2012年8月11日土曜日

鏡と窓・「真珠の首飾りの少女」追記

ここに、この絵についての大変すばらしい解説があったので、ご紹介します。
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2704

この絵について、私が最も注目したいのは、鏡と窓、です。
画面左側に鏡と窓があり、窓から光が射しているわけですが、画面左側からの光というのはフェルメールの定番のような気がします。
しかし、その窓のすぐ手前に、鏡があり、少女(英語題名ではヤング・レディ、ちなみに耳飾の少女はガール)は鏡を見ながら身支度をしているところでしょう。
上の記事にもあるように、自分の姿に恍惚となっているような女性。まあ、おしゃれが好きな女性なら誰でもそうなるでしょうが、この鏡を見る女性というのは、ヨーロッパの芸術や文学では大きなテーマなのです。
それは、自分ばかり見ている女性。
鏡ばかり見ていた女性が、窓の外を通る騎士ランスロットの姿に気づき、窓の外を見たら、鏡が横にひび割れて、という有名な詩があります(アガサ・クリスティーの小説の題名にもなった)。
すぐ隣に外の光の射す窓があるのに、少女は鏡に映る自分を恍惚と眺めている。でも、いつか、少女は窓の外を見るようになるだろう、と思わせる絵なのです。
鏡の下にある中国製の陶器とか、テーブルの上に置かれたものとか、少女以外の物にも注目なのですが、テーブルの下の白いものが何なのか、絵を見たときからずっと考えています。本物を見ると、けっこう目立つんですよ、この白いものが。