2016年8月11日木曜日

思い立ったら「シン・ゴジラ」(ネタバレあり)

左派の論客たちがツイッターで「シン・ゴジラ」について熱く語っているのを見て、急に見たくなり、前日行ったばかりのシネコンのスケジュールを見たら、今から行けばチケット買って夕食とって映画が見れる、と思い、出かけてしまいました。
2日連続シネコンで日本映画とは、私の映画ライフにはこれまでなかったパターン。
しかし、レディスデーなのを忘れていて、いつもどおりシニアで買ってしまった。料金同じだけど気分的に少し落ち込む。

が、「シン・ゴジラ」は傑作でした。
今どき2時間15分とか2時間半とか話題作はやたら長くするのに、これは2時間以内と、非常にコンパクト。贅肉のまったくない引き締まった作品です。
とにかく面白い。エンターテインメントとして最高。
その上、ゴジラが原発事故を象徴化した存在になっている。
ゴジラが破壊した町は津波に襲われた町のようで、しかもゴジラは核融合をエネルギーとしている。
ゴジラは最初は怖くないというか、むしろ目がかわいいんですが、だんだん変化して最後は怖くなります。
で、進化するゴジラが世界中を襲うかもしれないというんで、アメリカと国連は核爆弾を使うと言いだす。それに反発する被爆国・日本。ということで、広島・長崎が出てくるというタイムリーな発想。
日本側は核爆弾よりも核融合を押さえ込む作戦を考え、ということで、最後にこの計画が実行されるんですが、これがよく考えれば荒唐無稽なんだけど、アクションとしては非常に面白いし、核を断固拒否というのもいいです。
最後、ゴジラはなんとか石棺化するのですが、これですべて解決ではない、というあたりも原発事故と同じです。
本当に、あの東日本大震災と原発事故の体験があるからこそわかる映画であり、そのときの政府の役に立たなさとか、自衛隊のがんばりとか、そういうのも入っていて、あれを体験した日本人、および日本にいた人には大いに共感できるのでは、と思いました。
前半は適度にユーモアもあってね。
最後は、ダメな日本政府もいざとなればがんばる、みたいなふうになってますが、このあたりはエンターテインメントとしては普通の展開。最初だめだったけど最後はがんばる、みたいな。
原発事故の問題はまだ終わっていない、ということを示唆しているだけでもすごい映画です。