2022年7月30日土曜日

岩波ホール閉館

 7月29日、半世紀以上の歴史を誇る岩波ホールが閉館。

最終上映回は午後6時頃にチケット完売したようです。


私は最後の作品「歩いて見た世界」は6月中旬に見に行ってるので、特に最終日に行く予定はありませんでしたが、最後のあいさつとか、終了時の拍手とかを体験したい、終わりを見届けたい、という人が多かったのだろうと思います。ネットの報道ではポスターがはがされる写真が出ていて、ちょっとこれは悲しい。

6月中旬に行ったときの写真。

入口にある小さいポスター。昔は交差点から見える大きな看板がビルの上の方にあったのだが。


岩波ビルの入口。


地下へ降りる階段のところ。


岩波ホールで見たのは「惑星ソラリス」が最初だとばかり思っていたのですが、違っていました。

最初に見たのはこれ。「そして誰もいなくなった」。


岩波ホールで上映された「トロイアの女」は虎ノ門ホールの試写会で見ていました。


同じくここで上映された「惑星ソラリス」は少し遅れて日劇文化で見ていました。なんと、「戦艦ポチョムキン」と2本立てだった。


大好きな「家族の肖像」も、岩波ホールでの上映が終わったあとに新宿武蔵野館で。今のミニシアターではなく、600席くらいあった大劇場です。その後、大宮でも見ていた。


2度目に岩波ホールへ行ったのは、この「女の叫び」でした。


このあとは岩波ホールにちょくちょく行っていたようです。

トリュフォーの映画で一番好きな「緑色の部屋」、そして、タルコフスキーの「鏡」もここで。



アンジェイ・ワイダの「大理石の男」はヤクルトホールの試写会で見ていました。


その後の岩波ホールで見た作品で、特に好きなものをいくつか。

70年代初頭からずっと見たいと思っていたヴィスコンティの「ルードウィヒ 神々の黄昏」。「ベニスに死す」の大コケで、日本公開が見送られてしまった作品が、ついに岩波ホールで! 前売り券は前半期間と後半期間に分けて売り出され、私は前半を買えず、後半に見ました。ものすごい行列ができた映画。


日本で初めて公開されたヴェルナー・ヘルツォークの映画「アギーレ 神の怒り」。


アンジェイ・ワイダの作品で一番好きな「ダントン」。


ベルイマンの映画ではトップクラスに好きな「ファニーとアレクサンデル」。


「ファニーとアレクサンデル」の前あたりから試写で映画を見られるようになり、岩波ホールからしだいに遠ざかってしまいます。80年代最後に見たのは「芙蓉鎮」。試写で見ていたけれど、気になって再見しに行ったのです。


上映作品の多くを試写で見られるようになり、その後、まったく行かなくなってしまったのですが、試写で見て「キネマ旬報」に書いた「宋家の三姉妹」の映画評が岩波ホールの会誌か何かに再録されました。


そして、30数年ぶりに訪れたのが「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」だったのです。