2020年9月19日土曜日

大人気「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を見てきた。

 18日金曜日は「テネット」と「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の初日。が、この両方を上映する劇場は「ヴァイオレット」は軒並み売り切れや残り僅かで、「テネット」は余裕あり。まあ、「テネット」の方が上映館多いだろうし、値段の高い特殊上映もあるので、興収動員ともに「テネット」が1位だろうけど、「ヴァイオレット」の方が断然人気に見える。

で、久々というか、半年ぶりに亀有へ行き、「ヴァイオレット」の方を見た(「テネット」は別の日に)。



入場者特典の短編小説。3種類あるらしい。奥付が4月で、コロナで公開延期の間ずっと待たされていた特典だったのだね。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は原作も読んでいないし、テレビアニメも見たことないし、去年公開の外伝も見ていない、まったくの一見さんですが、一応、ネットで予習はしました。
映画はテレビアニメや原作のファンを対象に作っているので、一見さんだとわかりにくいところもあるというか、主人公がすでに代書屋になっているところから始まるのだけど、テレビアニメは代書屋になる少し前から始まるらしい。そして、それ以前の兵士時代が重要なのだと思うのだけど、映画ではそこがほとんど描かれない(ファンなら当然知っているという前提)。原作やテレビアニメではどの程度描かれたのかわからないのだが、ウィキペディアで見た感じだと、兵士時代はあまり描かれてないように見えるのだが。
去年、外伝が公開されたときに少し興味を持って調べたときは、主人公は人造人間なのだと思ってしまい、戦闘機械として作られたロボットの少女が人間の感情を持つようになるのだとばかり思っていた。しかし、今回、もう一度調べたら、人間だけど、戦うだけのロボットみたいに育てられていて、その後、手紙の代筆を仕事にする中で、しだいに人間の感情を持つようになっていくようだ。
映画を見ていても、主人公のヴァイオレットの反応はどこかロボットのようで、生身の人間だけどロボットにされていた、ということなのだろう。完全にロボットならば、このテーマは人造人間ものとして普遍的なテーマなのだが、人間なのに殺戮機械にされていた、というあたりがきちんと描かれないと、その後の展開がどうもイマイチ重みにかけるというか。
原作やテレビアニメではきちんと描かれているのかもしれないけど、どうなのかな。
それはともかく、映像のクオリティの高さには驚く。風景描写も美しいが、人物のわずかな表情の変化で多くを語っているシーンがみごとというか、こういう繊細な表情の描写はアニメではなかなか見られないのではないかと思う。
ストーリーも、途中までは一見さんなのでイマイチ乗れなかったが、クライマックスの少年のエピソードあたりからはすばらしかった。電話を使っちゃうのは手紙屋としては負けなんだけど、手紙やタイプライターがやがてすたれていくという時代の変化を否定せず、古きよきものはそれなりに残しながら、時代の変化を受け入れていく感じがいい。

観客はおたくな男性が多いのかと思ったら、若い女性が多かった。クライマックスではすすり泣きも。終わって外に出たら、次の回の行列がもうできていた。グッズは売り切れみたいだったし、いやすごい。

半年ぶりの亀有なので、ショッピングセンターもしっかりまわった。土曜日から「麒麟が来る」展をやるらしい。下は準備中。

今月は「海辺の映画館」と「パヴァロッティ」も見た。

「海辺の映画館」はいろいろと考えるところが多かった。文章にまとめられないくらい、いろいろ考えた。差別扇動で問題になっているNHK広島のひろしまタイムラインとは何もかもが正反対の映画だった。志が違いすぎる。

「パヴァロッティ」は古い音源なのに音がすごくよかった。音響のいいシネコンで見たかいがあったというもの。見ていて、30年くらい前にドミンゴとカレーラスのオペラを生で見たことを思い出した(3大テノールの公演は見ていない)。ドミンゴもカレーラスもボノも年とったなあ。U2のドキュメンタリー映画をも見たのも30年くらい前。