で起動しない。新しいバッテリーに取り換えようとネットで調べたら、Surfaceは修理やバッテリー交換で画面が必ず壊れる仕様だそうで、こりゃもうSurfaceはだめだ、解約しよう、と思ったら、今度は接続できない事態が発生。これは買ったばかりの頃に発生したのと同じで、サポートに電話すれば解決するのだが、もう解約するからいいや、て感じになっている。
パソコンなら通信できなくても使えるのに、これは通信できないとあまり使い道ないみたいだ。機械代は10万円くらいだけど、あまり使っていないし、損な買い物だったなあと思う。