2016年11月24日木曜日

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

CGを使って3D展開する最近のハリウッド大作はほとんどスルーしているのですが、J・K・ローリングが脚本を書いた「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」は一応ファンタジーだし、5部作になるというからとりあえず最初は見ておいた方がいいと思って、初日に見に行きました。
ハリー・ポッターの魔法学校で使われている教科書の著者の青年が魔法動物の入ったトランクを持って禁酒法時代のニューヨークにやってくる、という話。ハリ・ポタの用語やら何やらがいろいろ出てきてますが、あまり詳しくない私でもついていけます。
ローリングの魔法世界というのはやはり独特で、いろいろ工夫されたユニークな世界ですが、でも、このあとずっと続編を見続けるかというと、かなりビミョー。
エディ・レッドメイン演じる主人公は正直、間抜けな魔法使いだと思うのですが、その間抜けな魔法使いが後半はきっちり仕事しているあたりの整合性のなさというか。彼がトランクを間違えた相手、魔法を使えない普通の人間である太った男性の方が人物としては面白く、やせたレッドメインと太った彼が凸凹コンビみたいになっているあたり、面白いんだけど、笑えるほどじゃない。
この太った彼と、彼を好きになる魔法を使える美女の部分が一番魅力的で、だから最後もこの2人で締めます。
あとはまあ、子供の虐待とからめた魔法の悪の力とか、魔法動物がそれぞれ役に立つシーンがあるとか、このあたりは定番ですが、たとえば、禁酒法時代のアメリカでは魔法も禁止されていて、お酒を禁止することと魔法を禁止することが対になっているとしたら面白いのだけど、そういうのはまったくなし。魔法使いと普通の人間との確執みたいなのが重要なモチーフかと思いきや、途中から普通の人間はどうでもよくなり、魔法使いたちの戦いになっていきます。
「ハリ・ポタ」も全部見ているわけじゃないし、特に好きでもなかったですが、「ハリ・ポタ」にはまだわくわくするものを感じたけど、こちらはそういうわくわくがないです。
あの太った男と彼女、次回も出るのかな。出るなら見てもいいけど、レッドメインだけだったらパスになりそうです。