2014年3月15日土曜日

早大理工のコピペ文化

出ちゃいましたね、内部告発。
早稲田大学の理工系におけるコピペ文化について。
http://anond.hatelabo.jp/20140314233406
この人は国立の大学院へ進学したので、早稲田理工系のコピペ文化の異常さに気づいたのですが、早稲田の理工系しか知らないと、気づくことさえできないでしょう。
小保方晴子「やってはいけないことだとは知らなかった」。
でもねえ、小保方(偽?)博士は一応ハーヴァード大学にも行ってるわけですが、そこで気づかなかったのですかね?


最近地に落ちたと言われている早稲田大学ですが、昨年は非正規職員は5年たったら無期雇用にしないといけないという法律ができたので、早稲田は早速非常勤講師は5年でクビの規定を、非常勤講師が来れない時期に作ってしまい、問題になりました。その後、非正規は5年でクビにして、半年後にまた雇えば無期雇用にしないでいいというので、どこかで半年休んでください、その時期を書いてください、というアンケートを非常勤講師に配ったのです(これは非常勤講師組合の抗議で謝罪撤回)。そして、その後は非常勤講師の偽装請負が発覚。このあたりは首都圏非常勤講師組合のサイトに詳しく書かれています。
早稲田大学は派遣会社を作って、非常勤の職員や講師はそこから派遣という形でやっていて、そこからの派遣の人は3年でクビ。かなーりブラックな大学です。
そんな労働環境ではブラックな大学から、研究でもブラックな話題が出てしまったというのが小保方論文ねつ造疑惑、というか、すでにねつ造・剽窃・関係ない博士論文のコピペ部分がネイチャー論文と博士論文で大量に発覚してしまい、実験をしたのかさえ疑わしいと言われています。


それはともかく。
今回の件で思ったのは、私大に理系学部は必要なのか、ということ。
私大では医学部など医療・看護・薬学系(一言でいうと病院系ね)は大変栄えていますが、理工系のような研究分野となると、関東では東大などの国立大が一番で、それに続く私大はというと、東京理科大と早稲田の理工くらいしか思いつかない。理科大はさすがに理系だけなので特別だと思いますが、早稲田みたいなところはほかに有名学部が文系にあるわけで、予算はそっちにとられてしまう。しかし、理系の研究は研究費がものすごくかかる。お金がなければ研究ができない。だから本気で理系の研究をしたい人は、関東の国立大がだめなら地方の国立大へ行きます。駅弁大学と言われようが、その方が研究の設備が整い、研究費もあり、そしてなにより授業料が国立大文系と同じ。文系の場合、今は、金がないなら国立へ行けと言われても、国立大と私大の文系では授業料がほとんど変わりません。しかし、理系なら、まさに金がないなら、いや金があっても国立の方がいいのです。
本当に研究をしたい人は本当に新しいことを見つけたいので、コピペ文化に満足するはずがありません。文系では卒論を書きたい人と書きたくない人がはっきりしていて、書きたい人は読書が好きで文章を書くのが好きです。こういう人はコピペなどしても面白くないので、自分の言葉で自分の言いたいことを書きます。評論やエッセイならそれだけでもいいのですが、論文の場合は、自分の意見の証明として注釈や参考文献をつけます。注釈や文献で自分の文章を補強するのです。
卒論が書きたくない人はそもそも自分の意見を自分の文章で書くのが苦手なので、コピペしたくなるでしょうが、最近の大学ではそういう人のために卒論にかわる単位で卒業できるようになっているところも多いようです(私はその方がいいと思います)。
残念なのは、自分の意見を自分の文章で書くのが苦手な人で、コピペで卒論を書いてきたような人が、小保方(偽?)博士を擁護し、コピペのどこが悪いと言っていることです。こういう人を、アメリカの作家・思想家アイン・ランドは「セコンドハンド人間」、「セコハン人間」と呼びました。私はランドの思想は、「貧乏人は自己責任だから社会が助ける必要はない」というところは絶対に反対で、また、ランドのような信者の多い人には警戒心を感じるので、この人についてはあまり書きたくはないですが、それでもこの「セコハン人間」批判、特に、「セコハン人間が権力を持ちたがると危険」という言葉(小説「水源」より)には同意します。小保方氏が仮に偶然スタップ細胞を作ったとして、それでノーベル賞をあげるのはいいですが、こういうセコハン人間が科学の世界で権力を持つことがよいことかどうかを考えた方がいいと思います(セコハン人間を作り出す早稲田理工と、そのセコハン人間を利用した理研ももちろん問題です)。
それにしても今の日本は、ランドの提唱する極端な資本主義「貧乏人は自己責任だから社会が助ける必要はない」という思想と、ランドの批判するセコハン人間の両方が社会を覆っているという感じがします。