2011年10月31日月曜日

Derek PlanteはTwitterを利用しています。

 はい、ここです。写真はセイバーズ時代なので、若い。20代。
http://twitter.com/#!/DerekPlante26

 が、しかし、デレク、去年の4月5日に始めて、2日でもうやめてしまったみたい。セイバーズ時代の元チームメイト、マシュー・バーナビーとツイートしてたり、デレクの時代からずっとGMやってるダーシー・リギアに毒づいてみたりしてますが(GMがリギアに変わってから不遇の時代になったのよね)、最後のツイートが、
「ヴァネクは僕のジャージを着るべきだ!!! その方がいい!!!」
って、サイズが違いますが(ヴァネクはでかい)。
 しかし、2日でやめちゃうなんて、こういうの好きじゃないのかな。私もツイッター、一度アカウントとってやってみたけど、数回ツイートしただけで削除してしまいました。ツイッターって、つながりがわかりにくので、人のを見てもあまり面白くない。試合の実況をしているのくらいしか見ません。
 ところで、セイバーズもツイッターを利用しているのですね。試合の実況とかやってました。デレクのツイッターも、セイバーズの関係者の分、まとめてアカウント取ったのかな、という感じが。
 フェイスブックもありましたけど、ウィキペディア英語版の記事が書いてあるだけでした。

 さて、デレクは引き続き、母校の大学のホッケー部のアシスタントコーチをしています。
 一方、セイバーズは開幕直後は連勝だったのですが、そのあと、タンパに2連敗して、フロリダにも負けちまって、にっくきリーフスの独走を許しています。リーフスが今季、なんで強いのかは不明です。いつまで強いのかも不明です。
 私はといえば、久々に東京駅の八重洲地下街へ行き、いつも使っている鼻炎の薬を買おうとしたのですが、ない! あの薬は八重洲地下街の薬局でしか見たことなかったので、ここにないとどうしようもない。結局、別のメーカーのを買いましたが、そのあと、袋をよく見たら、薬局の名前が変わっていた。つまり、前の薬局から別の薬局に変わったので、入る薬も変わったのですね。残念です。
 そして、今日はハロウィーンですが、丸善にはすでに年賀状やクリスマスカード、そしてカレンダーが。そうだ、デレクにクリスマスカード送ろう、と思い、プチ豪華なカードを買いました。送るにはまだ早すぎるので、しまっておいたら忘れてしまうかもしれないな。

2011年10月30日日曜日

「プロメテウスの罠」の罠

 「プロメテウスの罠」について、2回目です。
 この連載そのものはあっていい記事、必要な記事ですが、某ブログでそっくりそのまま転載されて、著作権法違反で削除依頼を受けたブログ主が削除したという件を知り、そのブログや関連の他のブログを見て、多くの人が一様に、これを良記事としていて、削除を残念に思っていることに非常な違和感を感じました。
 もともと、この連載を読んだときには、安全デマの片棒を担いだ大新聞社が反省もせずに、今そこにある危機に真剣に取り組みもせずに、半年も前の出来事の取材で面白い読み物を作っている、ということへの反感と、その連載に「プロメテウスの罠」などという不適当な、プロメテウスとギリシャ神話に対して大変失礼なタイトルをつけていることへの反感を感じただけでした。
 だから、わざわざ自分のブログで書く気にはならず、ふうん、と読みすごしていた、というのが実情でした。
 しかし、ごていねいに自分のブログに全文を転載し、それで読んだ人たちが良記事ともてはやし、テキストデータなので他のブログにどんんどん転載されていき、そしてとうとう、朝日が抗議して削除となった過程を見て、なんだこれは、と思ったのです。
 この連載は、朝日新聞のサイトに全文が載っていて、定期購読すれば読めるそうです。第1回だけ無料で読めます。
 なんてこたあない、これは、要するに、お金を払って読む読み物なんですわ。朝日だって、ニュースはネットでただで読ませてます。
 本当に知らせなければならない情報は無料で公開する、というのが原則で、だから有名人たちもみんな、ただでブログやってるわけです。この連載の内容をただで知らせたかったら、要約でいいわけでしょ。どこの誰それさんの体験を読むのはお金払えってことです。だから削除依頼されたわけでしょ。営業妨害だもの。それに、取材された人のプライバシーの問題もある。
 というわけで、「プロメテウスの罠」は商品なわけです。商品であること自体は悪いことではないですし、良い商品であれば、やはりお金を払って買うべきです。お金のない人や買える場所にいない人にも伝えなければいけない真実ではないわけです。というか、この中の、無料で伝えるべき部分は要約、引用という形で伝えることは可能。
 とりあえず、朝日が、これは商品なのだ、営業妨害するな、とブログ主に伝えたことは、それなりに価値があるでしょう。反省もせずにうんたら~という、私の反感とも矛盾しないしね。
 ただ、こういうことがあると、ブログをやっている人が萎縮してしまうと困ります。
 たとえば、釧路には釧路新聞という地方新聞があって、そこにクレインズの記事が載るのですが、ネットの釧路新聞は記事のごく一部しかアップしてくれないので、釧路以外の人は情報がなく困っています。そこで、釧路在住のクレインズ・ファンが、たまに、記事の画像をアップしたり、記事を転載したりしています。こういうのまで著作権法違反で取り締まらないでほしいです。こういう記事と、商品である「プロメテウスの罠」との違いを理解してほしいです。

 というところで、今もたまにアクセスのある、4月に書いたマスコミに関する2つの記事ですが、
「マスコミ…」
http://sabreclub4.blogspot.com/2011/04/blog-post_02.html
「マスコミ…2」
http://sabreclub4.blogspot.com/2011/04/blog-post_19.html

 最初の記事はまあ、別によいのですが、2番目の記事。キネマ旬報5月上旬号の原発問題対談で上杉隆氏が発言したことを引用しているのですが、その引用の一部を抜粋。

どこかの段階で、メディアは急に東電を叩き出しますから。東電からスポンサーが来ない(広告がもらえない)となったら(東電を叩き出して)、その瞬間にマスコミが免罪されちゃうんですよ。

記者クラブの人たちは東電に飼いならされて逆らったことがないから、フリーランスからそういう質問が出ると”ヘンな奴”が来たとなるわけです。また、さらにひどいのは、退避が30キロ圏内のところ、民法と大手新聞社の社員記者は社命で50キロ以内に入っちゃいけないとされていること。それ以上入っているのは皆フリーランスです。海外メディアも入っているけど。

 自分で引用していてすっかり忘れていて、今朝、急に思い出したんですが、マスコミが免罪されてしまうというの、まさに、それが起こりつつあるのが「プロメテウスの罠」かな、と。まさに「プロメテウスの罠」の罠。あと、大手新聞社の社員記者は社命で50キロ以内に入っちゃいけないとされている、というところですね、気になるのは。

プロメテウスの罠

 新聞は取っていないので、図書館やら非常勤の勤め先やら、さまざまなところで時々読むだけだけれど、3・11以後、大手新聞の「ただちに影響はない」「安全、安全」の大合唱に怒りを感じ、特に、以前はリベラルだと思っていた朝日新聞までもがそうなっているのに怒り心頭、新聞は一応、時々見るけど、もう大手マスコミはどこも信用するものか、という態度で来ました。
 そんなわけで、朝日新聞に「プロメテウスの罠」という連載があったのを見て、時々読んではいたものの、なによこれ、自分たちのやったこと、やってることに対する反省は全然ないの? あんたらも片棒担いでたくせに、放射能汚染地域へ今頃のこのこ出かけていって、取材して、読者の涙をそそる話を集めてきて、政府批判ですか、と、まあ、そういうのが私の感想です。でした、ではなく、今も、です。
 しかし、この連載を一字一句、書き写して、自分のブログに載せていた人がいたのですね。それを読んだ人が、感動して、自分のブログに転載したり、紹介したり。そのうち、朝日新聞から著作権侵害で抗議が来て、10月29日にすべて削除した、とのことです。
 そのブログ主さんは、朝日のリベラルさにひかれていたので、朝日に怒りを感じて見限った人たちと同じ考えでしたが、それでも朝日を購読し続けているそうです。そして、朝日にもこの「プロメテウスの罠」をはじめとする良い記事がある、それを、朝日を読まない人にも伝えたい、という思いから、ブログに転載を始めたのだそうです。実際、ブログを読んで、朝日を購読するようになった人が、ブログ主さんが知るだけでも10人以上いるそうな。朝日に貢献してるんだわ。
 この「プロメテウスの罠」第2弾、「研究者の辞表」というのは、短く要約している人のブログでざっと読みました(まだ連載中の模様)。第1弾「防護服の男」は新聞で読んだ回も何回かありましたが、とあるところで最初から最後まで読みました。
 で、感想は、私はあまり価値を感じません。確かに、現地取材はけっこうですが、でも、こういう内容、今、放射能汚染の食材やら何やらが問題になっていて、東北・関東ではさまざまな場所で高い線量が検出され、住民が移転した方がいい場所も多くあるというのに、そういう、いまそこにある危機を報道しないで、なんで、半年も前のことやってるの? 政府は福島県民を見捨てた、その通りです。でもそれって、3・11直後にもうわかっていたよ。なんで逃げないの、なんで安全ていうの、と、ずっと思って、イライラして、「ただちにうんたらかんたら」と言ってるマスコミに腹を立てていた。
 こういうのって、東電OL事件をあとから取材して、面白い読み物にするのとどこが違うの?
 でも、私のように怒ってる人、批判する人は、あまりいないみたいです。こういう記事がないよりはいいからか?

 それと、なんですか、「プロメテウスの罠」って。
 プロメテウスの説明は、確かに最初に出てますよ。ギリシャ神話で、火を人間に与えた人ですよ(人じゃなくて神の1人か)。で、メアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」は、「現代のプロメテウス」が副題になっていて、プロメテウスの火は科学とか、電気とかになってるわけ。で、創元推理文庫の解説では、書いたのもう28年も前だけど、プロメテウスの火を原子力と結びつけて、私は解説してますよ。もちろん、私のオリジナルじゃないですよ。そんなの、昔から常識よ。
 ま、それはともかく(日本人はギリシャ神話疎いから、知らない人が多いのだろうけど)。
 プロメテウスの罠、って、何さ?
 プロメテウスが人間に火をもたらしたのが罠だっていうの?
 プロメテウスが人間に火をもたらしたあと、どうなったか知ってるのだろうか?
 罰として、岩山に縛られ、毎日、肝臓を鷲だか鷹だかに食われるのです。肝臓は食われてもまた再生するので、毎日、食われるわけです。すごい拷問ですよ。
 プロメテウスの罠、っていうタイトルに、とにかく、非常に違和感を感じます。
 そう、最初にあの連載を見たとき、真っ先に感じたのが、「プロメテウス」と「罠」という言葉の結びつきの違和感でした。それが結局、連載の内容についての違和感、批判的な気持ちにもつながっています。

2011年10月29日土曜日

秋分からまだ1ヶ月というのに

 実は、寒さ対策を迫られています。
 6月に引っ越してからはや4ヶ月以上がたち、地震で壊れたらしい浴室の壁も修理がすみ、バスタブと風呂釜が新しくなって、お風呂も快適になったのですが、この部屋、北西向きなので、夏は西日がガンガン当たったけれど、今は夕方に申し訳程度に日がさすだけになってしまいました。
 おまけに、鉄筋コンクリートだっていうのに、寒い。最上階なので、夏は天井からの熱がすごくて昼間は37度まで上がってましたが、まだ秋だというのに、なんだ、この寒さは? 前は古い木造アパートで、隙間がたくさんあって、寒かったけど、それでも木造アパートの方がましだったような気がする。
 どうやら、窓がすべてテラス窓なので、下から冷気が来るようです。
 前の木造アパートは、テラス窓には雨戸がついていて、そうでない窓はテラス窓じゃないから、下の部分は壁だった。しかし、今の部屋はワンルームにテラス窓が2つ。雨戸はなし。
 というわけで、テラス窓の下の部分をなんとかしなければなりません。ホームセンターみたいなところで、よく、ベランダの窓の下を覆うものを売っていて、そんなものが必要なのか、ふうん、と、他人事に思っていましたが、もはや他人事ではなくなりました。鉄筋とはいえ、古いマンションなので、隙間もけっこうありそうです。

 11月はいよいよアジアリーグ今季初観戦、新横浜シリーズに土日とも行きます。どちらも第2試合だけの指定席を買いました。第1試合はゴール裏でかぶりつきの立ち見観戦の予定。土曜日はクレインズが第1試合なので、これはかぶりつき観戦ですが、日曜はクレインズは第2試合。が、しかし、ネットでは土日とも、いくらやってもアウェー側の指定席が出ないので、やむなくホーム側を買ってしまったのです。土曜は第2試合はバックス対王子だから、バックス側でもOKですが、日曜は…。でも、日曜は、前から一度座ってみたい席が出たんですよ。なので、バックス側だけど買っちゃいました。楽しみです。
 ところで、日光は放射能汚染地図で、若干汚染がある地域に入ってますね。私が住んでいる東京都東部も入ってますが。横浜は入っていません。また、日本製紙工場が大きな被害を受けた石巻も入っていないようで、不幸中の幸いといえるかもしれません。

2011年10月28日金曜日

一関市の記事

 岩手県一関市の、高い放射能を検出した中学校の生徒がくも膜下出血で死亡したという記事を、一関市に住む人が自身のブログに書いた、ということを紹介しました。
 放射能は若年層には少ない心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血などの原因になるとのことで、放射能が原因ではないかという疑いはあります。しかし、このことはマスコミではいっさい報道されず、近隣に住むブロガーが周囲の人から話を聞いて、記事を書きました。
 現在、大手マスコミは政府に追従し、あまりあてにならない、ということは多くの人が感じており、その分、ブログをはじめ、草の根のメディア、マイナーなメディアに期待が集まっています。
 そのブロガーの記事は大変冷静で、客観的で、世界に発信されて多くの人に読まれたのはよかったと思います。
 ただ、中学生が放射能で死亡した、と断定するのは早すぎるし、そうしたエキセントリックな断定が、こうした草の根メディアをつぶしてしまう恐れがあると感じます。
 可能性がある、というだけで十分危険なので、その線で、対策を呼びかけたいです。断定しなければ対策しなくていい、という安全派にしたがって、断定するほどの根拠がないのに断定してしまったら、草の根メディアは信頼を失うと思います。
 草の根メディアは素人がやっているため、客観性や理性を失いがちであるという危惧も感じます。草の根メディアに期待すればこそ、エキセントリックになることを戒めたいと思い、このエントリーを変更しました。

2011年10月24日月曜日

ブリューゲルからバッハへ

 今日のページビューが100超えてるんですけど、いったい何があったのかと思ったら、そのうち80以上が「恋の罪」でした。この映画の記事は前からアクセスが多かったのですが、1日80以上は異常に多いです。そんなに期待されてるのか、この映画? まあ、ヒットは間違いなしでしょうね。

 さて、新学期が始まると試写に行けなくなるという悲しい毎日なのですが、最後に見たのが3週間くらい前の「ブリューゲルの動く絵」。オランダの画家ブリューゲルの十字架を背負うキリストの絵をもとにドラマ化(?)した作品で、ブリューゲルをオランダの俳優ルトガー・ハウアーが演じていたり、マイケル・ヨークやシャーロット・ランプリングも出演していたり、と、期待していたのに、なんかつまらない映画でした。見終わって外へ出ると、おすぎ氏が宣伝の人に感想を聞かれていましたが、「やったことはすごいけど、やった意味がない」と言っていて、100パーセント同感でした。
 それから試写見れなくなっていたのですが、今日、やっと、ドキュメンタリーの「ピアノマニア」を見てきました。同じ試写室でしたが、「ブリューゲル」は混んでいたのに、これは閑古鳥で、あれ、と思ってしまいます。こっちの方がずっと面白いのだが。ただ、試写はDVD上映だったので、鮮明度が悪く、それが残念でした。
 この映画はドイツ・スタインウェイのピアノ調律師、シュテファン・クニュップファーが、バッハの「フーガの技法」を録音するピアニスト・エマールのためにピアノの調律をするエピソードを中心に、調律師シュテファンの音へのこだわりや苦労を描いたものです。
 ピアニストはほかの楽器の演奏家とちがい、自分のピアノを持ち運べないので、調律師に頼るしかないのですが、ピアニストのさまざまな要求に応え、最良のピアノの状態を作り出そうとするシュテファンのマニアとしかいいようのないこだわりもさることながら、その明るくユーモラスで屈託のないキャラがなんともいえません。この映画の魅力の大部分は、音へのこだわりよりも、シュテファンのキャラじゃないかと思います。映画の前半で、壊れてもいい安いヴァイオリンを持ってきてくれ、と頼み、それ、何に使うのかな、と思っていたら、最後のエピソードで実は、という構成の妙も面白いです。日本人のピアニストが、ピアノにほこりがこんなに積もっていたと、ほこりを持ってきたとき、「それ、どこにあったんですか、戻しておいてください」と言ったとか、冗談のうまい、ユーモラスでユニークな人なのです。ただのマニアでは暗く狭量になってしまうところですが、この人のキャラはすばらしいです。
 それでも苦労は多く、エマールがいよいよバッハの録音をする前日になって、用意したピアノがどうもイマイチ気に食わない。「じゃあ、別のピアノにしますか」とシュテファンが言って、倉庫かどこかにあったピアノをエマールに弾かせ、じゃあ、これをホールに持っていって弾き比べしましょう、ということになるんですが、明日、録音だってのに、今からピアノ運べって言われても、運搬係が難色示しそう。わがまま言ってるのはピアニストなのに、「自分が言っているみたいだ」と言いながら、それでもピアノを運び、2つを弾き比べてもらったら、エマールはやっぱり最初の方がいいと言うのです。
 シュテファン、大変だなあ、と同情しますが、同時に、エマールはやはり、最初の方がいいということを確かめたかったんだと思うのです。そこで妥協して最初のピアノで録音するよりも、手間がかかっても弾き比べして、納得して最初のピアノにする方が絶対いいんですよ。これって、こだわりの仕事をしたい人、趣味でもこだわりでやってる人ならわかると思うんです。
 問題は、普通の人の場合、シュテファンみたいに協力してくれる人がいないってことですね。
 シュテファンの苦労とこだわりのおかげでピアニストは最高の演奏ができ、それをまた、シュテファンが至福の喜びと感じる、そういう幸せな関係はなかなかないものです。
 実は最近、すっかりクラシックに疎くなった私は、エマールはもちろん、この映画に登場するピアニストはブレンデルしか知りませんでした。「のだめカンタービレ」でピアノ演奏を担当したラン・ランという中国人のピアニストも知りませんでした。
 それはともかく、プレスシートに、監督のロベルト・シビスが、「完璧の90パーセントで満足できれば、50パーセントのエネルギーを節約できる」という主婦向けの家事の本に書かれていた言葉を引用し、そのあと、「シュテファンがエマールの《フーガの技法》の録音に携わる際には最後の10パーセントが問われます」と言っているのが印象的でした。
 前の記事で、ジョブズの「Stay foolish」を「愚直であれ」と訳すのがドンピシャリでよい、と書きましたが、これを「愚かであれ」(注)とか「分別くさくなるな」と訳す人は、完璧の90パーセントで満足して、50パーセントのエネルギーを節約しているのだ、と、きびしい言い方だけどあえて言います。あのあと、あれに関連してもう1つ記事を書いたけど、翻訳失業中のくせにえらそうに、と自分でも思ったので、アップしませんでしたが、そこで書いたのがまさに、この監督の言った言葉と同じことだったのです。えらそうじゃなく言える監督もえらいね。

(注)あの記事のあと、友人から「これまで、「愚かであれ」と訳しているのが多くて、イマイチ真意がわからなかった」というメールが来ました。また、「ハングリーであれ、愚かであれ」を題名にしている本があることがわかり、「愚かであれ」が出回ってしまっていることもわかりました。

2011年10月20日木曜日

Stay foolish 愚直であれ

 愚直という日本語は、知っているけれど、使えない言葉の1つでした。
 なんとなく、私とは無縁というか、性格的にも合わない言葉のような気がして、好きでもなかったです。
 しかし、今日、私はこの「愚直」と訳したある翻訳に感動しました。
 それはこのブログに出ています。
http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html
 先ごろ亡くなったアップルの創始者スティーヴ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学で行ったスピーチを和訳し、字幕にまでしてくれた方のブログですが、和訳の全文も掲載されています。私は全文の方を読んだのですが(このスピーチ自体、前に読んだことがありますが)、その一番下にあった言葉、

Stay hungry, stay foolish. 貪欲であれ、愚直であれ。

を見て、いやもう、びっくりの大感動でした。
 foolishを愚直と訳すとは! でも、ここはまさにその通りでしょう。
 愚直というのは、文字通り、愚かでまっすぐ。バカ正直なくらいこつこつとがんばることが成功の道、というのはまさにドンピシャで、「愚直は天才に勝る」という町工場の話の本もあるようだ。
 しかし、辞書を引くと、foolishには愚直の意味はないのですね。バカな、愚かな、という意味しかない。あとは分別がないというのがあって、ジョブズの本を訳している翻訳家の中にはここを「分別くさくなるな」と訳している人がいるようだが、それはこの「分別がない」という意味からの苦肉の策なのだろう。でも、「バカであれ」「愚かであれ」では意味がわからん。そしたら、なんと、日本語には「愚直」というすばらしい言葉があった。上のブログの方は天才です。
 私もこれからは「愚直」という日本語を、私が使える日本語にしたいと思います――とか言って、やっぱ、私は愚直にはなれんわ。愚直っていうのは、たぶん、翻訳家には必要な資質だろうな。評論家には、ちょっとね。

 ところで、そのジョブズの評伝が、その「分別くさくなるな」の翻訳家の訳で出ますが、これの著者は、あの、エキサイト機械翻訳で話題になったアインシュタイン伝の著者なのです。

追記 実は、foolishを調べたとき、1つだけ、愚直のような例がありました。それは、
The foolish old man who moved mountains.
愚公移山とか、愚公山を移すとか訳されている中国の故事のことでした。
 要するに、山を移すような、荒唐無稽で実現不可能に見えることでも、こつこつ努力すれば実現する、というお話です。
 英語ですが、挿絵入りのストーリーと解説があります。
http://www.targetchinese.com/targetpedia/the-foolish-old-man-who-moved-mountains/
 山を動かすって、ここから来たのかな。

借りたDVDのことなど

 大学の講義で「十二夜」を扱うので、参考資料としてDVDを4枚1000円のツタヤでレンタルしようと思ったら、貸し出し中。しかたがないので、5枚1200円のツタヤで借りてきました(これが例の地下鉄に乗らないと行けないツタヤで、親指打撲の翌日、必死で5枚のうちの新作2枚を返してきました)。
 借りたのは「十二夜」のほかに、新作の「トゥルーグリット」と「アンノウン」、旧作の「トロン レガシー」と「チャイナ・シンドローム」です。

 実は「チャイナ・シンドローム」はこれまでずっと見逃してきた映画。気になってはいて、特に3・11の原発事故のあとは特に見たかったのですが、ツタヤにはDVDが何枚も入ったにもかかわらず、貸し出し中ばかりで借りれなかったのです。
 で、やっと借りて見たのですが、今見ても全然古くない。いや、むしろ、今の方が身近な問題として真に迫ってきます。アメリカでは公開直後にスリーマイル島の原発事故が起き、以後、アメリカは新しい原発を造らなくなったそうな。それにひきかえ、日本はこの映画が公開された頃(70年代末)はまだ反原発の空気があったのに、いつのまにかその空気が消えて、気がついたら地震と津波の国に50以上の原発って…。私自身はずっと反原発のつもりでしたが、こんなことになっていることに気づかなかったこと自体、反原発のつもりの人も油断していたということですね(反省)。
 「チャイナ・シンドローム」のすばらしいところは、ジャック・レモン扮する原発推進派の技術者が、原発の異常とその背後にある建設業者の手抜きに気づき、反旗を翻すところです。推進派だったからこそわかることがある、そういう立場の人が人々の安全のために戦うという姿を中心にしたことに、この映画の意義があると思います。
 この映画のレモンは口下手で、せっかくテレビのキャスターとカメラマンが来て、放送してくれているのに、肝心なことを言えないまま、電力会社の命令で突入した警官たちに殺されてしまいますが、この電力会社の態度がまた、東電を連想させてこわい。手抜きの建設業者もひどいが、結局、電力会社も原発の利益優先で、安全第一ではないのです。
 また、ジェーン・フォンダ扮する女性キャスターが、女性なのでソフトなニュースしかやらせてもらえず、不満だったのが、最後、涙を浮かべながら硬派のニュースを伝えるシーンに、当時の女性の置かれていた状況を思い出して、感無量でした。マイケル・ダグラスがすごく若いけど、彼はプロデューサーとしていい仕事をしました。レモンの旧友だった原発職員が、最初は会社の手前、言葉を濁していたのが、最後に、「彼が正しいことをしたと信じる。調査すれば、彼が英雄だったことがわかるはずだ」というシーンにも感動。技術者を演じたレモンの、原発を愛している、という推進派の気持ちと、それでも真実を伝えなければ、という技術者としての使命感の間で揺れる演技もすばらしかったです。原発の危険性を訴える人々と、彼らに対し、「電気を使ってるくせに」と言う原発職員の対比もまたリアリティがありました。反原発の人々は、推進派をもっと知るべきだったのだと思います。

 新作では「アンノウン」が面白かったです。学会に出席するためにベルリンに来た科学者が事故に遭い、一時的に記憶喪失になったあと、なぜか自分の存在が否定されていることに気づく、という話で、よくある陰謀ものなのですが、その陰謀が明かされる過程が非常に面白かったです。リーアム・ニーソンは年とったなあという感じだけれど、こういう役にはぴったり。相手役のダイアン・クルーガーも魅力的で、他の脇役も渋い演技派がそろっていて、見ごたえがあります。
 新作では、「トゥルー・グリット」は一応面白かったけれど、すごいというほどのものではありませんでした。ただ、復讐を果たした少女が蛇にかまれ、それがもとで片腕を失い、結婚もせずにオールドミスになっている、というところでは、復讐のむなしさを感じさせます。
 準新作の「トロン レガシー」は早送りしたくなるようなつまらなさで、借りたのを後悔しましたが、元祖「トロン」の主役2人が出ているので許そう。特にジェフ・ブリッジスはさすがというか、実は「トロン」の頃から好きな俳優だったんだけど、こんないい役者になるとは、当時は思わなかったです(「トゥルー・グリット」にも出てるが)。しかし、元祖「トロン」は私は大好きだったので、こんなアホな続編作るな、と思いますね。「トロン」の頃はコンピューターは大型機械で、今みたいなパソコンじゃなかったので、そこに入っていって、というのは夢があったけど、今度のはゲーム機だものね。ゲーム機に入っていくなんて話がショボすぎる。どうせだったら、インターネットの世界に入ってトロイの木馬と戦うとか、そういう壮大なのにしてほしかったです。

2011年10月17日月曜日

威嚇猫

 こちらを見るとシャアシャア鳴くので(つか威嚇)シャアシャア猫と勝手に呼んでいる猫(原則、名前はつけないのだが)。昨日は初めてシャアとは言われなかったのですが、今日、またまた寄ってみると、

 シャアシャアではなく、ニャアニャアと鳴いてきました。

 ほかの猫にエサやってたからなのだが、かなりしつこい。ほかの猫より数段ずうずうしい。おしゃれな首輪してるから飼い猫だと思うのに。しかも、からだが触れるとシャアといいます。向こうが勝手に触れてきてもシャアという。

 ちょっと寄ってみただけなので、エサはやらないつもりでしたが、これが出てくると…。

 上の黒猫は下の茶トラと、昨年5月に見たのが最後のステラという猫の3匹で捨てられていたそうです(4年くらい前の話か?)。当時はいつも3匹セットでいました。3匹の中では、上の黒猫がとにかく強かった。このエリアはたまにしか行かないのに、こっちを覚えていて、エサくれ、と、立ち上がって前足でしがみついてくる。でも、白いシャアシャア猫には負けるようです。


 この茶トラ(上と同じ)はわりとおっとりしています。

  ここ数ヶ月、姿を見なかったあと、先日、久々に見た猫。やっと明るいうちに写真が撮れた。しばらくどこかに出かけていたのでしょうか。

よく晴れた日

 土曜日はなんとかツタヤへ行ってDVDを返してきましたが、やはり長時間歩いたり立ったりしていると痛い。でも、日曜にはあざの色も薄くなってきて、順調に回復しているようです。
 というところで、日曜はよく晴れた日だったので、こういう日に猫スポットへ行っても人が多いだろうなあ、と思いつつ、天気がよすぎるので、やはり出かけてしまいました。
 まずは、近所の猫。マンションやアパートの狭い敷地の中に猫が潜んでいます。

 白い格子がありますが、上とは別の場所です。この猫は何度も会っているので、カメラを向けても全然逃げない(上の猫には逃げられました)。

 夕日を浴びるスカイツリー。

 これまであまり来たことのないエリア。面構えがいい。

 三毛猫たち。




 先日、久々に行ったエリアにまた行ってみた。メタボっぽい茶トラもいたのだが、この猫に追われて脱兎のごとく走り去った。

 飼い猫だと思うけど、首輪がおしゃれ。

 別エリアへ。すでにかなり暗くなっている。



 もうほんとに暗い。

 ここは街灯があるので、なんとか撮れました。あとはもう無理。

 例の、地震で壊れて、取り壊しになっていた墓地、完全に墓石まで撤去されていました。新しく作り直すのだろうか。

2011年10月15日土曜日

捻挫or骨折orただの打撲?

 今日、新しい靴をはいて仕事に出かけ、駅から仕事場まで歩いていたとき、突然、足元がおかしくなって、転倒してしまいました。そのときは、どこかにつまずいて倒れたのだろうと思い、そのまま立ち上がって仕事に出かけ、そして仕事をしている間に、片足のつま先が異常に痛くなっていったのです。
 なんだこりゃ、と思いつつ、なんとか仕事をすませて帰宅。そして、靴を脱いで驚いた。右足の親指がはれあがり、ところどころ青くなっている。もしかして、転倒したのは、右足の親指がおかしなことになったからでは?と思い当たりました。
 そもそも、私は外反母趾がひどく、両足とも親指の付け根の関節が非常に大きく、親指が隣の指の方に大きく曲がっていて、そこが弱点なのですが、こんなひどい状態になったのは生まれて初めて。だいたい、捻挫は軽いのはやったことあるけど、骨折はいまだかつて一度もない。
 とにかく痛くて、まともに歩けないくらいなので、近くの大学病院の救急へ行こうかと思いましたが、夜も遅いので、とりあえず、明日の朝、様子を見ようと思います。うーん、明日はツタヤのDVD返却日なのだよ、それも、地下鉄に乗っていかないといけない遠くのツタヤ。足をひきずってでも行かねば。
 そもそも、なんで右足の親指がおかしなことになって転倒したかというと、新しい靴が足に合っていないのですね。はくのは今回が2度目で、最初にはいたときもおかしかった。で、2度目はついにこうなったので、その靴は捨てました。だいぶ前に買ったまま、はかないでしまってあったので、足が合わなくなっていたのでしょう。
 お風呂であたためたら、多少、痛みが弱まりましたが、捻挫なのか骨折なのか、これからもっとひどくなるのか? むむむ。どっちかというと捻挫っぽいのですが、年をとると、つまらないことで骨折するので、注意が必要です。

追記 翌朝になったら、痛みがだいぶなくなり、はれも少しひいていました。内出血と思われるあざがすごいので、見かけは大変そうなのですが、感じからするとただの打撲かもしれません。

2011年10月14日金曜日

路地裏の猫、そして

 最近、このブログは猫写真ばかりなのですが、しばらく写真を撮らない日々が続いたあと、撮る日が続いて、一気に写真が出てきたという感じです。まあ、夕方ばかりなので、あまり写真撮るにはいい日和ではないのですが。
 うちの近所は猫が多いのですが、遭遇するのはほとんど夜。なので写真は撮れなかったのですが、この日はめずらしく明るいうちに猫が。
 遊歩道を猫が行く。このあたり、実は車が怖い路地です。車1台ぎりぎりの幅しかないのに、車が我が物顔で通り抜けていきます。

 写真撮られるのがいやなのか、フェンスの奥に逃げてしまった。

 この猫も写真がいやで逃げましたが、後姿が(以下略)。

 で、結局、いつもの場所へ。








 この猫は、大好きなエサやりさん(複数)がいるときは全然こっちを見てもくれないのですが、誰もいないとすりよってきます。しばらく会えなかったけれど、久々に姿を見ましたが、大好きなエサやりさんがそばにいたので、近寄らずに遠くから見るだけにしました(12倍ズームです)。

 このあと、暗くなってから、3、4ヶ月ぶりにある猫と遭遇。6月か7月に見たのが最後で、どうしたのか心配していましたが、元気そうでした。たまたま会えなかっただけなのかな。でも、よかった。
 このページの一番下の写真2枚の猫です。
http://sabreclub4.blogspot.com/2011/09/blog-post_25.html

2011年10月10日月曜日

水鏡のミケ

 その別の区は、猫写真家が休日には大勢来るのですが、猫カフェみたいなのもあちこちにあるようです。ふだんとは違う坂を上って行ったのですが、坂の途中に「猫います」と書いてあるカフェがあった…。
 で、いつもの場所で、水飲むミケ。



 お墓参りの人も多いので、休日はゆっくり写真撮ったり猫と遊んだりできません。
 そして、またも夜までねばってしまった。夜でも休日は人がそこそこいます。


地域猫?

 今の区に引っ越してきたのは四半世紀も前ですが、最初のうちはあちこち散歩したものの、だんだん同じようなところしか歩かなくなっていました。
 そんなとき、ふと、昔、某神社の先の路地の先に細い階段があって、そこから高台に出れたなあ、あれはどうなっているだろう、と思い、行ってみたところ、なんと、その周辺は新しめのマンションだらけになっていて、細い階段のすぐ横に広めの階段ができていて、その細い階段は途中で壁にぶつかっていた…。
 昔は古い木造家屋ばかりだったのですが、いつのまにか、コンクリの新しいマンションや新しい家が立ち並んでいました。
 その階段を登っていくと、昔は広々とした風景があったのですが、今は背の高いマンションの間の路地しかありません。が、そのマンションの1つの敷地に猫が。

 人の気配に気づいて、おっ、とこちらを見る。

 耳の先がカットされているので、地域猫ですね。(と思ったのですが、これは他の猫にかじられたのでは、という指摘がありました。確かに、普通は、こういうカットはしない気がします。)

 また毛づくろいに戻る。

 車のボンネットは気持ちがいいにゃあ。

 おお、これも耳カットで地域猫だ。(と思ったのですが、上の耳カットの追記参照のこと。)

 人の気配に気づいて、おっ、と。

 某大通りに出て、そこから坂を上って隣の区に入ります。途中から路地に入ってキョロキョロしていたら、これは飼い猫。下に大きな猫ハウスが。

2011年10月9日日曜日

先週の猫1

 実は、3週間くらい、カメラを持たずに猫スポットへ行っていました。最近は暗くなってからが多いので、カメラを持たないことの方が多いです。
 で、久々に明るいうちに参上。この猫がごろんごろんしていた。



 下ではおおあくび。

 これは久々に見る猫。

 これは木曜日の猫でもアップした猫。隠れ具合がいい。

 ところどころに彼岸花が咲いていた。これは2枚上の猫とは別猫。怪傑ゾロにそっくり。