2022年2月10日木曜日

「ボブという名の猫2 幸せのギフト」

 映画「ボブという名の猫」の猫ボブが2020年6月に亡くなったことはニュースで知っていましたが、続編「ボブという名の猫2 幸せのギフト」の試写を見せていただいたあとで、ボブの死についてネットで検索したら、なんと、交通事故死、それもひき逃げと知ってショックを受けています。

映画では外に出すときは常にリードをつけていたので、放し飼いにしているとは思わなかったので。(追記参照)

ボブを愛する人たちのブログなどに書かれていたのですが、飼い主のジェームズは現在はロンドンではなく、郊外のサリー州に住んでいるのだそうです。日本では猫は完全室内飼いで外には出さないのが常識、と思われていますが、それは都会の話で、今でも田舎では放し飼いが普通だとも聞きます。そんなわけで、ロンドンにいた頃はリードをつけていたけど、郊外に引っ越して放し飼いになったのかもしれません。うーん、でも、ロンドンが舞台の第1作でもボブがいなくなるエピソードがありましたね。(追記参照 実際は放し飼いではなかったようです。)


「ボブ猫2」はベストセラー作家になったジェームズがかつての自分のような暮らしをしている若者を助け、自分の過去の話を聞かせる、という内容で、ビッグ・イシューを売ったりストリートミュージシャンをやったりしてなんとか生活しているジェームズが、動物福祉局の人たちからボブを取り上げられそうになる話です。ちょうどクリスマスの時期が舞台で、クリスマスのための映画となっています。

お金がないので電気ガスはしょちゅう止められ、ボブに寒い思いをさせたり、病気になっても助けてやれない自分は、動物福祉局の人たちが言うようにボブを手放した方がいいのではないか、と悩みます。

その間、子どもを失った商店主から重荷を背負う3人の巡礼の話を聞いたり(この話が実によい)、ビッグ・イシューを売って生活している男が長らく会えていない娘をなつかしがる話を聞いたりして、大事な人、ジェームズにとっては猫のボブをケアすることで自分が成長することを再認識します。

ちょっとできすぎなくらいよい話なのですが、相変わらずボブはかわいいし、そのボブとジェームズを周囲の人たちが応援している様子もなごみます。

私自身、霊園の地域猫と知り合って、その猫たちと会うことが人生の励みになるみたいなところがあります。昨年、八柱霊園で親しかった猫が、高齢で冬を乗り越えられないと判断したボランティアに引き取られ、以来、会えなくなって寂しいけれど、でも、猫にとってはこれでよかったのだ、という気持ちをまだひきずっているので、映画を見ながら涙ぐんだりしてしまいました。

谷中霊園の方ではもう15年近く前から猫たちと知り合っているので、この間、老衰や病気そして交通事故で猫が亡くなることが何度もあって、いなくなった猫たちのことを時々思い出したりします。そして、今知り合っている猫たちも、いつかはいなくなるのだと。

「ボブ猫」第1作は試写状いただきながら試写室には行かず、シネコンで見ましたが、今度の続編は早く見たくて、オンライン試写で見せていただきました。でも、またシネコン行ってしまうかな。


追記

その後わかったのですが、ジェームズ・ボーエンはボブを放し飼いにしていたのではなく、敷地の周囲に高いフェンスを張り巡らせていたのに、ボブが天窓を押し開けて屋根伝いに外に出てしまったのだとのこと。そして、半マイルも離れたところで交通事故にあってしまったのだとか。

普段から外に出ていたのではないため、事故にあってしまった、とも考えられますし、そんな遠くまで行ってしまうとは、やはり野良の本能がそうさせたのでしょうか。