2013年1月13日日曜日

カイロの紫のバラ

実は、映画の授業をしている某大学で、来年度の前期に「カイロの紫のバラ」をやろうと思っているのです。
「カイロの紫のバラ」は、ウディ・アレンの映画の中では最も好きな映画で、公開当時、「キネマ旬報」の特集にも書かせてもらいました。
で、某大学の前期の授業は、もっとシリアスな作品がメインなのだけど、その中に、「カイロの紫のバラ」をちょこっと入れたら面白いかな、と思ったのは、タワーレコードのDVD3枚3000円でこの映画のDVDを買ったからなのですが、改めて見て、我ながらうまい選択だ、と思いました(まあ、実際にやってみたら全然受けなかったとか、あるのですが)。
夫は無職、遊んでばかりで浮気、DV。そんな夫と結婚してしまい、ウェイトレスなど雑多な仕事で生活費を稼いでいるヒロインにとって、唯一、つらい人生の救いとなっているのが、映画。今日も日々のつらさを忘れるために、映画館で「カイロの紫のバラ」を見ていると、なんと、登場人物の1人が映画から抜け出し、ヒロインと恋に落ちる…というお話。
時代は1930年代の大不況時代で、映画中映画の中に共産主義の男が出てきて、それが「追憶」のジェームズ・ウッズが演じた共産主義の学生にそっくりなのも笑えましたが、うーん、これはアメリカのある時代を表す作品として、授業でやってよいかも、と思いました。
昔書いた「カイロの紫のバラ」映画評は、その後、印刷所で作った個人誌の評論集に収録し、コミケなどで売りましたが、もう在庫はありません。そういう古い映画評を載せるブログを作りたいと思っているのですが、ワープロ専用機で作ったテキストをパソコン用に変えて、と思うとなかなか面倒で。でも、やっぱり、記録として、作るべきだろうとは思っています。