2012年5月16日水曜日

首都圏のイオン

都心に住んでいるとイオンというものにはほとんど縁がないのですが、ホッケー観戦で北海道へ行ったとき、釧路のイオンへ行って、それが私のイオン初体験(数年前)。そして今年は苫小牧のイオンへ行ってシネコンで映画を見てきたのですが、北海道のイオンはとにかく細長く、端から端まで歩くのがかなり大変。建物は2階までで、まわりに広い駐車場。さすがは北海道、広いね、と思っていたのですが、火曜日の夜、初めて首都圏のイオンへ行ってきました。
 場所は埼玉県南部ですが、まあ、中に入ったら、釧路や苫小牧とまるで変わらない。やっぱり細長い、広い建物で、端から端まで歩くのが大変。ただ、2階建てではなく3階建てでした(北海道のイオンほどは長くなくて、その分3階建てのような気がします)。夜だったので駐車場が広いかどうかはわかりませんでしたが、窓から外を見ると、平野が広がって、家もあまりないので、ほんと、釧路や苫小牧のイオンにいるみたいでした。ただ、人は北海道より少なかったです。こんなにすいていてやっていけるのか、イオン?
 さすがに首都圏なので、駅から歩いていけます(釧路と苫小牧は駅からバス)。んなわけで、駅からてくてくと歩いて、イオンの建物にはすぐ着くんだけど、シネコンが駅から一番遠い端なので、シネコンに着くまでが大変。でもまあ、なんとかたどり着いて、「テルマエ・ロマエ」を見てきました。
 なんで埼玉のイオンのシネコンに行ったかというと、ここが週に1度行く仕事先の近くで、しかも15日は1000円の日だったからです。ただ、仕事先から近いといっても、駅までバスで10分、それから電車で3分なのですが、その電車がなんと10分近く遅れていた。けっこうぎりぎりだったんで心配しましたが、なんとか上映開始前に到着。初めての映画館で指定席というのは、どの席が自分好みかわからず、困るのですが、入ってみたら、ガラガラでした。ほんとにヒットしてるのか、「テルマエ・ロマエ」?
 映画は前半は原作の風呂エピソードをいくつかつなぎ合わせたもので、なかなかうまく絵にしてあります。後半は原作にはない話で、漫画家志望の若い女性がルシウスに恋してしまい、実家の湯治場に来ていた大学教授の助けで古代ローマやラテン語を勉強、そして、古代ローマへタイムトリップしてしまう、という、原作の温泉芸者よりかはずっと面白い。ルシウスが日本に来るたびにそこに彼女がいて、というのも「ジェニーの肖像」とかを思わせてニヤリです。また、原作だとルシウスが温泉芸者に惚れるんだけど、ルシウスの方が惚れられるようにしたのも正解ですね。ルシウスは女にあまり興味なさそうなんだもの。漫画家志望の女性とも、一緒に住んでも兄妹みたいな感じ。
 ローマ人を日本人が演じるというのも、思ったよりうまくいっていました。古代ローマのシーンは日本語吹き替え、ルシウスが日本に来るとラテン語を話す、というのもなかなかよい。で、ヒロインが古代ローマへ行くと、せりふは日本語で、バイリンガルと右上に出るという趣向。そのあと、湯治場の老人たちが来てしまったりするんだけど。
 でも、「テルマエ・ロマエ」の真髄はやはり、ルシウスが日本の風呂を見て感激、ローマに持ち帰って、というエピソードの羅列で、それが中心の前半に比べて、ストーリー性が強くなる後半が弱いのはいたしかたないか。最後まで風呂エピソードでやるわけにはいかなかったのかなあ(ヒロインはルシウスが来るたびにそこにいていいと思うけど)。
 ルシウスを演じる阿部寛に加え、皇帝役の市村正親がびっくりするほどのはまり役。思えば、アメリカ人がローマ人を演じるハリウッド映画だって、よく考えたら変なはずなんだから、日本人がローマ人を演じてどこが悪い、という気がします。この映画のような作りだったら、今後、日本人が西洋人を演じても違和感ない映画ができそうな感じ。何か、そういう新しいジャンルを切り開きそうな予感もします(そこまで言うか?)。
 イタリア・オペラの名曲が次々と出てくるのも魅力でした。ルシウスが日本に吹っ飛ばされるたびに登場してアリアを歌うおっさんが、途中から出てこなくなったのも残念だったな。最後にまた出てきますが。