2018年12月22日土曜日

「アリー/スター誕生」&「ボヘミアン・ラプソディ」13回目

金曜はいつものMOVIX亀有へ「アリー/スター誕生」を見に行く。
亀有は金曜の初日だけ「アリー」は一番大きいシアター10で、土曜日からは中規模のシアター8になってしまうので、やはりスクリーンが大きくて音響のいいシアター10で見たかった。
で、「アリー」を見たあと、「ボヘミアン」を見ないで帰るときっと心残りになるだろうなと思い、「アリー」終了から1時間後に始まる「ボヘミアン」応援上映を予約。水曜にここで応援上映を見たら、拍手が起こったりしてそこそこ応援上映らしかったので、またそれを期待。
が、うーん、「アリー」はビミョーな出来栄えだし、応援上映は全然応援じゃなかった。がっくし。

「アリー/スター誕生」は1930年代、50年代、70年代に続く4度目の「スター誕生」で、私はジュディ・ガーランド版しか見てない。実は30年代のDVDが自宅にあるのだけどまだ見ていない。そのうち見ます。
映画界から音楽界に変更した70年代のバーブラ・ストライサンド版を踏襲とのことだけど、ガーランド版も入っている感じ。最初にアリーが歌うシーンがガーランドの娘のライザ・ミネリの「キャバレー」ふうだったり、鼻が大きいのはバーブラと同じ。
ストーリーは大筋は同じだけれど、人気歌手のジャクソンがアリーと出会ったときはすでに酒とドラッグに依存していて、聴覚を失いつつあるという設定。
レディ・ガガとブラッドリー・クーパーの歌はとても魅力的で、歌のシーンは楽しめる。が、なんというか、歌のシーンの間のドラマが薄いというか、ガーランド版の方がドラマ部分がしっかりしていたような気がするのだが。妻の迷惑になっていると思い、命を絶つ男はジェームズ・メイソンの方がやはり演技的によかったように思う。
ジャクソンはアリーの才能を発見してスターにし、ソロになった彼女にも適切な助言をして助けるが、アリーがグラミー賞候補になったあたりから崩れていく。その辺がイマイチ描写が物足りないというか、聴力を失いつつあるという設定もあまり生かされていない。
ただ、クライマックスから結末までのあたりはとてもよくできていて、特にジャクソンが命を絶つシーンは犬を使った暗示的なシーンになっていて、感心した。ラストはガーランド版を踏襲。
歌はいいけれどドラマが物足りないというのは、この物語の限界でもあるだろう。30年代、50年代、70年代と20年ごとに映画化されてきて、その後40年映画化がなかったのは、この物語が時代遅れになっていたからで、今回の「アリー」も古さはぬぐえない。年上の男性が女性の才能を見出し、恋にも落ちるという男性主導型の設定、自死を美化したと言われてもしかたのないクライマックス(さすがに「アリー」では美化しない描写になっている)、「私はノーマン・メイン夫人です」も「私はアリー・メインです」も、夫に所属する妻という感じがしてしまう。
「アリー」はそのあたりを無理に新しくしようとはしていない。無理に新しくすると「メアリーの総て」みたいなひどい映画になるのだが、古風だけどいやみのない物語に仕上げている。アカデミー賞最有力とか、アメリカでは「ボヘミアン・ラプソディ」よりもかなり評判がいいのだが、私から見ると、「ボヘミアン・ラプソディ」がご都合主義の物語なら「アリー」だってそうではないかと言いたくなる。でも、アメリカでは適度に古風な「アリー」が受けたのだろう。世界的には「ボヘミアン」の方が圧倒的に人気であるらしい。

というわけで、期待ほどではなかった「アリー」。やっぱりこのまま帰ったら欲求不満だわ、「ボヘミアン」応援上映予約しておいてよかった、と思ったのだけど、こっちはこっちで全然応援上映ではなく、欲求不満になってしまった。
亀有では応援上映は土曜から木曜は上映がないので、金曜にとりあえず行っておきたかったというのもあった。
金曜から「アリー」や「シュガーラッシュ」が始まって、「ボヘミアン」の大きなバナーがあったところは「シュガーラッシュ」のバナーに置き換わっていて、亀有もいよいよ「ボヘミアン」押しじゃなくなったのね、と思ったら、入ってすぐのシアター10の前に「ボヘミアン」の大きなバナーが。
うーん、まだ「ボヘミアン」押しなのかな、このシネコン。
「ボヘミアン」応援上映は定員170人ほどのシアター5で、今まで見た「ボヘミアン」の中で一番狭い。今回は応援上映に来るお客さんの様子も見たいと思い、いつもは前の方の席を買うのに、今回は後ろから3列目で全体が見渡せる席にした。
シアター5はそれまでに見たシアター10と9に比べると音響が劣る感じがしたが、重低音はかなりよく響いていた(後方で天井が近いから? 関係ないか?)。が、クライマックスのライヴシーンで、日本橋のアトモスで気になった雑音が、ここでも気になった。日本橋のアトモスも真ん中よりやや後方だったのだが、場所によるのだろうか。音響的には重低音以外はいろいろ不満が残った。
でもって、お客さん、全然応援しない。
今回は遅れてくる人は皆無、トイレに立つ人も非常に少なく、みんなまじめに見ているだけで、拍手も最後に1人だけした人がいただけ。うーん、水曜はレディースデーだったので客も多かったし、その分、応援したい人が多かったのかな。金曜は通常上映と同じでした。

土曜日は来場者プレゼントでクリスマスカードが配られるそうなので、通常上映と同じなら土曜に行ってカードもらいたかったなあ、とまたしても欲求不満が。
「ボヘミアン」はポストカードとかステッカーとか時々特典を配っているのだけれど、13回も見に行ってまだ一度も特典をもらっていない。
でも、特典は数量限定なので、遅く行くとなくなるかもしれないので、欲しい人は午前中に行く。私は午前中は苦手。「聲の形」なんて特典配る日に行ったのに、夜の回だったからもらえなかったもんなあ。
というわけで、午後から1回目の上映が始まる映画館を調べて、もう予約してしまいました。
特典ほしい人が多いのか、かなり席埋まっていました。
亀有も午前の回は予約多いようです。
「ボヘミアン」は「君の名は。」や「空海」ほどは感動していないんだけれど、なぜか癖になるのです。