2010年11月2日火曜日

出来レース疑惑

 某有名俳優がポプラ社のポプラ小説大賞を受賞したことで、出来レース疑惑が起こっているわけですが、ここで問題なのは、出来レースかどうかとか、書いた作品が優れているかどうかではないと思うのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%97%E3%83%A9%E7%A4%BE%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E5%A4%A7%E8%B3%9E
 上のリンク先を見てもらうとわかるように、ポプラ小説大賞は賞金2000万円という巨額の賞金を設定しているのですが、第1回と今回(第5回)以外は大賞受賞者が出ていない。優秀賞500万円といってますが、その優秀賞も年々出さなくなる。かわりに特別賞や奨励賞を出している。
 そして、応募者も、最初こそ2700人もあったが、第2回からは激減、1100から1200あたりに落ち着いている。
 大賞や優秀賞が出ないのは、優れた作品が来ないからなのかもしれませんが、どう見ても賞金2000万円で話題を呼んで、しかし、本音は2000万円も出したくない、500万円さえ出したくないのではないかと疑ってしまいます。
 実際、某有名俳優が応募しなかったら、今年も大賞は出なかったのではないでしょうか。しかも、有名俳優は賞金を辞退。しかも、第1回の受賞者も賞金をもらっていないという噂もある。そうなると、5回やって、ついに1度も2000万円出さずにすんだってこと?
 有名俳優だから大賞を出し、そして賞金は辞退してもらった、というのがミエミエだから、出来レースと言われてるわけです。作品がいいかどうかはこの際、関係ない。出来レースでなくて、いい作品で、でも有名人だとわからなかったら、たぶん、特別賞にしかならなかっただろうと思うのです。
 ポプラ社は今回で大賞をやめ、賞金200万円の新人賞にするそうですが、作家を志す人はこの賞に応募するのをためらうでしょう。ここでデビューしても、あとで困るという予感がするでしょうし、すでにここでデビューした人も悪い印象ができてしまう。某有名俳優だって、結局、出版社に利用されて、キャリアに傷がつくかもしれない。
 ポプラ社は最近、ほかにも疑惑があったようで、週刊誌に書かれたりしていましたが、大丈夫なのかね、この出版社。
 ポプラ社と同じく、児童書で有名だった理論社が倒産したのはつい最近のこと。理論社はよい本を出していたからと、同情する声もありましたが、いい本を出すのと、出版社がまともかどうかは区別しなければいけないと思います。理論社がどういう状況だったのかは知りませんが、腐った出版社だっていい本は出せます。いや、いい本を出している出版社が清廉潔白なんてありえない。 ポプラ社の場合も、何かきな臭い感じがしてなりません。