2014年3月8日土曜日

ルーウィン・デイヴィスが見捨てた猫

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」を見た。
コーエン兄弟の新作でカンヌ映画祭グランプリ作品。1960年代に実在した歌手をモデルにした人物ルーウィン・デイヴィスの生き方を描く。
が、私の心に残った第一の感想は、「途中で置き去りにした猫はどうなったんだ?」
デイヴィスは売れない歌手なので金がなく、知り合いの家を泊まり歩いて生活しているが、泊めてくれた友人の大学教授夫妻のマンションの猫がデイヴィスと一緒にドアの外に出てしまい、ドアは自動ロック、鍵もない、というわけで、デイヴィスは猫を連れて出かけるはめに。
この猫が茶トラというか、茶色いアメショーという感じで、やせていて細長いしっぽ。デイヴィスが地下鉄に乗ると(ニューヨークです)、猫が窓の外を眺め、次々と通り過ぎる駅の名前が見える。猫目線だ。
しかし、じっとしていない猫は逃げ出してしまう。その後、通りでそっくりの猫を見つけ、友人のマンションに連れ帰るが、別猫と判明。本物はオスで、この猫はメスだったのでわかったということになっているが、一目でわかりそうなものだけどねえ(鼻のあたりの色が違ってたと思う)。
それで今度はこの猫を連れ歩くことになるが、仕事のためにミュージシャンと車でシカゴへ行ったとき、ミュージシャンが麻薬で倒れてしまい、おまけに運転手が逮捕され、デイヴィスはミュージシャンと猫を車に残して去ってしまう。このとき、猫がじっとデイヴィスを見つめるんだけど、彼はドアを閉めて去っていく。
ニューヨークへ帰るとき、ヒッチハイクした車で運転をかわり、夜道を走っていると、黄色い小動物が飛び出してくる。急ブレーキをかけて停めると、車の前面に血が。しかし、キツネと思わるその動物は足をひきずりながら森の中へ消えていく。デイヴィスは見捨てた猫だと思ったのだろうか。
ニューヨークへ帰ると、映画館ではディズニーの「三匹荒野を行く」という映画がかかっている。何百キロも旅して帰ってきた犬と猫の話。
友人の大学教授のマンションでは飼い猫が戻ってきていた。泊めてもらったデイヴィスが目覚めると、目の前に猫の顔が。この猫、彼が好きらしい。
今ここで書いた話はこの映画の紹介ではあまり書かれない話だと思う。猫のところだけ引き出した話だから。これ以外にもいろいろなエピソードがある。女性を次々妊娠させては中絶させているらしいことも。デイヴィス自身が野良猫っぽい感じもする。デイヴィスが見捨てたあの猫は麻薬で倒れたミュージシャンと一緒に助けられたのだろうか。