2019年12月29日日曜日

「家族を想うとき」

土曜日はキネマ旬報シアターでケン・ローチの新作「家族を想うとき」を見た。
原題は「ご不在で残念」というような意味で、宅配ドライバーが入れる不在通知に書かれた言葉。
賃貸住宅に家族と住む主人公が、家を持ちたいと思い、フランチャイズの宅配ドライバーになるが、社員ではないので労働者としての権利が認められず、介護士の妻も苦労し、子供たちも、という話。
夫も妻も1日14時間くらい働いていて、しかも社会的に孤立していて、子供に何かあってもすぐには動けず、そうした状況なのに学校も警察も理解がなく、家族が追い詰められていくさまが描かれる。
日本でも仕事を依頼するときに雇用関係ではなく、自営業として依頼すれば最低賃金をかなり下回る金額で済むという話はいろいろ聞いている。
そうした社会問題を描く映画なのだが、それでも、イギリスの現在の状況とか、いろいろ解説してほしい映画。
なので、キネマ旬報の12月下旬号の特集を読んでみた。
が、これが青臭い文章が3つ並んでいるだけ。
なんだこれは。
しょうがないから検索したら、東洋経済が参考になる文章をアップしていた。
https://toyokeizai.net/articles/-/320357
https://toyokeizai.net/articles/-/320385
なるほどね。
しかし、あの青臭い文章はいったい何なんだ。
大学院の院生の、米文学が専門だとかいう、ただの素人じゃね?な人の論考と、あとはなんだか苦労したらしい人2人の個人的な感想。
せめてケン・ローチのコメントくらい紹介しろよ。
世の中には苦労を語ることができないくらい、ひどい苦労をしている人がたくさんいるってことくらい気づけよ。
まったく、くそいまいましいとしか言いようのないキネ旬の特集だった。