2025年4月28日月曜日

ベルばらマンホールカードと「バッドランズ」「天国の日々」

 4月25日から柏市観光案内所で配布開始の「ベルサイユのばら」マンホールカード。初日はすごい行列だったみたいだけれど、翌日からはさほど混んでいないようで、まだ数は十分あるとのこと。この観光案内所(柏駅前のマルイのビルの3階)は月曜定休(祝日の場合は次の平日)なので、日曜日にもらいに行くことにした。

3階のシャッター商店街みたいになってるところの先に観光案内所があり、のぼりが立っていた。人がばらばらとやってくるけれど、並ぶほどではない。


展示もいろいろ。ポシェットも売ってます。




カードの裏表。



柏市市制70周年を記念してのマンホールデザインで、池田理代子が「ベルばら」執筆時を含む20年以上、柏市に住んでいたことからこの企画が。実は私は柏市には7年間住んでいたけれど、調べてみたら、池田理代子が高校2年生のときから「ベルばら」連載を始める前の年までだった。私自身は10歳から17歳直前までで、池田理代子と同じ学校には行ってない。ていうか、彼女は高校は都立なので、越境していたのだろう。中学は私が柏中、池田は柏二中で、当時、柏中は体育会系のイメージが強く、男子は丸刈りだったので、丸刈りがいやな男子は二中に越境していた。また、二中の方が進学に力を入れているイメージがあったので、それで越境してた子もいたような気がする。私は柏中が自宅から見えるくらい近かったから無問題だったし、そこから千葉県の御三家の高校(これまた自宅の至近距離)に進学できたので、こちらも無問題だった。

3種類のマンホールの場所を書いた地図ももらったのだけど、カードになっているマンホールは高島屋本館のそばというので、そのあたりを何度も歩いてみたけれど、見つからなかった。人が集まって写真を撮っているのではないかと思ったのだが、人が集まっている様子もなかった。また今度行ったときに探してみよう。

さて、マンホールカードだけのために電車賃使って行くのもなんなので、キネマ旬報シアターで映画でも見るかとスケジュールを見たら、テレンス・マリックの「バッドランズ」と「天国の日々」を上映しているのでハシゴ。


カード配布に合わせて、「ベルばら」劇場版アニメも上映されている。ただ、配布場所で見た感じだと、「ベルばら」を読んだことも見たこともない人がもらいに来てる印象だった。あと、私らの世代だと「ベルばら」は原作漫画+宝塚だったけど、そのあとの世代はテレビアニメのようで、うーんなんとも。


「天国の日々」はビデオで、「バッドランズ」(旧題「地獄の逃避行」)はDVDで見ているけれど、映画館では初めて。「バッドランズ」は今回が日本では劇場初公開と知って驚いた。20年遅れか30年遅れで公開されたと思っていたのだ。




というわけで、半世紀くらい昔のテレンス・マリックの初期の作品を映画館で見ることができた。マーティン・シーンもシシー・スペイセクも、リチャード・ギアもサム・シェパードも若い。今回続けて見て、「バッドランズ」は悪についての映画、「天国の日々」は善についての映画だな、と思った。

どちらも少女の語りで、この語りがクールで、大人たちの世界を冷めた目で見ている感じがする。どちらの映画にも火事のシーンがあり、平原の風景が広がる。

だが、「バッドランズ」は主人公も少女も善悪の観念がなく、主人公は息を吸うように人を殺し、少女はそれを当たり前のように受け止める。それまでのアウトローの若者を描いた映画は、そうなってしまった背景とか同情できる面とかが描かれたのに、これはそういうのがまるでない。ただ、悪、なんである。

一方、「天国の日々」はおおむね善人ばかり。特にリチャード・ギアとサム・シェパードは無垢を絵に描いたような穢れのない善人で、ただ、2人が同じ女性を愛してしまったために悲劇が起こる。少女がりんごをかじるシーンがあったり、蛇を思わせる老人がシェパードに疑念を吹き込んだりと、エデンの園の楽園喪失をイメージした世界だ。(追記 イナゴは黙示録)

どちらの映画も最後に兵士たちが登場する。「天国の日々」は1910年代なので、第一次世界大戦の暗示か? そして「バッドランズ」は朝鮮戦争やベトナム戦争の暗示か?

マリックの映画は「シン・レッド・ライン」が一番好きだが、このあとの作品はどうも好きになれない。やっぱりこの3本がベストなのだろう。