2019年5月14日火曜日

追悼 ドリス・デイ

5月13日、歌手で女優のドリス・デイが97歳で亡くなったという訃報が流れた。
ご冥福をお祈りします。

97歳といえば大往生だし、引退してからだいぶたつので、ネットのニュースを見ると、日本ではもう知られていない人になってしまったんだなあと思ったが、かつては日本でも人気投票の上位に必ず入る人気女優だったのだ。
私が彼女を知ったのは1960年代後半で、映画館では「ニューヨークの大停電」がかかっていて、テレビでは連続ドラマ「ママは太陽」が放送されていた。この「ママは太陽」以後もテレビ出演はしていたようだが、映画は「ニューヨークの大停電」を最後に引退したらしい。となると、引退してからほぼ半世紀たっている。テレビの方でもあまり活躍していた感じではない。

実はキネマ旬報で、私の好きなスター外国映画・女優編に参加させてもらったとき、たしか、一番最初に書いた名前がドリス・デイだった。
理由は、一番最初に好きになった女優だったから。
「ママは太陽」も見ていたけど、好きになったのはテレビで放送された「カラミティ・ジェーン」から(たぶん、こっちを先に見ている)。
「アニーよ、銃をとれ」に刺激されて作られた西部劇ミュージカルで、大好きな映画だった。アカデミー賞受賞の主題歌「シークレット・ラヴ」も好きだった。
だいぶあとになってDVDで見たら、ポリコレ的にどうかと思うシーンもあって、うーんと思ってしまったけれど、好きな映画であることに変わりはない。
これはブルーレイ。画像はすべてアマゾンから。

当時はスターは映画会社と専属契約を結んでいるのが普通で、ドリス・デイはワーナーの専属だった。もしも彼女がMGMと契約していたら、有名なミュージカルに出演して、ミュージカル・スターとして記憶されていたかもしれない(?)。

ワーナーでは、彼女はコメディを得意としていたが、シリアスドラマもある。
「カラミティ・ジェーン」の次に私が好きな「情熱の狂想曲」。
写真はドリス・デイではなく、カーク・ダグラスとローレン・バコール(2人は演劇学校の同窓生だった)になっているが、ドリス・デイの方が先に名前が出る。
ドリス・デイの映画はテレビ放送で見たものが圧倒的多数なのだけど(映画館でのリバイバルもほとんどされなかった)、この映画はテレビ放送されたときに見られず、ずっと気になっていて、やっとDVDで見られた。黒人のジャズマンに育てられた白人のトランぺッターと2人の女性のドラマで、ドリス・デイの役は原作では黒人のようだ。今ならポリコレ的にうんぬんとなってしまうけど、映画は人種差別問題も含めて非常に見応えがあり、特にバコールの演技がよかった。

当時は専属契約していても、よその映画会社に借り出されて出演というのはよくあって、この「知りすぎていた男」はワーナーではなかったと思う。
ドリス・デイの主演映画で一番有名な映画。ヒッチコックとしてはコメディ路線の作品で、ドリス・デイのコメディ演技が生きている。主題歌「ケセラセラ」でも有名。
この映画を含む5本のヒッチコック映画がまとめてリバイバルされたとき、キネ旬でその特集があり、私は「知りすぎていた男」を書かせてもらった。これがキネ旬デビューでもあったので、ファンとして好き、以上に重要な作品。この映画は当時、テレビ放送もされていなかったので、映画館で初めて見た唯一のドリス・デイ作品になる。

ドリス・デイといえば「センチメンタル・ジャーニー」と並んで有名な歌「二人でお茶を」。
この映画もテレビで見ただけだけど好きでした。これ、500円か。テレビで見ただけでDVD探してまで見てない映画が多いということに気づく。初期の代表作。

「夜は楽しく」に始まるロック・ハドソンとのコンビによるコメディが有名だけど、コメディで私が好きなのはこれかな。「パジャマ・ゲーム」も面白かったと思うのだけど、DVD化されていないよう。

そして、実は、「カラミティ・ジェーン」、「情熱の狂想曲」に次いで好きなのはこれ。
ワーナーのギャング役者として有名なジェームズ・キャグニーと共演した「情欲の悪魔」。
1920年代のギャングと歌手の実話をもとにした作品で、「情熱の狂想曲」同様のシリアス路線。
昔テレビで一度見ただけで、その後、まったく見ていないので、今見たらどうだろう、と思うけれど、ドリス・デイを追悼して、アマゾンでポチってしまいました。


DVDがあることは知っていたけれど、お値段が高いので、そのうち、と思って忘れていた。
今見たらがっかり、ということもあるかもしれないので少し不安。
この頃、一番好きな女優はドリス・デイ、男優はキャグニーだったのに、キャグニーの映画もテレビで見ただけのものが多い。
お値段高いけど、名探偵ピカチュウ等身大ぬいぐるみのお金でこれが買えたと思えばハッピーです。アマゾンでは最後の1枚だったけれど、また入荷するかも。