2022年6月8日水曜日

へえ、ほう

 フリーペーパーらしいんだけどなんかすごいものらしいね。

朝日新聞購読者の中の富裕層か。
なんか逆説的というか、いかにもというか。
私には無縁。

高度成長期やバブルの時代に若かった私から見ると、日本が今のようになるとは想像もつかなかった。
朝日新聞購読者の中の富裕層、なんて言葉が出てくるとはね。

このところいろいろ思うところがあったのだけど、
先週の土曜日から岩波ホールの最後の作品として、ヴェルナー・ヘルツォークのブルース・チャトウィンのドキュメンタリー映画が公開されてるってことを、翌日の日曜日に知った。
この日は競馬でソングラインという馬が優勝したってのも奇遇なんだけど。

それで、ブルース・チャトウィンって売れてるのかな、と思ってアマゾンで検索したら、なんと、ニコラス・シェイクスピアのチャトウィンの伝記の翻訳が2年前に出ていた!

私は1997年にニコラス・シェイクスピアの「テロリストのダンス」を翻訳して、当時は翻訳原稿がたまっていたので2年近く待たされ、1999年に出版。もちろん売れず、ジョン・マルコヴィッチ監督の映画化もDVDスルーで、すぐに絶版。

でも、本が出たとき、ちょうど、シェイクスピアのチャトウィンの伝記が原書で出たときで、出版社にチャトウィンの絵葉書セットが届いていて、編集者からそれをもらったのだ。
メルカリに出したら高く売れる? かどうかわからんけど、どこかにしまったのか覚えてない。

この伝記の原書はハードカヴァーでは高かったのでペイパーバックが出るのを待って買った。が、650ページもあるので積読状態。いつ読むのかなと思いつつ、買ってから20年くらいたってしまった。

そんなわけで、自分が翻訳したいとは1ミリも思ってなかったので、他の人の訳で出ても全然かまいません。が、どうもヘルツォークの映画に合わせて出版だった? 映画は海外では2020年に公開されてて、翻訳も同じ年に出版。アマゾンのレビューだと誤訳が問題になってるが、あの大部の本だと人海戦術での翻訳にならざるを得ないし、名前が出てる翻訳者は発行当時すでに80歳で、いろいろ無理があったのだろうと。

チャトウィンはニコラス・シェイクスピアが伝記を書いたとわかった頃に翻訳があるのはだいたい読んだ。しかも図書館で借りるのではなく、自腹で買った(当時は羽振りがよかったのだろう)。
しかし、チャトウィンは読めば面白いのだが、私ははまらなかった。買った翻訳書もその後の引越のときにすべて売ってしまった。

ニコラス・シェイクスピアはチャトウィンの手紙も出版している。これは買ってない。

チャトウィンの伝記は図書館にあったので、借りることにした。とりあえず、これを流し読みして、そのあと原書読まないとね。

岩波ホールも、最後に一度行きたいから、チャトウィンの映画を見にいくつもり。ニコラス・シェイクスピアも出演しているらしい。

それにしても、2000年代くらいまでだったら、自分がかかわったものに関連するものが公開されるときはなんらかのアプローチがあったのに、2010年代からはまったくなくなった。
そして、自分も、世間から疎くなっている。シェイクスピアのチャトウィンの伝記が翻訳されていたのを2年も知らなかったなんて。

都心に住んでいたときは都心の大書店にしょっちゅう行っていたが、郊外に引っ越してからはそれもなくなり、情報を得にくくなっていたことがわかる。