2019年3月22日金曜日

高須ごときで見るのをやめるな「翔んで埼玉」4回目

亀有で「翔んで埼玉」3回目を見たあと、やっぱり亀有じゃ盛り上がらないな、第一、客が少ない、もう一度さいたま新都心で見たい、と思ったとたん、例のナチス礼賛ホロコースト否定の高須院長が映画とまさかのコラボ。もう見に行く気になれない、と思ったのだけれど、なんであいつのせいで見るのをやめなきゃいけないんだ、という気持ちにだんだん変わっていき、春分の日にMOVIXさいたまに見に行こうと突然思い立った。
思い立ったのが春分の日になった直後で、サイトのスケジュールを見ると、すでに夕方の回まで最大箱が残りわずか。もういい席はない。夜の回とレイトは余裕ありだったので、夜の回を予約。翌朝にはその夜の回も残りわずかになり、夕方までは完売していた。さいたま恐るべし。
3月はじめにMOVIXさいたまに行ったときは夜まですべて完売だったけれど、さすがに少し人気が衰えたのか、夜の回はほとんど埋まってはいたけれど完売にはならなかった。ロビーも3月はじめのようにはごった返してはいなかったし、上映が終わったときの拍手もなかった。やっぱりちょっと熱が冷めてきているのかな?

で、MOVIXさいたまの壁一面はこのようになっております。

左右に縦長のバナー、その間に上のようなポスターが10枚並んでいますが、全体を撮ろうとするとかなり後ろに下がらねばならず、そうなると前を通る人が入ってしまうので、全体はあきらめて部分的に撮りました。
まず、一番右に二階堂ふみのバナー。

右から左にポスターが10枚続きます。もう薄暗くなっていて、バナーは光が足りなくてぼけてますが、こちらはバックライトがあるのできれいに撮れました。


「埼玉の皆様」がかぶってしまった。


一番左がGACKTのバナー。

右わきから全体を撮ってみました。

それでもこのときはまだ人が少なかったのですが、このあと前の回が終わって人がたくさん出てきて、すごい人だかりになってしまいました。みんな写真撮ってます。

そして映画を見終わり、「与野は引っ込んでろ」の与野を通り、大宮とけんかしていた浦和を通り、武蔵野線に乗りかえて、流山決戦の川を越えて帰宅したあと、ネットを見ていたらこんな記事が。

「な、な、なにこのコラボ……」心地よい自虐作『翔んで埼玉』が翔べなくなった日
https://bunshun.jp/articles/-/11120

例の高須院長のコラボについて書いている記事ですが、この方もコラボに衝撃を受けながら、でも、また映画を見に行ったのですね。
一部引用。

アカウントのツイートを遡ると、実は今回の企画のために作られたアカウントではなく、昨年の5月には東宝映画『のみとり侍』とのコラボ企画に使われていたことがわかる。映画『翔んで埼玉』の公開日は2019年2月22日で、高須クリニックのコラボについて最初にツイートされているのは3月13日だから、おそらくは初登場1位という予想を覆すヒットが話題になったあとに決まったコラボのために、以前別の映画でコラボした際に作ったアカウントを流用したのだろう。
(中略:ここで筆者は高須院長の過去の問題発言について解説)
映画『翔んで埼玉』の広報担当者(東映配給である)にしてみれば、去年同じように東宝さんとコラボした時は何も言われなかったじゃないですか、なんでうちだけという思いはあるだろう。そもそも高須クリニックのCMはTV雑誌問わず豊富な資金力で全面展開されているし、高須院長本人もテレビ番組に自ら出演している。ピーピー言ってる邦画、それも東映(ごめん)の広報担当者が担当者の一存で政治性を理由に断る方が困難なのかもしれない。法的に問題は何もなく、他社もみんなやってるのだ。少なくとも日本のメディアにおいては。

へえ、「のみとり侍」ともコラボしてたんだ。知らなかった。
つか、「のみとり侍」って爆死したよね。あの阿部寛が貴公子然として登場する「空海」(妖猫傳)の前に必ずこの映画の予告をやって、阿倍仲麻呂のイメージをだいなしにしてくれた映画だったから、爆死してざまあみろとしか思わなかったが。
まあ高須院長が乗ってもだめだったわけです。つか、あまりにもだめだったので、コラボしてたことも知られてなかった?

まあ、上の記事の筆者も書いているように、担当者が断れなかったってのもあるでしょうね。
あのコラボへの批判殺到の中で、映画を見ると高須院長に金が入るから見ない、というのがあったのですが、高須院長は金を出す側なので、映画を見ると院長に金が入るというのはないと思います。
それに、今回MOVIXさいたまへ行ったけど、別に高須クリニックのたの字もなかったし。
実際、お客さんの大部分は高須クリニックとのコラボのことなんか頭にないのではないかと思います。
高須クリニックとのコラボの与えた影響については、上の記事を読んでもらうとして、でも、上の記事でも書かれているけれど、コラボのあとに映画を見ても、映画自体は以前と変わっていない。映画が違って見えるなんてことはまったくない。
高須クリニックとのコラボなんて、「のみとり侍」とのコラボと同じで、いずれ消えてなくなる。映画は残る。差別を茶化すことで批判し、革命とか解放戦線とかいったなつかしい左翼用語をふりかざし、まるで国会を取り囲む市民のように、埼玉解放戦線と千葉解放戦線が都庁を取り囲む絵を作ってしまった映画。これを見るべき人が見なくなるのこそ、ああいう人たちの思うつぼ。
実際、左翼が注目しそうな映画だから高須とコラボしてカムフラージュしたんでは?といううがった見方も一部にはある(私もちょっとそう思った)。

ところで、上の記事の筆者のブログに、この映画の神奈川県の扱いに触れたものがあって、これも面白かった。
https://www.cinema2d.net/entry/2019/02/26/232341
私も、崎陽軒のシウマイは神奈川県知事の悪事がバレる証拠として使われているのに、よく許可したなあ、と感心していたけど、まあ、あれは都知事が崎陽軒のシウマイが好きで、それで神奈川県知事がお土産に持って行っただけで、崎陽軒は無関係なんだろう(でも金のひょうちゃんが入ってるから崎陽軒も仲間では、というツッコミはありうる)。
神奈川県に関しては、あの映画では知事だけが悪役で、神奈川県民は別ということなのでしょう。

もうひとつ、このブログでは「フォルトゥナの瞳」についても書いていて、こちらも興味深い。
https://www.cinema2d.net/entry/2019/03/17/090539
「フォルトゥナの瞳」は百田尚樹が原作だというだけで見る気をなくすのだが、この筆者は百田センセイに対しては批判的だけど、それでも見るし、原作も読む、というのがすごい。
原作にはヘイト色がまったくない、とか、百田センセイはウヨると受けるからウヨになったのでは、と書いていて、たぶんそうだと思うし、ウヨった方が稼げる時代になっているのは確かだ。

で、おまけ。
MOVIXさいたまのロビーには例のピエール瀧出演の「麻雀放浪記2020」の大きなバナーが飾ってある。それを見ていたお客さんたち。
「ピエール瀧の名前消してないね」
「ああいうことがあったからって、やめたりしなくてもいいよね」
そういうこと。
ちなみにこっちも東映。