2013年3月30日土曜日

3人のアンヌ

このブログは映画についての記事へのアクセスが非常に多いです。特に、アカデミー賞ドキュメンタリー賞受賞の某映画は1ヶ月で1500を超えるアクセスです。
というわけで、労働問題よりも映画の記事の方が受けるのか、と思い、映画の紹介を。
韓国のホン・サンスという監督は、韓国のエリック・ロメールとか、韓国のゴダールとか言われて、フランスなどでは大変な人気があるようです。
私もこれまでに数本見ていて、確かにロメールに似た作風なのですが、イマイチ、好きとはいえない。韓国映画だったら、もっと違うタイプの映画の方が好きだ、と思うのです。
つまり、韓国の現実を描くとか、シリアスなタイプ。
しかし、ホン・サンスの映画は、そういうシリアスなタイプではなく、なんとなくほんわかとしたコメディというか、うーん、そこがロメールみたいなんですが、ロメールと違って、韓国の映画の男優はイケメンじゃない。テレビドラマはイケメンが多くて、日本の女性にも大人気なのですが、映画の方は芸術的なものほどイケメンじゃないのです(女優は美人ばかり)。
そのあたりが、ちょっと、ロメール的な人気が日本では出ないだろうと思うところです(かつて、日本ではロメールの映画が大人気だった時代があった)。
で、この「3人のアンヌ」ですが、フランスの女優イザベル・ユペールが3人のアンヌを演じています。その3人のアンヌの3つのエピソードが描かれる映画なのですが、3つのエピソードではアンヌはそれぞれ違う人物なのに、他の登場人物は同じ人物、という映画です。
特に、ライフガードで、夜は近所のペンションの手伝いをしている男がアンヌに恋をして、3人のそれぞれ違うアンヌとかかわりを持ち、それが1つのストーリーになっているという映画です。
確かにとても面白くて、ホン・サンスの映画としてはこれまで見た中で一番楽しめました。
台湾のアン・リーがアカデミー賞の監督賞を受賞しましたが、韓国の監督も、ホン・サンスはフランスで人気、「JSA」や「オールド・ボーイ」のパク・チャヌクは「イノセント・ガーデン」でハリウッド進出と、アジアの監督が欧米に進出しているのはいろいろと思うところがあります。で、日本の監督は?