2020年1月18日土曜日

「ジョジョ・ラビット」

トロント映画祭の唯一の賞、観客賞を受賞した「ジョジョ・ラビット」が金曜から始まり、早速見に行った。
例の徒歩35分の地にあるユナイテッドシネマ松戸でも上映されているのだが、3.9mの小さいスクリーン。もっと大きいところではやらないのかと思い、調べてみたら、松戸よりさらに小さい3メートル前後のところばかり。それでさらに探したら、TOHOシネマズ日本橋が最大箱で上映するとわかり、そこを予約。ここは好きなスクリーンなのだ。
が、映像自体はそんなに大きなスクリーンでなくてもよいかな、という感じだった。あまり小さいのもいやだが、中程度なら十分という感じ(映像がすごいとかそういうのはない)。
そして、映画だけど、トロント観客賞なのでかなり期待したが、期待しすぎたのか、それほどすごい映画には思えなかった。
Rottentomatoesの評価を見たら、批評家は80%支持ということで、それほど傑作とされているわけではないようだ。むしろ観客の支持が高く、観客賞といい、観客に楽しまれている作品なのだろう。
でも、正直、ナチスドイツ時代を描いているのに緊張感がなく、ユダヤ人少女をかくまっているとか、母親がレジスタンスをしているとか、いろいろ緊張があるべき設定なのに、そういう緊張とかショックとかがない。コメディだから? でも、皮肉とか風刺というほどのものでもない。
とりあえず、海外の批評家の評価は点数だと10点満点中7点台のようで、そこそこの出来という感じで、まあ、私の感覚と合っているのだろうが、なんだろね、この妙に気の抜けた感覚は、と思っていたら、こんな記事があった。

映画と原作小説"Caging Skies"の比較について。
https://www.slashfilm.com/jojo-rabbit-book/

メインタイトルを見たときに原作があることはわかったので、もともと原作がそういう内容なのかな、と思ったのだが、上の記事を読むと、映画と原作はかなり違うようだ。
おおまかなストーリーは同じだが、主人公はヨハネスという名前で、ジョジョのようなニックネームはないし、ヒトラーもまったく出てこない。そして何より、原作は終戦後4年間、ヨハネスはユダヤ人少女に戦争はドイツが勝ったと嘘を言って、彼女を閉じ込めておいたそうだ。
筆者は、脚本・監督のワイティティは原作を半分しか読んでないのではないか、原作をヒントにして自分の作りたい話を作ったのでは、と書いている。そして、自分のいやなものを自分の愛するものに変えたところがユニーク、と言っている。
すくなくとも原作はあんなお気楽なナチスドイツものではないようで、ほっとした。