2012年4月12日木曜日

お礼状

拝啓 益々ご研鑽にはげまれご多忙のことと拝察申し上げます
 さてこのたび小社刊行の**文庫より『****』の作品をご採用いただき誠にありがとうございました
 **文庫は(中略)数多くの読者の皆様の支持を得てまいりました また中学校高等学校の国語の教科書に収録されている作品が非常に多いのも大きな特色です
日頃の読書指導の一助としてこれからも**文庫をご活用くださいますよう(後略)

というお礼状が、非常勤講師をしている某大学に届いていました。
句点がないのは原文どおりです。雛形があって、『****』の中だけ変えてプリントアウトしているのでしょうね。『****』の作品、という日本語は変だと思いますが。

しかし、しかし、昨年、私はこの大学で、**文庫の『****』だけでなく、@@文庫の『ロミオとジュリエット』、$$%%文庫の『フランケンシュタイン』と『宇宙戦争』も採用したのですが、他はお礼状も何もなしです(つか、それが普通だと思うが)。
この**文庫の会社だけが、学校で採用されるとお礼状を出すという習慣なわけですね。
機械的に出しているんだと思うけど、まあ、びっくりだわ。
おまけに、私はこの**文庫から翻訳を2冊も出させてもらった過去がある(どちらもすでに絶版)。
ただ、翻訳はペンネームなので、このお礼状は本名あてで来た。
翻訳2冊出させてもらった頃は、この出版社から筆名あてでいろいろ郵便物が来たものですが、本名あてで来たのは初めてです(源泉徴収票は本名だったかもしれない)。
そんなわけで、封筒がなつかしかったねえ。翻訳を出させてくれた編集者はとっくに退職しています。出版社の世界では、編集者が異動、退職で縁が切れてしまうのは珍しくありません。切れないように必死で次の人につなごうとしないといけないらしいけど、それもなかなかむずかしいものがあります。