2013年10月5日土曜日

バーチャルな人間関係

このところ、メル友トラブルについて、ネットでいろいろ調べていたが、メル友をやめたいがどうしたらいいかという相談がとても多いのに驚いた。
一番多いのはやはり異性間のメル友で、特に男性が女性にしつこいケース。
同性間だと、相手がひきこもり状態で暇な場合。ひきこもりだけでなく、子供のいない専業主婦の例があった。
私は携帯のメールはやっていないのだが、こうした相談を読むと、ますます携帯のメールは使いたくないと思う。1時間ごとにメールが来て、返事しないと「どうして返事しないのだ」とさらにメールが増える。内容はどうでもいいことばかり、という具合。携帯はメールが来るだけで金を取られるのだ。やってられん。
一方、メル友から返事が来ない、という相談も少しはあって、こちらを読むと、この人からメル友が去るのは当然だよな、という感じ。レスにもはっきりそう書く人がいて、相談者逆ギレの様相を呈している。
多くの場合、メル友は自然消滅するものらしい。これは私もよくわかる。というのは、ネットもメールもなかった若い頃、数十人の人と文通していた。当時、私はペンフレンドを募集すると、来る者は拒まずで全員を受け入れていたのだ(募集を見てこちらから応募した場合もあった)。しかし、多くの人は2ヶ月くらいで音信不通になる。残った少数の中には数年から10年くらい続いた人が何人かいたが、最後は自然消滅に終わった。私は手紙が来るとすぐに返事を書いてしまうタイプなので、向こうから来なくなったときが終わるときだと思っていた。世の中には、なぜ文通をやめるのか、とか、メールをやめるのか、と問い詰める人もいるようだが、私は去る者は追わずなのだ。返事が来なければそれ以上深入りはしないし、理由も考えない。文通相手やメル友はバーチャルな人間関係だから、深入りは禁物だ。
文通で、はっきり、もう文通はやめましょう、と言ってきた人が1人だけいたが、彼女は幼馴染で、転校がきっかけで文通をしていた相手だった。「お互い、勝手に好きなことを書きあっているだけだから、やめたい」と書いてきて、その気持ちはとてもよくわかったので、円満にお別れした。彼女は転校するまでは毎日のように学校などで会っていたリアルな友人だった。だから、彼女は文通を断っても私は理解してくれると思ったのだろう。そういう安心感はリアルな人間関係にしかない(いや、リアルでもむずかしいときが多いか)。
現実には、文通相手やメル友はバーチャルな相手であることが多い。中にはバーチャルからリアルな人間関係になる人たちもいると思うが、大部分は文字のやりとりをするだけのバーチャルな関係だろう。そういう相手だと、文通をやめたい、メル友をやめたい、と言うこと自体がむずかしくなる。手紙やメールだけでは相手がどういう人かわからないのだ。やめたいと言ったときに、相手がどういう反応をするかわからない。そうしたときのリスクを考えると、返事を書かないことで終わりにする方がリーズナブルだ。その昔、私の文通相手が手紙を書かないことで文通を終了させたのはごく自然なことだと思うし、なぜはっきりやめると言わないのか、などと思ったことは一度もない。
メル友をやめる方法についての相談を見ていると、回答者の多くは、返事を書かずに相手があきらめるのを待て、と言う。へたに「やめる」などと書くと、「なぜやめるのか」としつこく迫ってくることがあるからだそうだ。しかし、返事を書かないでいると、死ぬとかなんとか脅迫的なメールを送ってくる人もいるらしい。相手がしつこい場合は受信拒否、相手がメアドを変えてさらにしつこく来る場合は自分のメアドをやめる、と、まあ、世の中大変だな、と思った。メル友1人に対して1つのメアドを用意した方がいいのだな。無料メアドが大量に必要なわけである。
最近、メールの設定の中に、指定したアドレスのメールだけ受信と同時に自動的に削除するという機能があるのを知った。迷惑メール対策だろうけど、その迷惑メールの中にメル友トラブルもかなりあるのかもしれないと思うと、バーチャルな人間関係には慎重になるべきだと思った。