2020年2月14日金曜日

「1917 命をかけた伝令」&ハマスホイ展

初日に「1917 命をかけた伝令」をMOVIX亀有に見に行く。
交通費のかからないUC松戸のIMAXレーザーで見た方が安いのだが、木曜にガンダム・スタンプラリーでゴールできなかったら映画のあとに行こう、そしてそのあと、上野の東京都美術館でやっているハマスホイ展に行こう、と思い、亀有を予約。亀有は通常だが、シアター10は画面も大きく、通常ではよいスクリーン。
で、先日、亀有でスタンプ押したときは撮らなかった写真を撮る。

亀有駅にあるベックス。ここで500円以上買い物するとカードがもらえる。ベックスのフードは好きなので、500円以上飲食してもいいんだけど、カードのために飲食するほどではない(この店は入ったことないというのもあって)。でも、わざわざ手書きで「ゴール店舗はこちら」と書いているのはとてもよろしい。9駅達成のステッカーもここでもらえる。

MOVIX亀有。「風の谷のナウシカ」の歌舞伎バージョンのディレイ・ビューイングを上映中。

アカデミー賞作品賞本命視されながら、まさかの逆転劇で「パラサイト」に監督賞もさわられてしまった「1917」だけど、映像演出ともに優れた良作であることは間違いない。でも、新しさとか奥深さとか、そういうプラスアルファの部分が不足していると感じた。正直、「パラサイト」の方が断然よい出来で、普通なら外国語映画だから国際賞だけでいいだろと思われるところ、作品賞にも推したアカデミー会員が多かったのもうなずける。
10分程度の長回しを全編ワンカットに見えるようにつなげているのだが、実際には、ここでカットがかわったな、とわかるところがいくつもあるし、主人公が気絶して画面が暗転、少しするとけっこう長い時間が経過しているとか、全編ワンカットと宣伝で言うのはちと詐欺的。
前半は広々とした平原を、主人公2人がいつ敵が出て来るかと緊張しながら進んでいく。この前半は、別にIMAXで見なくてもいいかな、と思ったが、後半、あ、これはやっぱりIMAXレーザーで見たかった、と悔しくなるシーンがいくつか出てきた。
静的な前半と動的な後半の、特に後半に光と影のすばらしい映像がある。
長回しについて言えば、「サタンタンゴ」とか、あるいは日本映画の長回しに比べて決定的に違うのは、登場する人の数がやたら多いこと。これだけの人を動かして10分くらい長回しって、大変だろう。このあたりにサム・メンデスの演出力があるのだろう。
しかし、「サタンタンゴ」では人が歩き出すと長回しが始まる、とネットに書いていた人がいたが、この映画も主人公が歩き出すと長回しが始まる。
後半は主人公が1人になってしまうので、後半はその1人の視点で物語が進むが、前半は2人なので、視点が第三者的にも見える。この辺の差も気になるところ。
あと、いろいろ気になったところも多く、たとえば、なんでそこでドイツ兵を助けるの?とか、なんですぐ撃たないの?とか、赤ん坊を抱えた女性と出会うのは「バリー・リンドン」のパクリだろう、とか、いろいろ突っ込みたくなる。特に最初の2つは戦場の状況としてどうなのか、と疑問に思う。また、運よく仲間に遭遇という、ご都合主義的な展開が2回もあって、脚本的に疑問を感じてしまう。
「バリー・リンドン」といえば、見る前から、この映画はキューブリックの「フルメタル・ジャケット」の後半のような、いつ敵が襲ってくるかわからない緊張感の映画だろうと想像していたが、実際に見てみると、「フルメタル~」に比べたらだいぶ穏やかって言ったら語弊があるが、それほど緊張しない。主人公の行く手に次々と死体が横たわっている、というのも、過去の戦争映画に比べてリアリティに欠ける描写だし、戦争そのものの悲惨さとか、そういったものを描く映画だとしたら、ちと底が浅い感じがするのだ。
というわけで、良作ではあるが、傑作とかそういう域には達していない、というのが私の結論。

映画のあとは、常磐線で上野に移動、しようとしたら、昨日に続いてまた常磐線、線路に人立ち入りだの、異音の確認だので大幅な遅れ(昨日は山手線だけでなく、常磐線もあったのだ)。でもまあ、急いでないので、先に来た混んでる電車を見送って、次に来たガラガラの電車で上野へ。今日は美術館は夜間開館で午後8時まで。
東京都美術館の「ハマスホイとデンマーク絵画展」。

ハマスホイは西洋美術館が購入した作品を常設展で何度も見ていて、とても好きな絵だったので、今回の美術展を楽しみにしていた。
19世紀後半から20世紀はじめのデンマークの画家たちの作品と、そして最後にハマスホイの作品が展示されている。他の画家の絵(風景画や人物画が多い)も魅力的で、北欧らしい静謐な雰囲気の絵画が多かった。ハマスホイの絵画は他の画家のようにカラフルではなく、ちょっと水墨画に色がついたような雰囲気。
好みの絵ばかりだったのだけど、東京都美術館は西洋美術館などと違って、もう一度戻って見ることができない。フロアがかわるともう戻れないのだ。ひととおり見てからお気に入りの絵をもう一度見たいのに見れない。
そして、売店では、例によって私の気に入った絵は絵ハガキになっていないのだ。
それでも8枚も買ってしまったけど(下の写真の灰色の袋に入っている)。

点数はそれほど多くはないけれど、わかりやすく親しみやすい絵ばかりだった。